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マンスキー データ分析と意思決定理論 不確実な世界で政策の未来を予測する

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マンスキー データ分析と意思決定理論 不確実な世界で政策の未来を予測する

書籍情報

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  • チャールズ・マンスキー 著/奥村 綱雄 監訳/高遠 裕子 訳
  • 定価:本体3,200円+税
  • 発行年月:2020年09月
  • 判型/造本:46並
  • 頁数:348
  • ISBN:9784478105740

内容紹介

あたかも事実のように扱われているデータ分析の裏には、正当化できないほど強すぎる仮定が課されている——。データ分析の結果を消費する、すべての人たちへ。最新のデータ分析手法を米国科学アカデミー会員の著者が、豊富な事例で最新理論「部分識別」を平易に解説する。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

監訳者序文

日本語版への序文

序文

はじめに

慎重なラムズフェルドでも犯した間違い
信頼できない分析から導いた結論は当然信頼できない
幅広い読者に向けて信頼できる政策予測・選択の方法論を解説
本書の構成 第 I 部:どんな分析であれば信頼できるのか?
本書の構成 第II部:不確実な世界では、どんな意思決定をすべきか?

第 I 部 データ分析編

第1章 「強い結論」欲しさに政策分析の信頼性が犠牲にされている

1 ─ 1 どんなデータ分析にも必ず「仮定」がある

1 ─ 2 なぜ信頼性を犠牲にしてまで強い結論が求められるのか
 「最も単純な仮説こそ正しい」と考えるのは正しくない

1 ─ 3 「信頼できない確実性」を生む背景1 社会通念上の確実性
 アメリカ連邦議会のコスト予測は信頼できるのか?/不確実な予測が事実として報じられている/予測期間は「慣行」次第?/コスト予測に幅を持たせた「区間予測」が推奨される/議会は不確実性を扱えるか/不確実性への態度はイギリスから学べ

1 ─ 4 「信頼できない確実性」を生む背景2 正反対の確実性
 コカイン消費量を1%削減するのに必要な費用を予測する/2ケタも離れた2つのコスト予測/「どちらも説得力ある根拠を示せていない」

1 ─ 5 「信頼できない確実性」を生む背景3 科学と主義主張の融合
 教育の「バウチャー制度」の妥当性を検証する/結局「反証がないから正しい」といっているだけ

1 ─ 6 「信頼できない確実性」を生む背景4 希望的推論
 過去の犯罪歴と再犯可能性の間に関係はあるか/「ランダム化実験」をもとにした推論は希望的推論/治験で得られた結果は、実際の患者にあてはめられるのか/実験と実際の政策では、「処置」が違う/実験と実際の政策では、対象とする「結果」も違う/治験の結果を政策に適用している根拠は「いつもそうしてきたから」/「反応は不変である」という仮定が妥当かどうかをもっと重視すべき

1 ─ 7 「信頼できない確実性」を生む背景5 非論理的な確実性
 IQは「生まれ」と「育ち」のどちらで決まるのか?/遺伝要因と環境要因の重要性をどのように比較しているのか/視力が遺伝で決まるなら、眼鏡の配布は必要ない?/遺伝性の研究は政策にとって意味がない/「謎解き」にすぎなかった遺伝性の測定は今や「通常の科学」

1 ─ 8 「信頼できない確実性」を生む背景6 メディアの暴走
 幼稚園教諭の価値は32万ドル?/「ほかの研究者による査読があればOK」ではない

第2章 政策の効果を予測する

2 ─ 1 死刑制度の殺人抑止効果を予測する
 死刑が違法だった年と合法になった年で州のデータを分析すると……/殺人抑止効果を推定する3つの方法/分析次第で推論結果は真逆に

2 ─ 2 政策効果予測を理解するために必要な概念
 同じデータ分析でも「統計的推定」と「識別分析」は別物

2 ─ 3 全員が同じ処置を受けたときに母集団で何が起こるかを予測する
 少年犯罪の拘禁刑と再犯率の間には関係があるか/拘禁刑の支持派と不支持派が依って立つ理論/仮定の置き方次第で分析結果は正反対に/「区間」でなら仮定が弱くても予測を示せる ── 部分識別/区間を数字で表すと……/確実なことがいえない状況で、どう政策を選ぶか

2 ─ 4 「点予測」に必要な仮定1 どの個人も処置反応が同じ
 イベントの前後で比較した「事前事後分析」/「結果のトレンドは同じ」と仮定した「差の差分析」/ファストフード業界の雇用と最低賃金の間には関係があるか

