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千年震災

繰り返す地震と津波の歴史に学ぶ

  • 紙版

千年震災

繰り返す地震と津波の歴史に学ぶ

書籍情報

  • 紙版
  • 都司嘉宣:著
  • 定価:1760円(本体1600円+税10%)
  • 発行年月:2011年05月
  • 判型/造本:4/6並製
  • 頁数:272
  • ISBN:978-4-478-01611-4

内容紹介

古文書も読み解く日本唯一の津波・歴史地震学者が、有史以来最大の東日本大震災の被災状況について緊急現地調査しました。この1000年間の地震・津波災害の様子を古文書などをひもときながら解説、次に来るべき首都圏直下型地震、東海・南海地震についても歴史的な被害状況をもとに警告します。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに

序章 緊急報告 東日本大震災 1000年に一度の大災害の読み解き方

(1)1000年に一度の震災の正体
貞観の震災以来の出来事/津波のときに立つ火柱/連動型の巨大地震/「想定外」の大津波/先人の知恵に学ぶ震災対策/震災時の対応法/失われていく国土/二つの地震が被害を増幅させた/連動する巨大地震

(2)緊急調査報告 東日本大震災の現場
津波は一つひとつが個性的/平地を襲う射流の脅威/津波の被害を最小化するための工夫/明治三陸津波を超えた今回の震災/高さ10mの防潮堤が粉々に/見てはならない怪物を見てしまった
コラム …… 鹿島の神

第1章 太平洋側が相次いで揺れた 安政年間の大地震

(1)安政江戸地震
江戸を襲った直下型大地震/江戸町民の被害の実態/意外な地域での寺社被害/甚大な被害を受けた大名屋敷/地震地蔵が告げるもの
コラム …… 歴史の舞台から消えた鯰絵
コラム …… 幕末の地震予知器械

(2)安政東海地震 
陥没した沼津・小林村/江戸でも震度5強の揺れ/書物に残る駿河の液状化/派生する火災も要警戒/教訓生かし耐震設計された長屋門/子孫のために書き残された教訓/判明した堰堤高さ30mの天然ダム

(3)安政伊賀上野地震 
近畿地方内陸部で起きる先行地震/篠山城石垣の意外な事実/消えた法華経塔の行方

(4)安政南海地震 
教科書に載った「稲むらの火」/大阪での被害状況が記された扇/繰り返される巨大地震への対策/強く揺れた場所は古代の湖だった/堺の人はなぜ津波の被害を免れたのか
コラム …… 地震の弁

第2章 日本を襲う津波の恐怖

南海地震 絵馬が伝える津波の様子/元禄地震 九十九里海岸の津波被害/宝永地震 湾を襲う津波の共通性/噴火が起こした寛保の大津波/寛保の大津波 速報値だった古文書の死者数/出羽沖地震 離れた能登半島にも津波被害/安政東海地震 ほぼ壊滅した下田/安政東海地震 ディアナ号の遭難/安政東海地震 舞阪宿の津波/安政南海地震 詳細な津波被害の記録/連動する東海地震と南海地震の津波/未曽有の被害を生んだ明治三陸津波/日本海中部地震 腰高の津波でも溺死者/新旧チリ地震の津波 地形で異なる水位上昇/2回あった小笠原の近地津波

第3章 東日本を襲った大地震

(1)関東の震災
震度分布が示す江戸築城以前の地形/元禄の住宅地図で特定できた被災地/津波石碑が語る教訓/宿場町を直撃した神奈川地震/関東大震災を記す奇跡の雑誌
コラム …… 首都圏災害の百科事典

(2)中部の地震
富士川にできた地震湖/富士山の宝永噴火・昼/富士山の宝永噴火・夜/内陸最大級の大惨事 濃尾地震/被災地の様子を細かく描いた瓦版/参詣者の9割が犠牲になった善光寺地震/山間部の地滑りがもたらした集落被害/被災状況を伝える絵師の描写力/新湖の決壊による洪水被害/今に至る常願寺川大洪水への備え

(3)日本海沿岸の地震
芭蕉の見た風景を一変させた象潟地震/越後三条地震を詳述した役人の記録/越後三条地震で噴出した天然ガス/震央を示すのは家屋倒壊数か死者の数か/越後三条地震で良寛さんが書いた手紙/小円錐の砂堆が噴出した庄内地震/日本海側に起きる「広義の余震」/二つの能登半島地震の揺れ方

第4章 西日本を襲った大地震

4世紀前にもあった関西の震災/慶長伏見桃山地震 倒壊寺院が示す震度分布/断層線が分けた明暗 北近畿地震/彦根城に残る「地震の間」/生駒断層に乗る誉田山古墳に生じたずれ/4度の地震に襲われた小松寺/強固な岩盤の「五百羅漢」も損傷/6世紀の下関で起きた伝説の大地震/「肥後迷惑」の克明な記録/波先石に込められた先人の教訓
コラム …… 韓国・江原道の地震

おわりに





著者

都司嘉宣(つじ・よしのぶ)
東京大学地震研究所地震火山災害部門准教授。地震学者。研究分野は津波、歴史地震学。
1947年奈良県生まれ。1972年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。理学博士(東京大学)。徹底的な現場主義で知られ、国内外の津波・地震被害の現地調査を実施。地震学者としては唯一といっていい古文書の解読により、有史以来の日本の地震・津波史にも通じている。著書に、『富士山の噴火—万葉集から現代まで』(築地書館)、『東海地方地震津波史料』『紀伊半島地震津波史料』(国立防災科学技術センター)、訳書に『ソ連の地震予知研究事業』(地震予知振興会)、『気候は変えられるか』(共立出版)。共著書に『沿岸災害の予知と防災』(白亜書房)。『知ってそなえよう!地震と津波—ナマズ博士が教えるしくみとこわさ』(知の森絵本 素朴社)、『地震のメカニズム』(早わかりN文庫 永岡書店)を監修。2002年から月1回ペースで「産経新聞」紙上で『温故地震』を連載中。3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の際にはNHKとTBSなどで解説。千葉・茨城・三陸海岸での現地被災状況調査にも携わっている。

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