書籍オンライン編集部 編集長
市川 有人
Yujin Ichikawa
2010年1月入社
わたしは、こんな人
1974年生まれ。大学卒業後、人文系・ビジネス系出版社を経て現職。映画と温泉とコーヒーが好きな一児の父。
センスに頼らず本が作れるように

私は今、プレーヤーとして本を作りながら、マネジャーとしても一つの編集部を受け持っています。その中で特に力を入れているのは編集者の育成です。書籍編集者は雑誌のチームと違い、個々が個人事業主として黙々と仕事をするものと思われています。確かにそういう部分もありますが、クラフトマンシップばかりがもてはやされると、若い人は相当な遠回りをすることになり、また本作りのノウハウも伝承されません。その結果、編集に大切なのは情熱・直感・経験だと、まったく再現性がない感覚的な結論になりがち。
そこで、いま部内で行っているのは、編集技術を言語化し共有することです。本作りに絶対的な法則はなく、また多様であるべきだと思っていますが、売れる本作りには必ず共通する論理があります。その論理を週1回行う勉強会でいくつかの型に集約したり、独自の思考ツールを作りながら、誰もがセンスに頼らず正しい道筋で考えられるサポートを行っています。
本「で」解決したい人に向く仕事

では、その論理とは何か。私が考える編集者の仕事とは、読者が感じる不平・不満・不安・不便などの満たされない「不」を見つけ出して、それをより多くの人が喜ぶように解決することです。したがって、編集者に求められる最も大切なスキルは、読者が切望している不に気づく「発見力」と、その不を著者の力を借りて解決する「設計力」です。いわば問題解決プロフェッショナル。本作りの論理もまた、この問題解決のコンセプトをどう作るかにかかっています。編集者に必須と言われる好奇心も行動力もコミュニケーション力も、この土台の上で上手に立ち回るためのスキルです。
「本が好き」「人が好き」「物作りが好き」という理由で出版社を志望する人は多いと思いますが、周りを見渡して編集者に向いている人、もっと言えば編集者として活躍している人というのは、案外そうしたことより、本「で」どんな問題を解決できるかを常に模索している人だと思います。
ダメ出しよりアイデア出しを行う職場カルチャー
ダイヤモンド社の強みは、こうした編集技術の共有が活発だということです。私の部署に限らず、どの編集部もマネジャーは若手の本作りを丁寧にサポートしています。フロアのあちこちで雑談が行われており、会議の場でも、ダメ出しよりどう良くできるかのアイデア出しが行われています。しかも、サポートを行うベテラン勢は業界屈指の敏腕編集者ばかり。個性豊かな編集者が集まる職場で、圧倒的な実績を持つ先輩たちからアドバイスをもらえます。若い人が成長できる職場として、これ以上の環境はないのではないでしょうか。
また編集者にとっては、自分の作った本をどう売ってもらえるか心配だと思いますが、ダイヤモンド社のもう一つの強みは、編集・営業・宣伝の3本の矢がしっかり連携していること。情報が徹底的に共有され、編集者にとって納得感が高くフェアであることが特徴です。となれば、あとはすべて自分次第。最高の環境を使って、あなたが何を描けるかにかかっています。
1日のスケジュール
-
9:30
出社
メール処理、雑務、会議資料の準備等
-
10:30
原稿チェック
この日の一番大切か急ぎの仕事をやります。著者に原稿の修正依頼をしたり、
新しい企画書の作成、販促記事の原稿などを書いたりします。 -
12:00
ランチ
だいたい近くの弁当屋で買ってサクッと済ませます。
-
13:30
編集会議
定例部会(週1回)では売上数字の報告や新刊企画を検討します。
より良い企画になるようにみんなで意見を出し合います。
その他、前月に出た本の振り返り会議や宣伝会議、管理職会議、プレ決定会議等に出席。 -
15:00
打ち合わせ&取材
著者と企画についての打ち合わせ。原稿の方向性について刷り合わせたり、
コンセプトを決めたりします。著者や企業への取材で外出することも多いです。 -
17:00
部員の相談事
企画やタイトル、コピー、装丁等へのアドバイス。
最終判断は編集者本人が行いますが、一緒にどうすれば良くなるかを考えます。 -
18:00
雑務
マネジメント諸業務。
売上データの管理や部員の書類チェック、各種提出書類の確認等、いつも思った以上に時間がかかります。 -
19:00
原稿整理
ようやく自分の仕事に集中。
著者が脱稿した原稿の整理や、別企画の原稿の素読み、ネットでの情報リサーチ、
著者とメールでやり取り等。集中するために、原稿は外出して読むことも多いです。 -
22:00
退社
帰宅後、企画の参考になる本を読んだりします。
一問一答

ダイヤモンド社のいい所は?
新しい挑戦を歓迎する風土があること
あなたが一緒に働きたい人はどんな人?
正解を求めて粘着質に考えられる人
あなたのお薦めの一冊は?
(就職、転職に役に立つと思う本)
『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』
(シド・フィールド:著)

ハリウッド映画の脚本術は、人を惹きつける物語の構造を徹底的に分析しており、何をどう編集すべきかの参考になります。