2 ─ 5 「点予測」に必要な仮定2 どのグループも処置反応の分布が同じ
 「グループの処置反応が同じ」だと信じられる場合とは/「ランダム化実験」進展の歴史

2 ─ 6 実際のところ、ランダム化実験は信頼できるのか
 ランダム化実験が抱える問題1 推論の妥当性/ランダム化実験が抱える問題2 不遵守問題/失業対策と失業率の間には関係があるのか/遵守した人としない人の反応は同じなのか/「処置を受けたらどうなるか」ではなく「処置を提供されたらどうなるか」/ランダム化実験が抱える問題3 混合問題/就学前教育を子供に提供すると、高校卒業率はどう変化するか/選択肢を提供した場合の高校卒業率は区間予測/ランダム化実験が抱える問題4 社会的相互作用/「包括的な相互作用」を実験で予測するのは不可能/実験データから「区間予測」をするなら信頼できる

2 ─ 7 観察研究における政策効果予測
 処置の選択の結果、同一のグループは生まれない/「経済学の特に重要なモデルの1つ」/グループ同士の処置反応が類似していると仮定してよいケース ── 回帰不連続分析

2 ─ 8 経済学者が根拠なく置きがちな仮定とは
 「完全予見性」と「結果の最適化」を仮定したときの区間予測/点予測をするためのさらなる強い仮定

第3章 新しい政策に対する人々の行動を予測する

3 ─ 1 高所得者の税率を下げると、高スキル人材の労働供給は増えるのか
 経済学では労働供給はどう考えられてきたか/労働供給を実証分析する2つのアプローチ/既婚女性は男性よりも税制の変化に反応する/強い仮定を外して労働供給を分析する/累進税と比例税それぞれの下で労働供給がどうなるかを比較する

3 ─ 2 現代経済学で選択行動の予測に使われる「離散選択分析」
 離散選択分析の4つの特徴/特徴1 ある選択肢を選ぶ人の割合は選好する人の割合と同じ/特徴2 選択肢と意思決定者を属性の束とみる/特徴3 観察不可能な属性を変数として扱う/特徴4 計算しやすいよう簡便な仮定を適用/奨学金と大学進学の間には関係があるか/低所得層ほど、奨学金は進学率を押し上げる/強い結論が得られるのは、強い仮定を課しているから/離散選択分析の現在

3 ─ 3 「人は選択した結果を最適に予測する」という仮定は信頼できるか
 若者は教育のリターンをどう予測しているのか/人は結果を合理的に予測して罪を犯すのか/1990年代から経済学者が期待を測定するように/避妊法に対する期待の測定から、女性の選好を予測する

3 ─ 4 人間行動の研究で置かれる3つの仮定
 仮定1 人はあたかも期待効用を計算・比較しているようにふるまう/仮定2 人は限定的にしか合理的になれない/仮定3 バイアスとヒューリスティックス/カーネマンとトヴェルスキーの結論は、一般化するにはあまりに壮大/どの言説も確実なものとして主張されている

第II部 意思決定理論編

第4章 単純な状況下で部分的な知識に基づいて意思決定をする

4 ─ 1 限られた情報のなかで「未知の感染症X」にどう対処するか

4 ─ 2 意思決定理論の2つの基本原理
 基本原理1 自然状態/基本原理2 厚生関数/厚生関数を用いて最適所得税制を求める/最適所得税制の先駆者マーリーズによる研究

4 ─ 3 3つの意思決定基準
 「支配される行動」を消去する/基準1 期待厚生基準 ── 期待厚生が最も高い行動を選択する/曖昧な状況では何を基準に意思決定すればよいか/基準2 マキシミン基準 ── いちばんましな行動を選択する/基準3 ミニマックス・リグレット基準 ── いちばん後悔が少ない選択をする/「未知の感染症X」のケースで3つの基準を適用する

4 ─ 4 プロファイリング捜査に意思決定理論を適用する
 プランナーの厚生関数次第で、結論がまったく別物に

4 ─ 5 部分的な知識をもとにワクチン政策を決める
 経済学はどのように疫学を扱ってきたか/医療保健当局でも部分的にしかワクチンの有効性がわからない/ワクチンの社会的損失と社会的費用のバランス/ワクチン接種率を決めるうえでの2つの仮定/弱い仮定だけでも、ワクチン接種率を選択できる

4 ─ 6 「合理的な」意思決定と「妥当な」意思決定は違う
 サヴェージによる「一貫性の議論」とは/「公理の合理性」と「現実主義者の合理性」/2つの合理性の違いは「主観的確率」に表れる/そもそも人は意思決定の際に「主観的確率」を置くのか?/「最適な」意思決定基準など存在しない

