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大震災後の日本経済

100年に1度のターニングポイント

  • 紙版

大震災後の日本経済

100年に1度のターニングポイント

書籍情報

  • 紙版
  • 野口 悠紀雄 著
  • 定価:本体1,500円+税
  • 発行年月:2011年05月
  • 判型/造本:46並製
  • 頁数:248
  • ISBN:978-4-478-01612-1

内容紹介

東日本大震災によって、日本経済を束縛する条件は「需要不足」から「供給制約」へと180度変わった。この石油ショック以来の変化にどう対処すべきか。復興財源は増税でまかなうのが最も公平、円高を阻止すれば復興投資の妨げになる、電力抑制は統制でなく価格メカニズムの活用で…など、日本が真の復興をとげるための処方箋を明快に示す。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに

第1章 復興にかかる厳しい供給制約

(1)今後の経済制約は、供給面にある
需要不足から供給制約へ/マクロ経済の需給バランス/介入がなければ円高になる/「クラウディングアウト」とは

(2)きわめて深刻な電力制約
厳しい今年夏の電力事情/工場立地を再編成しても、対応できない

(3)投資が増えるのに生産を拡大できない
GDPの落ち込みは最低でも1.1%/今後数年間、復興投資によって総投資額が10%程度増加する/復興投資は「巨大な有効需要」にはならない

(4)円高も増税も拒否すればインフレになる
円高になれば需給制約が緩和される/円高を拒否する固定観念/円高拒否がもたらす大きな歪み/復興国債で負担を将来に移すことはできない/We should be all classical/負担を将来に移転したいのなら、対外資産を取り崩す/負担増は避けられないのだが、反対が強い/再び喩え話

(5)これまでの経済ショックとの違い
ショック後の経済の推移/今回は復興投資がケインズ政策にならない/阪神大震災の復興投資は巨大なケインズ政策だった/石油ショック時には総需要抑制策がとられた/戦後復興は、インフレで賄われた/世界経済危機は需要ショック/過去の経験から何を学べるか

補論 総需要・総供給モデルによる復興過程の分析

第2章 電力消費抑制に価格メカニズムの活用を

(1)価格か統制か
計画停電では、合理的な抑制ができない/価格を利用すれば、合理的な需要抑制ができる/補助策、補完策も必要

(2)提言1:法人のピーク時需要抑制
大きな比重を占める法人需要/ピーク時の基本料金を高くして契約電力の引き下げを促す/違約金を引き上げて強制力を強める

(3)提言2:家庭のピーク時需要抑制
基本料金は自由度のための料金/40A以上の基本料金を値上げすれば、自主的な節電と利用平準化が進む/価格メカニズムの長所を活用すべきとき/計画停電を超える需要抑制ができる/問題は、「二つの不便のどちらをとるか?」/必要とされるのは「ピーク時対応」

(4)どの程度の引き上げが必要か
需要弾力性による結論は、アンケート調査の結果と整合的/企業の基本料金を三・五倍にする/電気料金引き上げを企業や家計が吸収できるか

(5)提言3:税による需要抑制
料金引き上げより課税のほうが容認されやすい/法人では、基本料金引き上げと同じ抑制効果を期待できる/家計は、電気料金総額に累進課税/電力税とマニフェスト見直しで、補正予算の財源は確保できる

(6)統制経済の復活を許してはならない
復活する統制経済/現代の複雑な経済で輪番休止はきわめて困難/重要度の恣意的判定こそ統制権力の源/よみがえった「1940年体制」の亡霊/電力需要の抑制は、長期的にも重要な課題

第3章 当面の復興財源をどこに求めるか

(1)復興財源の方向付けが何もなされていない
あきれ果てるしかない第一次補正予算財源/無駄なバラマキは即刻止めにしよう/復興と支援のための臨時増税が必要

(2)この機会に財政構造の徹底的見直しが必要
日本の税体系は壊滅状態にあった/歳出構造が不変なら際限ない増税が必要/破たんを明確に示していた2011年度予算の惨状

(3)法人税減税はもともと必要なかった
法人の実質税負担率は三割程度でしかない/実際にかなり低い日本の法人課税負担/赤字法人がきわめて多い/法人税率引き下げでなく、課税ベース拡大が必要/法人税は企業行動や投資行動に影響するか?/企業にとっての大きな負担は社会保険料/生産拠点の海外移転は法人税と無関係

(4)復興財源に奇策はあり得ない
埋蔵金、無利子国債/コンソル国債、国有財産証券化、政府紙幣

補論 税引き前純利益に対する法人所得課税の負担率を求める

第4章 国債に頼ればインフレになる

(1)巨額の国債に頼っていた日本の財政
すでに破たん状態だった日本の財政/財政赤字拡大の原因は、公共事業でなく人口高齢化

(2)これまで国債はどのように消化されてきたか
「個人金融資産があるから問題ない」は間違い/国債の大部分は金融機関が購入/1990年代には家計の預金増加で国債を消化/2001年以降は対企業貸出の減少で国債を消化/健全な国債消化から不健全な国債消化に/震災前に予測されていたDoomsdayシナリオ

(3)復興財源を国債に求めた場合の破たんシナリオ
国債消化が困難になると、金利が上昇する/金融機関の資産が悪化する/日銀が出動すればインフレに/海外消化を求めれば円安になる/最終的には家計が負担を負う/20兆円くれる足長おじさんが外国にいるか?

