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アナリストが教える リサーチの教科書

自分でできる情報収集・分析の基本

  • 紙版
  • 電子版

アナリストが教える リサーチの教科書

自分でできる情報収集・分析の基本

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • 高辻成彦 著
  • 定価:1760円(本体1600円+税10%)
  • 発行年月:2017年05月
  • 判型/造本:A5並製
  • 頁数:184
  • ISBN:978-4-478-06139-8

内容紹介

現役アナリストが教えるビジネスリサーチの基本。企画や戦略の立案、プレゼンなどに必要なデータの集め方・見方・使い方を解説。リサーチを丸投げせずに自前でやるには、まず何から始めればいいのか。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに ── リサーチ精神を持とう

ビジネスリサーチというカテゴリー
リサーチ精神を持とう

第1章 ビジネスリサーチの基礎知識

1. ビジネスリサーチで抑えたい4S
  1 4Sとは
  2 Structure
  3 Statistics
  4 Share
  5 Strategy

2. 経済統計の見方を身に付けよう
  1 比較する期間の名称の違いを抑えよう
  2 月次データでトレンドを見る
  3 四半期データでトレンドを見る
  4 数値を平均して基調を見出す

3. 市場規模の種類を把握しよう
  1 なぜ、市場規模を把握する必要があるのか
  2 3B(Billing、Booking、Backlog)で市場規模を把握する
  3 3B以外の指標

4. 経営戦略論の基本を把握しよう
  1 環境分析
  2 業界構造分析(5F分析)

5. 財務分析の基本を把握しよう
  1 収益性分析
    ① 資本利益率
     1) 自己資本利益率(株主資本利益率)(ROE: Return On Equity)
     2) 総資本事業利益率(使用総資本利益率)(ROA: Return On Assets)
    ② 売上高利益率
     1) 売上高総利益率(粗利益率)
     2) 売上高営業利益率(営業利益率)
     3) 売上高経常利益率(経常利益率)
     4) 売上高当期純利益率(純利益率)
     5) 売上原価率(原価率)
     6) 販管費率

  2 安全性分析
    ① 短期安全性分析
     1) 流動比率
     2) 当座比率
    ② 長期安全性分析
     1) 固定比率
     2) 固定長期適合率
    ③ 資本調達構造分析
     1) 自己資本比率
     2) 負債比率

  3 効率性分析
     1) 総資産回転率(総資本回転率)
     2) 売上債権回転率
     3) 棚卸資産回転率
     4) 有形固定資産回転率
     5) 買入債務回転率(仕入債務回転率)

第2章 業界の基本構造を調べよう

1. 初期調査に必要な情報とは
  1 市販書籍の情報収集のコツ
    ① 業界地図本は常に手元に置こう
    ② 製品やサービスの仕組み本を収集しよう

  2 新聞情報を収集しよう
    ① 日経テレコンは日経グループ記事が豊富
    ② G-SEARCHは全国紙を網羅
    ③ Dow Jones Factivaは海外情報をカバー

  3『業種別審査辞典』をチェックしよう

  4 民間調査報告書を入手しよう
    ① 国内市場なら矢野経済研究所及び富士経済
    ② グローバルデータなら外資系

  5 公的調査報告書を探そう

  6 どこで初期調査するか
    ① ウェブ調査は取っかかり
    ② ジェトロビジネスライブラリーはコンパクト
    ③ 国会図書館は新聞記事が豊富
    ④ 業界団体の図書館は業界情報が充実
    ⑤ MDBは調査報告書の宝庫

2. 業界の分類方法を考えよう
  1 用途別による分類
  2 地域別による分類
  3 製品・サービスによる分類

3. 季節性の有無を考えよう
  1 年末に最も需要が増える業界
  2 年度末に最も需要が増える業界
  3 夏場に最も需要が増える業界
  4 それ以外の時期に季節性がある業界
  5 季節性の確認方法
  6 季節性の応用論点
  7 中長期サイクルを抑える

