感動経営
世界一の豪華列車「ななつ星」トップが明かす49の心得

感動経営
世界一の豪華列車「ななつ星」トップが明かす49の心得
書籍情報
- 唐池 恒二 著
 - 定価:1760円(本体1600円+税10%)
 - 発行年月:2018年09月
 - 判型/造本:46並製
 - 頁数:336
 - ISBN:978-4-478-10519-1
 
内容紹介
世界一の列車ななつ星トップが明かす49の感動経営の心得。最高競争率317倍のななつ星をどう作り、お客さまをどう感動させるか。「カンブリア宮殿」出演で話題沸騰!赤字300億円から黒字500億円へ!感動、躍進、飛躍。ホテルも流通も不動産も建設も外食も農業も鉄道もすべて8年連続増収!なぜ躍進し続けるのか
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目次
はじめに
第1章 仕事はひとを感動させる
 1 感動のない仕事は仕事ではない
  最高競争率316倍! コネもツテも通用しない抽選、そして当選通知/ツアー前20回の電話が気持ちを高める/乗車前から高まる感動/お客さまから届いた感動の手紙/ツアーデスクとの初対面でまた笑顔、涙
 
 2 音楽はひとの心を動かす
  号泣のBGMは一流奏者のバイオリン/歌詞どおりに結婚した社員も/替え歌をみんなで合唱して奮い立つ
 
 3 思いと手間が感動を呼ぶ
  外観、インテリア、そしてランチと続く感動/博多一の寿司店の大将がじかに握る/最高の職人が空腹のまま握る極上寿司/味は測れないが、手間なら測れる
 
 4「序・破・急」が感動をつくる
  “神社参道論”と松下幸之助氏のスピーチ/学問の神さまだって「序・破・急」の先にいる/ジェームズ・ボンドもヒントをくれた
 
 5 感動するひとこそ、ひとを感動させる
  上司は感動してからハンコを捺せ/ななつ星開業後に届いた一通の手紙/感動して感動させた経験は、どんな仕事でも生きる
 
 
第2章 仕事はひとを元気にする
 6 「挨拶、夢、スピード」が組織を元気にする
  “無謀な先発隊”を命じられ続けた/さびしいひとを、放っておけない、さびしがり屋/声とスピードで元気と「氣」を引きこむ
 
 7 「氣」はあらゆる元気のもと
  『もののけ姫』の地に「氣」が宿る理由/ななつ星も一部上場も「氣」の力/タイガースを18年ぶりの優勝に導いた「氣」/なぜ「気」でなく「氣」なのか?
 
 8 「氣」が満ちあふれる5つの法則
  「氣」の集まるひと、逃げるひと/逆境でも、「氣」を集められる5つの法則
 
 9 「行動訓練」で連覇を成し遂げた“JR九州櫻燕隊”
  指の先まで力強く美しくなる「行動訓練」/「行動訓練」から「YOSAKOIソーラン祭り」へ/訓練を極め、You Tu beのヒットコンテンツに
 
 10 夢みる力が「氣」をつくる
  見放された「三島JR」は夢を見るしかない/熊本県知事に学ぶ逆境の心得/歌舞伎からビジネスに転用した名セリフ/クソボールをホームランにしよう
 
 11 農業はひとを元気にする
  初産みたまごのおいしさに心から感動/農業には映画や小説と同じ力がある/農業は生きがいにつながる
 
 12 異端を尊ぶと会社は元気になる
  中期経営計画にも記載した異端尊重/果敢に挑戦するひとこそ、ほめちぎる/ななつ星のクルー募集はダイバーシティそのもの/昔、鉄道会社は男社会だった/会社の名も実も変わり、女性のリーダーが生まれた
 
 13 企業30年説に負けないぞ
  プロ野球に見る企業の盛衰と30年/時代の主役がスポーツのオーナーとなる/変われなければ企業だって老衰を迎える/勇気をもって進化に挑め
 
 14 誠実、誠実、そして誠実
  トップは誠実でありさえすればいい/不誠実は名車をもおとしめる/トヨタの名社長たるゆえんは、敵も味方にする誠実さ
 
 
第3章 仕事は楽しむもの
 15 数字は細かくすると楽しくなる
  三冠王のノルマに見る、数字を刻む効用/パートの女性とも目標値を共有した店長/売上目標を細分化して黒字化に成功
 
 16 掃除は職場を楽しくする
  新入社員には掃除、掃除、掃除/二宮金次郎は勤勉より“掃除”のひと/“社長が選ぶベスト社長”に学ぶ掃除の効果/逆境のときこそ「整理・整頓・清掃」10の効用
 