第5章 震災後日本経済のブループリント

(1)工場を西に、サービスを東に
原子力依存は見直さざるを得ない/製造業の付加価値あたり電力使用量は、サービス産業の三・四倍/電力多使用産業を西に、そうでない産業を東に/電力料金課税で実現可能/東北に大規模な研究センター、医療センターを/イギリス的な産業構造になれば、電力制約をクリアできる

(2)脱工業化経済の確立をめざす
復旧でなく新しいものを作る/供給制約は製造業の海外移転を要求する/日本人が使うものを、日本企業が海外で作る/転換型と復旧型のマクロ的な資源配分の違い/震災前にも低迷していた日本企業の利益率/ソフトウエアと水平分業の重要性/未来のリーディング産業は高度サービス産業

(3)1ドル=50円台でも揺るがない経済を作る
為替レートの大変動/貿易取引でなく資本取引で動く為替レート/日本経済のボラティリティが高まった/1ドル=80円は四割ほど円安/耐久財の価格で評価しても同じ結論/金利平価で考えても同じ結論

(4)資産大国として生きる
所得収支の黒字は貿易黒字より大きい/日本は、対外資産を適切に運用していない/アメリカ、イギリスは債務国なのに所得収支が黒字/新興国は販売先でなく投資先ととらえるべきだ/金融立国には何より教育が必要

索引



著者

野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。
〈主要著書〉
『情報の経済理論』(東洋経済新報社、1974年、日経経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、1980年、サントリー学芸賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、1992年、吉野作造賞)、『「超」整理法』(中公新書、1993年)、『世界経済危機 日本の罪と罰』(ダイヤモンド社、2008年)、『金融危機の本質は何か』(東洋経済新報社、2009年)、『未曾有の経済危機 克服の処方箋』(ダイヤモンド社、2009年)、『経済危機のルーツ』(東洋経済新報社、2010年)、『世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか』(ダイヤモンド社、2010年)、『日本を破滅から救うための経済学』(ダイヤモンド社、2010年)、『1940年体制(増補版)』(東洋経済新報社、2010年)、『実力大競争時代の「超」勉強法』(幻冬舎、2011年)等多数。
◆ホームページ:http://www.noguchi.co.jp/

※本書の印税の一部は被災地に寄付致します。

プリント版書籍は下記のストアでご購入いただけます。
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目次

はじめに

第1章 復興にかかる厳しい供給制約

(1)今後の経済制約は、供給面にある
需要不足から供給制約へ/マクロ経済の需給バランス/介入がなければ円高になる/「クラウディングアウト」とは

(2)きわめて深刻な電力制約
厳しい今年夏の電力事情/工場立地を再編成しても、対応できない

(3)投資が増えるのに生産を拡大できない
GDPの落ち込みは最低でも1.1%/今後数年間、復興投資によって総投資額が10%程度増加する/復興投資は「巨大な有効需要」にはならない

(4)円高も増税も拒否すればインフレになる
円高になれば需給制約が緩和される/円高を拒否する固定観念/円高拒否がもたらす大きな歪み/復興国債で負担を将来に移すことはできない/We should be all classical/負担を将来に移転したいのなら、対外資産を取り崩す/負担増は避けられないのだが、反対が強い/再び喩え話

(5)これまでの経済ショックとの違い
ショック後の経済の推移/今回は復興投資がケインズ政策にならない/阪神大震災の復興投資は巨大なケインズ政策だった/石油ショック時には総需要抑制策がとられた/戦後復興は、インフレで賄われた/世界経済危機は需要ショック/過去の経験から何を学べるか

補論 総需要・総供給モデルによる復興過程の分析

第2章 電力消費抑制に価格メカニズムの活用を

(1)価格か統制か
計画停電では、合理的な抑制ができない/価格を利用すれば、合理的な需要抑制ができる/補助策、補完策も必要

(2)提言1:法人のピーク時需要抑制
大きな比重を占める法人需要/ピーク時の基本料金を高くして契約電力の引き下げを促す/違約金を引き上げて強制力を強める

(3)提言2:家庭のピーク時需要抑制
基本料金は自由度のための料金/40A以上の基本料金を値上げすれば、自主的な節電と利用平準化が進む/価格メカニズムの長所を活用すべきとき/計画停電を超える需要抑制ができる/問題は、「二つの不便のどちらをとるか?」/必要とされるのは「ピーク時対応」

