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期待バブル崩壊

かりそめの経済効果が剥落するとき

  • 紙版
  • 電子版

期待バブル崩壊

かりそめの経済効果が剥落するとき

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • 野口 悠紀雄:著
  • 定価:本体1,500円+税
  • 発行年月:2014年02月
  • 判型/造本:46並製
  • 頁数:304
  • ISBN:978-4-478-02732-5

内容紹介

アベノミクスで景気が回復していると言われるが、その印象は円安による輸出産業の利益増に幻惑されたものにすぎない。「期待」は株価高騰をもたらしたものの、実体経済の改善にはつながっていない。これから賃金は上がるのか、景気はどうなるのか。円安、物価、賃金、成長戦略など、日本経済の喫緊テーマを検証する。

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目次

はじめに

第1章 経済の好循環は生じていない

1 公共投資減で、2014年度はマイナス成長
  Q 2014年度の日本経済はどうなるでしょうか?

2 住宅と公共事業で成長率をかさ上げした13年度
  Q 安倍内閣の経済政策で景気が回復したと言われますが、本当ですか?
  Q 政府や日銀は「経済に好循環が生じている」としていますが、本当でしょうか?
  Q リーマンショック後の日本経済の中期的な動向は、どうなっているでしょうか?
  Q 公共事業の増加であっても、経済成長に寄与すればいいのではありませんか?
  Q 住宅投資の伸びが堅調ですが、なぜでしょうか?

3 製造業の設備投資は増えず
  Q 設備投資の状況はどうなっていますか?

4 異次元金融緩和後に売上も利益も減少した
  Q 企業の売上はどうなっていますか?
  Q 株価が上昇しているのは、企業利益が増加しているからでしょうか?
  Q なぜ企業利益が減少するのですか?

第2章 データが裏づける「期待バブル崩壊」

1 実体経済はムードだけでは動かない
  Q 期待が変化すれば実体経済が変わるものでしょうか?
  Q しかし、「さまざまな景気判断指標で景況感が回復している」と報道されています。
  Q 物価に関する期待が消費に影響を及ぼすのではありませんか?

2 2013年春に膨れ上がったユーフォリアが崩壊
  Q 企業や消費者の「期待」を示す指標はどうなっているでしょうか?
  Q 株価には、人々の期待はどう表れていますか?

3 DIという指標が独り歩きする
  Q 日銀短観で景気の現状に対する判断は、どのような指標に表れるのですか?
  Q では、DIという指標をどう評価したらよいのでしょうか?
  Q 景気の現状以外の指標について、日銀短観にはどのような傾向が見られますか?

第3章 空回りを続ける異次元金融緩和措置

1 期待どおりには増えないマネーストック
  Q 異次元金融緩和措置は、経済状況を改善しているのでしょうか?
  Q 異次元金融緩和政策によってマネーストックは増加しているのではありませんか?
  Q マネーストックは自由に動かせるものなのでしょうか?
  Q なぜマネーストックが増えないのでしょうか?
  Q マネーストックが増えれば、経済成長率が高まるのでしょうか?
  Q マネタリーベースとマネーストックは、長期的にはどう変化したのでしょうか?

2 金融政策を評価する視点
  Q 金融政策をどのような視点で見るべきでしょうか?
  Q 異次元金融緩和措置は、何のために導入されたのでしょうか?
  Q 異次元金融緩和措置は、どのような問題をもたらしうるでしょうか?

3 住宅ローン以外は増えない銀行貸出
  Q 銀行貸出の状況は、どうなっているでしょうか?
  Q マネーストックの伸びは、将来どうなるでしょうか?

第4章 ユーロ鎮静化で円安になったが輸出は伸びず

1 金利差で説明できなくなった為替レート
  Q これまでの為替レートの推移はどうなっていますか?
  Q 為替レートは何によって動くのですか?
  Q なぜ金利差が為替レートを説明しなくなったのですか?

2 為替レートの動向はユーロ情勢が握る
  Q では、何が円安をもたらしたのですか?
  Q ユーロ情勢にどのような変化が生じたのでしょうか?
  Q ユーロ危機はどのように推移したのでしょうか?