4. 規制動向を確認しよう
  1 規制が国によって異なることが参入障壁となっている例
  2 規制が優位性を生む例
  3 規制が駆け込み需要を生む例

5. 業界のリスク要因を考えよう
  1 原材料価格
  2 為替
  3 製品価格
  4 間接的な変動要素に要注意

6. 製品技術やサービスの今後の方向性を押さえる
  1 業界再編の方向性
  2 市場拡大の方向性

第3章 市場環境・競争環境を調べよう

1. 経済統計を調べよう(Statistics)
  1 主な政府統計
    ① 経済統計の種類
    ② 経済産業省の統計の種類
    ③ 他省庁の統計

  2 業界統計があるか探そう
    ① 業界団体の業界統計
    ② 業界統計の使用上の留意点

  3 事業会社のIR情報から入手するケース

  4 市場規模を推計するケース
    ① 完成品市場をベースに推計するケース
    ② 類似市場をベースに推計するケース
    ③ 主要プレイヤーの財務データを積み上げるケース

  5 業界と関連する統計情報を入手しよう
    例1)為替レート
    例2)住宅着工件数
    例3)完成品の生産台数

2. 市場シェアを調べよう(Share)
  1 市場シェアの取り方
    ① 『日経業界地図』を参照する
    ② 日経テレコンを使って記事検索する
    ③ ネット検索する
    ④ 矢野経済研究所、富士経済の調査報告書を入手する
    ⑤ 業界シェアの調査会社の情報を入手する
    ⑥ 『Market Share Reporter』の情報を入手する
    ⑦ 事業会社のIR情報を入手する

  2 市場シェアの数値そのものが得られない場合
    ① 事業会社の広報・IR担当に問い合わせる
    ② 自分で推計を試みる

3. 競争環境を調べよう(Strategy)
  1 企業情報の調べ方
  2 未上場企業の企業情報の入手
  3 主要各社の違いの見出し方
  4 財務データによる違いの見出し方
    ① 最低限抑えておきたい項目
    ② 財務分析の例
  5 数字では見落としがちな内容の確認

第4章 補足情報を入手し、検証しよう

1. 取材活動で裏付けを取ろう
  1 有識者へ取材する
  2 業界団体へ取材する
  3 事業会社へ取材する

2. 取材時の心得
  1 事前準備
  2 質問項目シートを作る
  3 仮説を持って臨む
  4 取材の主導権を握る
  5 大枠から細部へと話を移す
  6 疑問点は取材の場で解決する

3. 取材メモの取り方
  1 エクセルでメモを取ろう
  2 取材項目があらかじめ固まっている場合
  3 テープ起こしは確実性を上げる手段

4. 消費者インタビュー (定性調査)
  1 消費者インタビューは仮説構築のためのヒント
  2 インタビューのシナリオを準備する
  3 インタビューは2回以上実施する

5. ネット調査 (定量調査)
  1 ネット調査は数字的な裏付けの入手に最適
  2 設計書を準備する

6. フィールド調査
  1 フィールド調査は認識のずれ解消が目的
  2 できるだけ記録を取る
  3 できるだけ現場の声を聞く

7. 人物情報の調べ方
  1 官公庁は情報開示度が高い
  2 民間企業は上場の有無で情報開示が異なる
  3 データベースへのアクセスが手っ取り早い

8. 行政情報の取得方法
  1 行政の情報入手は煩雑
  2 補助金・委託費の公募情報の入手方法

9. 専門会社を活用しよう
  1 業界データサービスを受けてみよう
    ① ユーザベースのSPEEDA
    ② 日本経済新聞社の日経Value Search
    ③ ワンソース・ジャパンのOneSource
    ④ S&P Market Intelligence のCapital IQ

  2 業界の市場調査なら国内大手2社
  3 信用調査は信用調査会社・探偵(興信所)の領域
  4 行政関連はシンクタンク・士業の領域

第5章 リサーチのケーススタディ

1. 市場規模のリサーチ
  1 業界団体から調べるケース
  2 調査報告書から調べるケース
  3 事業会社のIR情報から調べるケース
  4 需要予測の立て方
    ① 過去実績の伸び率
    ② 市場調査会社の需要予測の伸び率
    ③ 業界団体の需要予測の伸び率
    ④ 業界の主要プレイヤーの市場前提
    ⑤ 業界の主要プレイヤーの業績予想
  5 望ましい需要予測の方法とは