(4)どの程度の引き上げが必要か
需要弾力性による結論は、アンケート調査の結果と整合的/企業の基本料金を三・五倍にする/電気料金引き上げを企業や家計が吸収できるか

(5)提言3:税による需要抑制
料金引き上げより課税のほうが容認されやすい/法人では、基本料金引き上げと同じ抑制効果を期待できる/家計は、電気料金総額に累進課税/電力税とマニフェスト見直しで、補正予算の財源は確保できる

(6)統制経済の復活を許してはならない
復活する統制経済/現代の複雑な経済で輪番休止はきわめて困難/重要度の恣意的判定こそ統制権力の源/よみがえった「1940年体制」の亡霊/電力需要の抑制は、長期的にも重要な課題

第3章 当面の復興財源をどこに求めるか

(1)復興財源の方向付けが何もなされていない
あきれ果てるしかない第一次補正予算財源/無駄なバラマキは即刻止めにしよう/復興と支援のための臨時増税が必要

(2)この機会に財政構造の徹底的見直しが必要
日本の税体系は壊滅状態にあった/歳出構造が不変なら際限ない増税が必要/破たんを明確に示していた2011年度予算の惨状

(3)法人税減税はもともと必要なかった
法人の実質税負担率は三割程度でしかない/実際にかなり低い日本の法人課税負担/赤字法人がきわめて多い/法人税率引き下げでなく、課税ベース拡大が必要/法人税は企業行動や投資行動に影響するか?/企業にとっての大きな負担は社会保険料/生産拠点の海外移転は法人税と無関係

(4)復興財源に奇策はあり得ない
埋蔵金、無利子国債/コンソル国債、国有財産証券化、政府紙幣

補論 税引き前純利益に対する法人所得課税の負担率を求める

第4章 国債に頼ればインフレになる

(1)巨額の国債に頼っていた日本の財政
すでに破たん状態だった日本の財政/財政赤字拡大の原因は、公共事業でなく人口高齢化

(2)これまで国債はどのように消化されてきたか
「個人金融資産があるから問題ない」は間違い/国債の大部分は金融機関が購入/1990年代には家計の預金増加で国債を消化/2001年以降は対企業貸出の減少で国債を消化/健全な国債消化から不健全な国債消化に/震災前に予測されていたDoomsdayシナリオ

(3)復興財源を国債に求めた場合の破たんシナリオ
国債消化が困難になると、金利が上昇する/金融機関の資産が悪化する/日銀が出動すればインフレに/海外消化を求めれば円安になる/最終的には家計が負担を負う/20兆円くれる足長おじさんが外国にいるか?

第5章 震災後日本経済のブループリント

(1)工場を西に、サービスを東に
原子力依存は見直さざるを得ない/製造業の付加価値あたり電力使用量は、サービス産業の三・四倍/電力多使用産業を西に、そうでない産業を東に/電力料金課税で実現可能/東北に大規模な研究センター、医療センターを/イギリス的な産業構造になれば、電力制約をクリアできる

(2)脱工業化経済の確立をめざす
復旧でなく新しいものを作る/供給制約は製造業の海外移転を要求する/日本人が使うものを、日本企業が海外で作る/転換型と復旧型のマクロ的な資源配分の違い/震災前にも低迷していた日本企業の利益率/ソフトウエアと水平分業の重要性/未来のリーディング産業は高度サービス産業

(3)1ドル=50円台でも揺るがない経済を作る
為替レートの大変動/貿易取引でなく資本取引で動く為替レート/日本経済のボラティリティが高まった/1ドル=80円は四割ほど円安/耐久財の価格で評価しても同じ結論/金利平価で考えても同じ結論

(4)資産大国として生きる
所得収支の黒字は貿易黒字より大きい/日本は、対外資産を適切に運用していない/アメリカ、イギリスは債務国なのに所得収支が黒字/新興国は販売先でなく投資先ととらえるべきだ/金融立国には何より教育が必要

索引

著者略歴

野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。
〈主要著書〉
『情報の経済理論』(東洋経済新報社、1974年、日経経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、1980年、サントリー学芸賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、1992年、吉野作造賞)、『「超」整理法』(中公新書、1993年)、『世界経済危機 日本の罪と罰』(ダイヤモンド社、2008年)、『金融危機の本質は何か』(東洋経済新報社、2009年)、『未曾有の経済危機 克服の処方箋』(ダイヤモンド社、2009年)、『経済危機のルーツ』(東洋経済新報社、2010年)、『世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか』(ダイヤモンド社、2010年)、『日本を破滅から救うための経済学』(ダイヤモンド社、2010年)、『1940年体制(増補版)』(東洋経済新報社、2010年)、『実力大競争時代の「超」勉強法』(幻冬舎、2011年)等多数。
◆ホームページ「野口悠紀雄Online」

※本書の印税の一部は被災地に寄付致します。

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