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撤退するアメリカと「無秩序」の世紀

そして世界の警察はいなくなった

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撤退するアメリカと「無秩序」の世紀

そして世界の警察はいなくなった

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • ブレット・スティーブンズ 著/藤原 朝子 訳
  • 定価:2640円(本体2400円+税10%)
  • 発行年月:2015年04月
  • 判型/造本:46上製
  • 頁数:336
  • ISBN:978-4-478-02935-0

内容紹介

イラク、アフガニスタンでの悲惨な戦争を経て、アメリカは世界に対して背を向けつつある。オバマのみならず共和党までもが弱気な外交政策を掲げる中、アメリカは孤立主義に陥っている。世界の平和を無秩序から守るためには、アメリカはどのような態度で外交に望めばいいのだろうか。

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目次

日本の読者へ

序 アメリカは世界とどう向き合うべきか

世界の警察は必要なのか
「アメリカの使命は世界の警察官になることではない」
なぜ共和党と民主党の意見が同じなのか
「新孤立主義」対「国際主義」
世界の警察官を引き受けるべき国

 2014年5月、サンギンからの撤退

 「おそらく世界一」危険な場所
 アフガニスタン戦争に大義はあったのか
 さっさと出て行きたい

第1章 孤立を選んだアメリカ

パックス・アメリカーナの終焉
「もう放っておいてほしい」がアメリカ人の心情だ
「諸君は戦争に興味がないかもしれないが、戦争は諸君に興味がある」
アルカイダはすでに復活している
同盟国からもブーイング
不発に終わったアジアシフト
中東でも失策だらけ
「よその国のことには口出しするべきではない」
中東にはもう興味がない
孤立主義とは何か
孤立主義はリベラルでも現実主義でもない
歴史は繰り返すのか

 1947年、そしてアメリカは世界の警察になった

 イギリスからの「青い紙」
 イギリスの後を継ぐアメリカ
 トルーマン・ドクトリン──新たな世界秩序の誕生

第2章 「理想」のアメリカは中東で潰えた

冷戦以後の油断
20世紀末の「予兆」
「表」の90年代──自由で豊かな国際秩序
「裏」の90年代──混乱と不安定な国際秩序
「自由民主主義」という幻想の終わり
「話せばわかる」という奇妙な信仰
平和ボケしたアメリカ
何もしなかったクリントン
矛盾するブッシュ・ドクトリン
「選択」に失敗をしたブッシュとオバマ
外交史上最も長い悪夢
イラク侵攻はなぜ泥沼化したのか
圧倒的な武力が必要だ
イラク・シンドローム

 2009年、アフガニスタン戦争が生んだ「撤退するアメリカ」

 正しい戦争のはずだった
 突然背を向けたリベラル派
 ついに手を引くときが来た

第3章 「撤退論」の誕生

すべてはタリバン討伐から始まった
絶対に滅ぶことのないテロリスト
「勝利」をあきらめたオバマ
「小さなプレゼンス戦略」とは
実は安上がりではない「小さな足跡」
予算が戦略を決める
プレゼンスが小さければ責任も軽くなる?
ずるずると手を引くオバマ
傍観者に徹する大統領
最も野心的に社会政策を推進するリーダー
軍縮を続けるヨーロッパ
誰もアメリカを守ってくれない

 2011年、ティーパーティーすらシリア介入を拒んだ

 アサドへの蜂起
 「その解決はアラーに任せるべき」

第4章 もう誰も「強いアメリカ」を信じていない

2001年9月、戦争への反対票はたった一票だった
弱気な共和党
国防よりも景気対策を
極左化するティーパーティー
保守派による新「孤立主義」
「偽物」の現実主義
「本物」の現実主義者アイゼンハワー
「アメリカはアメリカのことだけ気にかけるべきだ」
アメリカ最大の敵は社会保障費?
国際政治はアメリカを放っておかない
アメリカしか世界秩序の維持を担えない

 2013年、エクリプス号ニューヨーク来港

 子供にアメリカ国籍を与えるロシアの大富豪
 世界の富豪はなぜアメリカを目指すのか

第5章 衰退する大国

アメリカはもはや大国ではないのか
繰り返される衰退論
隣の芝生は青く見える
アメリカの衰退を待ち望む人々
アメリカは本当に衰退しているのか
凋落するヨーロッパ
新興国の勢いはいまだけ
衰退する大国ロシア
中国台頭論のウソ
中国の「水増し」統計
「アメリカ後の世界」はやってこない
若々しく競争力のある大国
イノベーションを生む風土