2. 企業業績のリサーチ〜会社計画との比較〜
  1 会社計画とは
  2 会社計画との比較からみるケース

3. 企業業績のリサーチ〜競合他社比較〜
  1 競合他社比較のケース

4. 企業業績のリサーチ〜為替影響の分析〜
  1 為替影響の調べ方
  2 為替情報を得てどういったことが出来るのか

第6章 リサーチ結果をまとめよう

1. リサーチ結果を出すための準備
  1 普段から心がけておくこと
  2 調査対象の業界がその都度異なる場合

2. 文章表現上の留意点
  1 主張すべき論点を絞る
  2 知っている情報を全ては盛り込まない
  3 難解な用語は避ける
  4 重複表現を避ける
  5 文章は短く区切る
  6 見解と事実を分ける
  7 用語を統一する
  8 引用の出所を明記する
  9 引用データの出所を統一する
  10 読み手・聞き手の知りたいことを優先する

3. 構成のまとめ方
  1 媒体を決める
  2 ストーリーを決める
  3 主要テーマ以外の内容は別添扱いにする

4. 図表のまとめ方
  1 図表の色合いに強弱をつける
  2 図表はシンプルに
  3 1項目に図表1つが理想
  4 1ページ2〜5分程度のボリュームに
  5 スライドの文字数は抑える
  6 将来予測の部分は表示を変える
  7 比較の図ではメインの項目を濃い色・太線で強調させる

5. レポート形式でのまとめ方
  1 企業調査報告書のケース

第7章 よりレベルアップするために

1. 継続的にニュースを読もう
  1 同じ業界を継続的にウォッチしよう
    ① 日本経済新聞を日々チェックする
    ② 業界新聞はさらに細かい情報を得られる
    ③ 適時開示はより直近の情報が出る

  2 同じ業界を継続的に追うことの効果
    ① 業界を見る目が養われる
    ② 特定業界からの視点で他業界を見る目が養われる
    ③ 理想は新聞記事を見て次の反応が連想できること

  3 経済ニュースアプリで記事をチェックする
    ① 日本経済新聞の電子版
    ② ユーザベースのNews Picks
    ③ その他のニュースアプリ

  4 経済記事についてコメントする

2. 継続的にアナリストレポートを読もう
  1 大手企業をチェックする場合
  2 中小型企業をチェックする場合

3. その他企業情報をチェックしよう
  1 『会社四季報』・『日経会社情報』をチェックしよう
  2 本を読み続けよう
  3 展示会を見に行こう
  4 セミナーに参加しよう
  5 身近なものを探そう
  6 横のつながりを作ろう
  7 英語力を身に付けよう
  8 MBAのスキルを身に付けよう

おわりに ── 本書を執筆して

ビジネスリサーチのカテゴリー確立に向けて






著者

高辻成彦(たかつじ・なるひこ)
立命館大学政策科学部卒、早稲田大学ファイナンスMBA。いちよし経済研究所(東証1部・いちよし証券の調査部門)のアナリスト。主な職歴は経済産業省、ナブテスコ(東証1部)の広報・IR担当、ユーザベース(東証マザーズ)のシニアアナリスト。経済産業省在籍時は経済波及効果測定のための経済統計である産業連関表の時系列表作成に参画。ナブテスコの広報・IR担当時は日本IR協議会によるIR優良企業特別賞の所属会社初受賞に貢献。ユーザベース在籍時は業界・企業情報サービス・SPEEDAの業界レポート作成や、経済ニュースアプリ・News Picksの経済コメント活動に勤め、最古参ユーザーとして8万人以上のフォロワーを得る。現職では企業取材活動をもとに年間約200本のアナリストレポートを発行。日経ヴェリタスのアナリストランキングにランクイン。

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