 17 楽しみながらコスト削減しよう
  現場にはコスト削減の知恵が埋まっている/社内のコスト削減もネーミング次第で楽しくなる/仮想通貨的ゲーム感覚で楽しくコストカット/毎年6億円を削減した「さがみつ」10の極意
 
 18 どんな悩みも楽しくなる3つの処方箋
  【処方箋1】声に出すのがいちばん効く/【処方箋2】メモをとると、すぐ眠れる/【処方箋3】嫌なヤツほど早く会いにいけ
 
 19 売上アップには、接客サービスの向上しかない
  鉄道の商品は、きっぷではない/商品を再定義するとサービスに行きつく/売上減を止める接客サービス/いまの顧客を大切にした「新・感・動・作戦」
 
 20 サービスとコストはいつも二律背反
  どの業種でも悩ましい二律背反/ラグジュアリークラスのサービスにつきまとう赤字リスク/ひとりよがりのサービスに気をつけろ/できるひとほど陥りやすい自己満足という無駄
 
 21 安全は赤ちゃんと同じ
  最も大切な安全でも、つねに意識するのは難しい/クリエイティブに安全に取り組む4か条
 
 22 隠蔽は百たたきの刑!
  いつでも噓、偽り、ごまかしのない行動を/アクシデントをきっかけに名声が高まった理由
 
 23 まわりのひとを楽しくすると、自分も楽しい
  私たちは社会の風景の一部だ/ライバルも尊ぶ崇高な態度/立場の弱いひとにこそ気遣いを/悪い報告ほど笑顔で聞く
 
 24 非常識はおいしい
  常識とは異なる発想が生んだ絶品たまご/鶏に学ぶ、鵜呑みにしてはいけないこと/ヒット商品の次の目標は黒字
 
 25 見えないところも全部きれいに
  高級ホテルよりピカピカのデザイン事務所/清掃は最も高貴なサービス/屋根までピカピカの「ななつ星」/“見られる化”で社員が輝き出した
 
 26 管理職手当は靴代
  管理職は歩かなくてはならない/リーダーは会社と地域に精通すべし/心に贅肉がついたら、すぐ体に表れる
 
 27 メモ魔になるべし
  不正事件に学んだメモの大切さ/メモはワンワード、キーワードで/若いうちからメモの癖をつけるべし
 
 
第4章 仕事とは伝えること
 28 「伝える」プロになる5か条
  伝えるには手間と技がいる/新鮮でオリジナリティのある言葉で伝えよう/数を絞りこみ、繰り返し、近寄って伝えよう
 
 29 情報は3つに絞りこむ
  聖徳太子だって7つが限界/駅の掲示板に象徴される無駄な情報の多さ/情報伝達は相手任せではダメ/3つに絞りこめ
 
 30 あえて手書きにする効用
  野村證券の圧倒的な営業力を支える毛筆手書きの手紙/手書き新聞がウケる理由/ぬくもりある手書きの手間が心を動かす
 
 31 文書は、明朝体よりゴシック体・一枚で
  大事な情報ほど短くわかりやすく/「動くホテル」の一行で伝わるプレゼン
 
 32 2メートル以内で語りあえば、なんでも解決する
  メールより2メートル! 距離を詰めることは魔法に近い/2メートル以内まで近づくと学びが多い
 
 33 ネーミングは親の気持ちで
  世界一のネーミングの達人は身近にいる/ある日、ひらがなの効用に気づいた/ネーミングを考えるプロセスに乗ることが大事
 
 34 すぐに会いにいけば、トラブルも楽しくなる
  怒っている相手にはまず近づく/メールや電話だけの対処は逆効果/2メートル以内だと、怒り続けるほうが難しい
 
 35 任せたら、任せきる
  エースを「本物のエース」にするために/社内だけでなく、社外のひとにも任せる/ななつ星も、ギリギリまで任せきった
 
 
第5章 仕事とは気づくこと
 36 ビッグデータより「自分マーケティング」
  カメラ目線のエネルギー/「自分マーケティング」とは/感動する心、気づく心の品質保持を
 
 37 気づきは3段階のマーケティング
  気づきのレベルを上げよう/お客さまの気持ちに気づく5ツ星クラスのひと手間
 
 38 顧客づくりのヒントは、子どもたちにあり
  鉄道ファンでなく、子どもたちのほうを向いた/ななつ星を13歳未満お断りとした理由
 
 
第6章 仕事とはつくること
 39 「つくる」ことに立ち返れ
  「自分でやったら?」に応え続けた結果/「自前でつくる」精神を損なわない/船も焼き鳥も自分たちでつくる/自前で取り組むと、成果と喜びも大きい
 