第5章 複雑な状況下で部分的な知識に基づいて意思決定をする

 「処置の分散」とは

5 ─ 1 1つの母集団に2つの処置を割り当てるには
 厚生関数を数式で表すと/現行の処置と新たな処置のどちらをどう割り当てるべきか/期待厚生基準を使った場合の割り当て/マキシミン基準を使った場合の割り当て/ミニマックス・リグレット基準を使った場合の割り当て/少年犯の量刑を3つの基準で決定する/安全投資とリスク投資の資産配分を3つの基準で決定する/リスクへの態度でプランニングは変わる

5 ─ 2 全員が同じ処置を受けるべきなのか
 処置の分散は「事前的」には平等だが「事後的」には不平等/結果主義と義務論のバランス

5 ─ 3 処置を「順次」施していく場合のプランニング(適応的分散)
 データが不十分のときは処置を分散させ、その後優れたほうを選ぶ/集権的医療制度に「適応的ミニマックス・リグレット基準」を導入すると/適応的ミニマックス・リグレット基準とランダム化臨床試験の3つの相違点/相違点1 最新治療を受ける割合/相違点2 患者全体からの抽出か、自発的参加者からの抽出か/相違点3 結果の測定期間

5 ─ 4 時間・空間を超えて分散させる
 別の期間に集団内の処置を分散させる/勇敢なる1つの州の結果を全体にあてはめる

5 ─ 5 「適応的分散」を新薬承認にあてはめる
 新薬承認プロセスで起こりやすい2つのエラー/「完全承認か完全非承認か」の二者択一が選択肢を狭める/臨床試験中に新薬のライセンス販売を認可すべし

5 ─ 6 1人のプランナーではなく、グループで意思決定をする場合
 多数決で見られるシンプルな定理とは/多数決ルールでは処置は分散になる/お互いの投票行動が影響し合う場合の処置選択はどうなるか/異なる厚生関数を持つグループは、学習すれど合意は形成されない/2人での意思決定では多数決は使えない/二者間では必ずしも「最適」な意思決定をするとは限らない/二者間で最適な意思決定を目指す/ニューヨーク市の教員をどう評価するか

5 ─ 7 自由放任主義下での処置選択
 自由放任主義下では経験から学び、新しい処置が普及する経路が複雑/プランニングのほうが自由放任主義より厚生が高くなる

第6章 データ分析の「消費者」へ

 確実だと主張する政策分析は疑うべき/新たな処置にだけでも、区間予測を提供できないか

参考文献

補講A 未知の感染症Xの意思決定基準ごとの政策選択の導出

補講B ミニマックス・リグレット基準を使った現行の処置と新たな処置の割り当て

補講C 両方の処置に対する処置反応の部分的な知識に基づく処置選択

監訳者注

索引





著者

チャールズ・マンスキー(Charles F. Manski)
ノースウェスタン大学経済学部教授。マサチューセッツ工科大学卒業、同大学院にてPh.D.(経済学)取得。1989年に制約の弱い仮定を設けてデータを解釈する手法「部分識別」を開発。従来の計量分析へ一石を投じ、経済学以外の学問や公共政策の立案にも多大な影響を及ぼした。2009年米国科学アカデミー会員、2014年イギリス学士院客員会員、2015年トムソン・ロイター引用栄誉賞(ノーベル経済学賞予測)など受賞歴多数。第2次世界大戦中に日本政府駐リトアニア領事代理・杉原千畝が発給した「命のビザ」で日本へ渡航し、ナチス・ドイツの迫害から逃れたユダヤ系難民サムエル・マンスキーの長男。


監訳者

奥村綱雄(おくむら・つなお)
横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授。大阪大学経済学部卒業。東京大学大学院にて修士号、博士号取得。ノースウェスタン大学大学院にてチャールズ・マンスキーの指導を受け、Ph.D.(経済学)取得。専門は計量経済学、マクロ経済学。Quantitative Economics、International Economic Review、Journal of Business & Economic Statisticsなどの一流国際学術誌に論文を掲載。著書に『部分識別入門 計量経済学の革新的アプローチ』(日本評論社)。


訳者

高遠裕子(たかとお・ゆうこ)
翻訳者。主な訳書に『GLOBOTICS グローバル化+ロボット化がもたらす大激変』(日本経済新聞出版)、『増補リニューアル版 人生を変える80対20の法則』(共訳、CCCメディアハウス)、『レヴィット ミクロ経済学(基礎編)』『同(発展編)』(ともに東洋経済新報社)など多数。

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