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石油とマネーの新・世界覇権図

  • 紙版
  • 電子版

石油とマネーの新・世界覇権図

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • 中原圭介 著
  • 定価:1650円(本体1500円+税10%)
  • 発行年月:2015年08月
  • 判型/造本:46並製
  • 頁数:288
  • ISBN:978-4-478-06729-1

内容紹介

核開発問題を巡る交渉でついにイランと最終合意を迎えた。このアメリカとイランの雪解けで、世界のパワーバランスが激変する。原油の需給均衡が崩れると、世界経済はどんな影響を受けるか。ロシア、中国などの新興国の影響力はどうなるか。ダイナミックな国際情勢の動きから、世界経済の行方、日本社会の将来を占う。

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目次

はじめに

序章 世界を見抜くための4つの視点

1 アメリカが世界最大の資源大国となる
  「シェール革命」がエネルギー相場を変えた/世界最大の資源大国アメリカの誕生

2 エネルギー価格の下落が始まる
  なぜ原油は枯渇しないのか?/アメリカはエネルギー輸入国から輸出国になる/予想以上に早く暴落した原油価格

3 アメリカ経済が復活する
  経常収支が改善し、経済成長も後押し/世界経済を牽引するのは、やはりアメリカ

4 穀物など商品価格全体が下落トレンドに入る
  商品相場を大きく動かす投機マネー/エネルギー価格が下がれば、ものの価格も下がる

第1章 なぜアメリカとイランの和解が世界を大きく動かすのか

1 いま注目すべきはイランとの和解
  中東の対立軸の中心はイラン/イランの経済制裁から合意への流れ/歴史的な合意がついになされた

2 中東の対立が根深い理由① スンニ派とシーア派の対立
  スンニ派とシーア派はどのように生まれたか/古代文明を持つイラン人は誇り高き民族/アラブ人によるイスラム帝国の支配下へ/
  なぜペルシア人はシーア派になったのか/こうしてシーア派が反主流派になった

3 中東の対立が根深い理由② アラブとイスラエルの断絶
  迫害されたユダヤ人のパレスチナ入植/中東を混乱させたイギリスの二枚舌外交/イスラエルとアラブの対立は宗教対立ではない/
  アラブで反米・独裁国家が生まれた背景

4 イラン革命とアメリカ・イランの対立
  第2次大戦後はアメリカと親密な関係だったイラン/イラン革命が引き起こした「小さな冷戦」

5 なぜアメリカとイランは和解を急いだのか
  アメリカの真の狙いは、イランではなく中国/対米和解を進めたいイランの事情/経済制裁で疲弊しているイラン国民/
  経済制裁で1人当たりGDPも激減/イラン人こそアメリカとの和解を求めていた

第2章 これから世界経済に地殻変動が起こる

1 イランの制裁解除はシェール革命並みの衝撃
  ここ10年で石油の埋蔵量が劇的に変わった/これからイラン産の原油はどれだけ増えるのか/原油価格が頭打ちになるメカニズム/
  石油メジャーもイランの復活を望んでいる

2 天然ガス確認埋蔵量・世界1位のイラン
  これから原油価格が上がらない、もうひとつの理由/経済制裁の影響で天然ガスも輸出できなかった

3 欧州エネルギー産業の思惑
  イランへの投資に積極的な欧州企業/欧州各国がイランに接近する思惑とは?/
  エネルギーだけでない、イラン経済の魅力はこんなにある

4 サウジアラビアの減産拒否のインパクト
  石油価格下落を容認したサウジアラビアの思惑/生産枠の崩壊でOPEC内の軋轢が増大

5 シェール企業は簡単には退出しない
  サウジアラビアのシェール企業つぶし/OPECが減産をしても、原油価格はもう戻らない/
  再編される石油業界、再編が進まないシェール企業/大手シェール企業による再編がメインになる

6 石油の覇権を握る国はどこか
  3大産油国の一角が崩れる/判断を誤ったサウジアラビア/石油価格の下落は、産油大国再生の最後のチャンス

7 世界経済の地殻変動が起こる
  エネルギー消費国に有利に働くようになる/インフレ率ゼロの世界が、人々の生活水準を引き上げる/
  途上国・新興国の成長率は見込めなくなる