3 米金融緩和の「テイパリング」は金利を上昇させる
  Q アメリカの金融緩和策QE3とは、どのようなものですか?
  Q なぜQE3の終了や縮小が検討されているのですか?
  Q QE3を終了するとどうなりますか?

4 円安なのになぜ貿易赤字?
  Q 貿易収支の状況はどうなっていますか?
  Q なぜ輸出数量が増えないのですか?
  Q 輸出が伸びないのは「Jカーブ効果」のためだという説明は、正しいでしょうか?
  Q 対中輸出は下げ止まるでしょうか?
  Q 貿易収支の赤字拡大に、どう対処すればよいのでしょうか?

第5章 デフレ脱却すれば実質成長率は下がる

1 消費者物価はなぜ上昇に転じたか?
  Q 消費者物価はなぜ上昇しているのですか? それは望ましいことでしょうか?

2 円安による原材料費増は消費者物価を引き上げるか?
  Q 円安になると、必ず消費者物価は上昇するものでしょうか?
  Q 円安による輸入原材料費の上昇分は、誰が負担しているのでしょうか?
  Q 企業負担分は今後、製品価格に転嫁されるのでしょうか?
  Q 消費者物価はさらに上がるのでしょうか?

3 物価上昇で成長率が低下する
  Q 消費者物価の上昇は、経済成長にどのような影響を与えるでしょうか?
  Q これまでの経済成長で消費はどのような役割を果たしてきたのですか?
  Q 実質消費が増えてきたのはどうしてでしょうか?

4 名目が先か、実質が先か
  Q 実質消費が増えているというのは、生活実感に合いません。
  Q では、物価が上昇すれば実質消費は減るのでしょうか?

5 物価上昇への対処が必要
  Q 消費者物価の上昇に対して何らかの対策が必要でしょうか?

第6章 アベノミクスでは賃上げは実現できない

1 賃金は利益の分配ではない
  Q 安倍内閣は賃金についてどう考えているのでしょうか?
  Q 賃金引き上げのため、安倍内閣は何をやろうとしているのですか?
  Q 「利益を賃金にも山分けする」という考えは正しいでしょうか?

2 最近の賃金動向:実質賃金の下落と非正規労働者の増加
  Q 最近の賃金・雇用動向はどうなっていますか?

3 長期的な賃金動向:製造業の縮小により平均賃金が下落
  Q 長期的に見ると、賃金はどう変化したのですか?
  Q すべての産業で賃金が下落したのでしょうか?
  Q 日本の就業構造は、どう変化したのでしょうか?
  Q 賃金分配率はどうなっていますか?

第7章 日本活性化に必要なのは何か?

1 設備投資を軸とする成長戦略は正しいか?
  Q 設備投資の増加を柱とする成長戦略は、どう評価できるでしょうか?
  Q 貿易赤字を抑制するために国内に製造業を回帰させる必要があり、
    そのために製造業の投資を増やすべきではないでしょうか?
  Q オリンピック東京大会に経済効果は期待できるでしょうか?

2 非製造業の成長を軸とする成長の可能性
  Q 将来の成長産業は製造業なのでしょうか?

3 規制緩和による流通業の生産性向上
  Q どのような規制緩和が必要でしょうか?
  Q 流通業はどのような可能性を持つのでしょうか?
  Q 流通業の生産性向上のためにどのような政策が必要ですか?

索引





著者

野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。
〈主要著書〉
『情報の経済理論』(東洋経済新報社、1974年、日経経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、1980年、サントリー学芸賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、1992年、吉野作造賞)、『「超」整理法』(中公新書、1993年)、『消費増税では財政再建できない』、『製造業が日本を滅ぼす』(ダイヤモンド社、2012年)、『日本式モノづくりの敗戦』(東洋経済新報社、2012年)、『金融緩和で日本は破綻する』、『虚構のアベノミクス』(ダイヤモンド社、2013年)、『「超」説得法』(講談社、2013年)等多数。
◆ホームページ:http://www.noguchi.co.jp/

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