自分の「おもしろい」を、みんなの「おもしろい」に変える
『わけあって絶滅しました。』は、2018年に発刊した児童書です。第1巻がとてもよく売れたおかげでシリーズ化することができ、現在シリーズ計4冊、累計96万部のロングセラーとなっています。
本書の監修者で動物学者の今泉忠明先生と、著者で図鑑制作者の丸山貴史さんとは、前職で担当した『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)からのご縁。おふたりと次回作を相談しているなかで、丸山さんから「絶滅生物はおもしろいですよ」というご提案をいただきました。
詳しくお話を聞いてみると、「世界は弱肉強食とはかぎらない」という点を非常におもしろく感じました。生き物の繁栄や絶滅は、圧倒的に「環境の変化」に左右され、「強いから生き残る」わけでも「弱いから絶滅する」わけでもない。だからこそ、地球には多種多様な生き物が存在してきのだ、と。
しかし、わたしひとりが「おもしろい」と感じているだけでは、本は成立しません。わたしが感じているおもしろさを、どうすれば書店店頭の読者の方にお伝えできるのか。大いに悩み、書店で同じジャンルの本を何冊も買い、読み比べて研究しました。
その結果、「生き物が絶滅した“理由”」を切り口にしたらおもしろいかも……! というアイデアにたどり着き、「絶滅した生き物が、自らの絶滅理由を語って教えてくれる」という一風変わった本、『わけあって絶滅しました。』が完成したのです。