第3章 新たな世界覇権争いが始まった

1 ロシア経済の凋落とプーチン政権崩壊の危機
  資源価格頼みのロシア経済の失速/ロシアの命綱は欧州へのパイプライン/国際紛争を引き起こそうとするロシアの思惑

2 中国とロシアの地位が逆転した
  中央アジアでもロシアの影響力は低下している/中国に格下扱いされているロシア/ロシアにとっての希望の灯は日本/
  いつ倒れてもおかしくないプーチン政権

3 反米資源国は次々凋落する
  原油価格の下落が、反米の中南米諸国を直撃/デフォルトの危機に陥っているベネズエラの実態/ニカラグアは中国に急接近/
  中南米で繰り広げられる米中覇権争い

4 ASEANに近づくアメリカの思惑
  アメリカの対中戦略が始まった/中国に対抗するためアメリカと手を結んだフィリピン、ベトナム/
  親中派のミャンマーも中国共産党支配下から脱却した/TPPと日米関係の強化が対中国包囲網

5 中国に対する経済的封じ込めは機能しない
  世界経済の半分を押さえようとするアメリカの野望/なぜこれほどAIIBに参加する国があるのか/
  中国が目論むエネルギー輸送ルートの確保/政治的に対立しても、経済的には相互依存関係になる

6 中国はアメリカを超えられない
  シェール資源はあっても産出できない中国の事情/水増しされている中国の経済成長率

7 追い風を受けるインド経済
  これからのインド経済にはプラス要因が多い/エネルギー価格がインドの問題を解決する

8 アメリカとロシアの電撃的和解の可能性
  着実に進んでいるアメリカの中国包囲網/大いなる敵の前では、アメリカは敵対国とも和解する/
  対中国の名の下に、米ロの電撃和解が行われる

第4章 これからの国際紛争はどうなるか

1 中東の治安はますます悪化する
  アメリカの関心はもはや中東にはない/「アラブの春」ではなく「アラブの冬」が実態/
  中東に混乱をもたらした「サイクス・ピコ協定」

2 格差が広がる中東社会
  若者の不満を抱える中東諸国のリスク/根本的な原因は貧困にある

3 イスラム教内の宗派対立は終わらない
  宗派間の代理戦争となったイエメン内戦/シリア内戦もイスラム代理戦争に拡大/四方八方で対立を生むイスラム国の誕生

4 イラク戦争後のイラクは混迷状態
  イスラム国の源流を生んだイラクのシーア派政権/政情が安定化すればイラクの資源開発が進む/
  無政府状態のリビアでは原油生産が不安定

5 孤立するイスラエル
  イラン合意を絶対に認めたくないイスラエルの事情/アメリカはイスラエルよりもイランを選んだ/
  アメリカがイスラエルを見捨てることもある

6 イスラム過激派の牙城となるアフリカ
  アフリカの資源国は大ダメージを受ける/過激派組織を育てるアフリカの土壌/エネルギー価格の低下で過激派組織が増加する

7 サウジアラビアとイランの和解はあるか
  サウジアラビアの内情につけ入るアメリカ/シーア派とスンニ派の千年戦争が終わる可能性

8 21世紀版のウェストファリア条約を
  中東と同じような国際紛争は昔からあった/中東紛争を解決するチャンスがやってきた

第5章 新しい世界秩序が日本に何をもたらすか

1 エネルギー価格の低下が、日本経済復活の狼煙となる
  電気代が高い日本にはチャンスがある/エネルギー戦国時代に突入し、電気料金は下がっていく/
  アメリカの要請から原発はやめられない/コスト高の再生可能エネルギーが増えても、電気料金は半値になる/
  日本企業の競争力はどんどん上がっていく/日本国民全体の実質所得は増えていく

2 日本は人口減少社会を乗り越えることができる
  年金支給年齢の引き上げで、人口減少問題は解決する/老人の労働力が日本を救う

3 世界における日本のプレゼンスが上がる
  アメリカにとって日本の価値が急上昇している理由/アメリカの思惑に沿って動いている安保法制/
  政治的にも経済的にも、これからの日本には追い風が吹く






著者

中原圭介(なかはら・けいすけ)
経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ」の経営アドバイザー、経済アナリスト。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。
主な著書に『2025年の世界予測』『シェール革命後の世界勢力図』(ダイヤモンド社)、『これから日本で起こること』『これから世界で起こること』(東洋経済新報社)、『格差大国アメリカを追う日本のゆくえ』(朝日新聞出版)、『トップリーダーが学んでいる「5年後の世界経済」入門』(日本実業出版社)、『未来予測の超プロが教える本質を見極める勉強法』(サンマーク出版)などがある。

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