 1911年7月、戦争を回避した世界秩序

 ビルブルク──モロッコに突如現れたドイツ人
 チャーチルの憂鬱
 大戦の危機を一度は乗り越えた

第6章 崩壊する世界の秩序

世界はばらばらになっている
心配する必要はない?
民主主義は永遠に続く?
「Gゼロ」世界はやってくるのか
国連が世界を救う?
パックス・アメリカーナの代替案はない
「自由主義」も「勢力均衡」も戦争を止められない
軍縮なんて理想論にすぎない
2つの無秩序
予測不可能な巨大リスクが世界を壊す
政治経済モデルは1つに統一はできない

 2013年、相変わらず優柔不断なオバマ

 岐路に立つエジプト
 「誰に味方し、誰に敵対するか」を躊躇なく公言すること

第7章 撤退するアメリカと「無秩序」の世紀

「自由主義が崩壊する音が聞こえる」
自由民主主義を嫌う国々
独裁者からの挑戦
権威主義の復活
アメリカの撤退で増長する「ならず者」
やりたい放題のツケ
危なっかしいイスラエルの外交
核の傘を疑う同盟国
サウジアラビアの不安
アメリカから「自立」する日本
終わることのない影響力をめぐる競争
「フリーラディカル」
闇の核ネットワーク
スノーデン──アメリカ史上最大のスパイ
アサンジ──ウィキリークスをつくった男
たった1つの「異分子」が秩序を破壊する
「国家」の崩壊と低迷する世界経済
日本の失われた25年
莫大な債務を抱える中国
新興国の直面する壁とは
人材流出が止まらないヨーロッパ
アメリカはまだマシ?
「ワッツアップ」の成功が意味するもの
イノベーションという「革新主義」
世界経済という運命共同体
中国の秘密兵器──殺手鐗
軍事支出を減らし続けるアメリカ
政治こそが戦争の一手段である

 2012年7月、永興島をめぐる中国の思惑

 領有権を拡大する大国
 アメリカはアジアのために血を流す覚悟があるのか

第8章 世界秩序が崩壊した先に待っている未来

ごく近い未来を考えてみよう
2019年のヒラリー大統領
ドル高が原油価格の暴落を招く
社会保障費の増大
アメリカに見捨てられる日本
撤退するアメリカ、暴走する中国
自衛隊、尖閣諸島に上陸
中東の軍拡競争
民主主義はイランに根づかない
バーレーン首相、暗殺さる
サウジアラビアの核実験
第三次インティファダ勃発
イスラエルからの撤退
極右化するヨーロッパ
ヨーロッパを成長危機が襲う
ドイツ金融危機
侵攻を目論むプーチン
ベラルーシの内乱
ロシアのベラルーシ侵攻
イラン情勢の爆発
イラン内乱に手を貸すアメリカ
トルコでのテロ──アメリカ人10人死亡
核戦争は目前に迫った

 2009年、「石油の世紀」は終わった?

 シェール革命は何を変えたか
 2人のイノベーター
 「革新主義」の国アメリカ

第9章 アメリカは世界から撤退してはならない

旧ユーゴスラビア紛争を繰り返すな
アメリカの介入が紛争を終結させる
再生する大国
「割れ窓」理論
無秩序がさらなる無秩序を生む
割れたガラス窓
信頼されないアメリカ
国際法よりも行動規範
小国こそを守れ
いまや世界じゅうをパトロールする必要がある
軍事力は質よりも量を優先しろ
軍拡が平和をもたらす
「規範」のあるプレゼンスを
境界線を注視しろ
被害者が出てからでは遅い
悲劇は防ぐことができる
超大国の矜持を

謝辞

訳者あとがき

注記






著者

ブレット・スティーブンズ(Bret Stephens)
ウォール・ストリート・ジャーナル紙外交問題コラムニスト及び論説欄副編集長。ニューヨークで生まれメキシコで育つ。シカゴ大学(学士号)とロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(修士号)で学ぶ。エルサレム・ポスト紙編集主幹(2002〜2004年)。2013年にピューリッツァー賞(論説部門)を受賞。家族と共にニューヨーク在住。


訳者

藤原朝子(ふじわら・ともこ)
学習院女子大学非常勤講師。フォーリン・アフェアーズ日本語版、ロイター通信などで翻訳を担当。訳書に『ハーバードビジネススクールが教えてくれたこと、教えてくれなかったこと』(CCCメディアハウス)、『未来のイノベーターはどう育つのか —— 子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの』(英治出版)など。

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