 40 まちづくり10の極意
  すべての仕事は、まちづくりに通ず/夢のないまちづくりは、つまらない/まちづくりにも「物語」が欠かせない/「整理・整頓・清掃」で、まちづくりが活性化
 
 41 落書きも立派なデザイン
  大分駅の「南北問題」解決に乗り出す/描いてみたら、ザビエルの城そっくり
 
 42 「イベントと食」がまちづくりを支える
  まちの連帯感をつくるイベントと食/30年たらずで地域一になった「YOSAKOIソーラン祭り」/地域の行事から100万人イベントへ/「継続と進化」がおいしい結果をまちにもたらす
 
 
第7章 仕事とは時代を読むこと
 43 トップは決断しにくいときに決断する
  テレビCMを自前でつくろうと呼びかけた/涙がボロボロあふれて止まらない/九州新幹線開業式典直前に国難発生/すべての式典、イベントを中止に/決断する意味を深く悟った一日
 
 44 リーダーは「生涯の先生」となれ
  ひとがすぐに辞めないコツ/トップみずから初期教育を/すべては最初が肝心
 
 45 期待値をとことん上げれば、社員はどんどん伸びる
  目標値を低くしてはいけない/泥棒だってほんとうは期待されたかった/“むちゃぶり”を期待値として受け取った結果が「ななつ星」
 
 46 外国人は何しに日本へ?
  訪日観光客の微妙な変化/日本が世界にアピールできる10の魅力/訪日観光客にこそリピーター増加を目指す
 
 47 デンソーの驚くべきモノづくり、人づくり
  巨人を育む「モノづくり」への気概/おもてなしの徹底ぶりに体が震えた/時代の最先端を行くがゆえの「危機感」
 
 48 世界はすさまじい勢いで変化している
  中国の最先端企業は研究開発規模も巨大/「買い物から30分以内に自宅に届ける」上海のスーパー/シリコンバレーを超えた深圳の空気がうまい!?
 
 49 明治維新150年の教え
  明治維新とは革命の期間を指す/世界唯一の奇跡を遂げた志士たち/崇高な使命感、猛烈な勉強、迅速な行動
 
 
おわりに
協力/参考文献
著者
 唐池恒二(からいけ・こうじ)
 九州旅客鉄道株式会社 代表取締役会長。
 「三島JR」と称され、300億円の赤字というどん底のスタートを切った同社にあって、全社員とともに逆境と屈辱から這い上がり、500億円の黒字(2017年度)に導いた立役者。同社は現在、売上の6割を鉄道以外の収入にして8年連続増収中。
 高速船、外食、不動産、建設、農業、ホテル、流通など37のグループ会社を伴い、連結売上額は4133億円、経常利益670億円(2017年度)を計上。
 1953年4月2日生まれ。1977年、京都大学法学部(柔道部)を卒業後、日本国有鉄道(国鉄)入社。1987年、国鉄分割民営化に伴い、新たにスタートした九州旅客鉄道(JR九州)において、人気温泉地・由布院の魅力を凝縮した「ゆふいんの森」や、浦島太郎の竜宮伝説をテーマにした「指宿のたまて箱」など、11種類のD&S(デザイン&ストーリー)列車をつくり、次々大ヒット。列車を「移動手段」から「観光資源」へと昇華させた。
 1991年に博多〜韓国・釜山間にデビューした高速船「ビートル」就航に尽力。さらに、大幅な赤字を計上していた外食事業を黒字に転換させ、別会社化したJR九州フードサービスの社長に就任。2002年には、同社でみずからプロデュースした料理店「うまや」の東京(赤坂)進出をはたし、大きな話題に。
 2009年6月、同社代表取締役社長。2011年には、九州新幹線全線開業、国内最大級の駅ビル型複合施設「JR博多シティ」をオープン。
 2011年に制作指揮した「祝! 九州」のテレビCMは「カンヌ国際広告祭」アウトドア部門金賞受賞。2013年10月に運行を開始し、総工費30億円をかけ世界一の豪華列車とも称される「ななつ星 in 九州」では、企画立案からデザイン、マーケティングまで陣頭指揮を執り、大人気となる。
 2014年6月、同社代表取締役会長。
 2016年には、長年の悲願であった東証一部上場を実現。
 2018年7月には、中国・アリババグループとの戦略的提携を発表。今後の動向にさらなる注目が集まっている。
 
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