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変異する資本主義

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変異する資本主義

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • 中野 剛志 著
  • 定価:1980円(本体1800円+税10%)
  • 発行年月:2021年11月
  • 判型/造本:46上
  • 頁数:332
  • ISBN:9784478114803

内容紹介

覇権国家・アメリカの衰退。「超限戦」をしかける軍事国家・中国の台頭。そして、先の見えないパンデミック。世界が凶暴化するなか、そのリスクに対応すべく「資本主義」が変異し始めている。「地政経済学」で、その実相を深く洞察するとともに、日本が晒されている「危機」を浮き彫りにする一冊。

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目次



第1章 静かなる革命

バイデン政権の画期的な「経済政策」
「新しいパラダイム」の出現
「新自由主義」の終焉
「緊縮財政に逆戻りしない」という意志
経済政策の「静かなる革命」
サマーズとクルーグマンの「論争」
リーマン・ショックが経済にもたらした「深刻な後遺症」
公共投資による「高圧経済」が、経済成長を可能にする
「巨額のコロナ対策」と「財政の持続可能性」
イエレンの出した「答え」
「超」低金利下においては、政府は“Big act”をすべき
「アメリカ経済の再建」と「財政政策」
「財政政策」の復権
2010年代に進んだ「パラダイム転換」
日本こそ「積極財政」に転ずべき理由
経済学に起きた「科学革命」

第2章 「長期停滞」論争

なぜ、先進諸国は「長期停滞」に陥ったのか?
ローレンス・サマーズの「仮説」
サマーズが「構造改革」を否定する理由
「生産性の低下」と「長期停滞」
失われた「社会的条件」
「セーの法則」を否定したサマーズ
「長期停滞」が経済学に突きつけたもの
主流派マクロ経済学の「根本的欠陥」
「信用創造」についての根本的な誤解
「積極財政」の根拠は「低金利」ではない
「赤字財政支出」が「民間貯蓄」を生むメカニズム
「対GDP比の政府債務残高」に意味がない理由
財政運営の指標は「インフレ率」である
「財政健全化」のパラドクス

第3章 自滅する「資本主義」

「長期停滞」と「社会的な力学の変化」
資本主義経済に内包される「停滞のメカニズム」
「軍事的緊張」と「経済成長」
低成長を招いた「停滞政策」
経済政策の「政治的循環」とは?
「金融化」によって経済は停滞する
なぜ、「イノベーション」は衰退したのか?
株式市場は「価値抜き取り」の制度である
企業組織の「行動原理」の変質
ビジネススクールを通じて流布されたイデオロギーとは?
「イノベーション」から「投機」「操作」へ
「グローバリゼーション」と「イノベーション」
「金融化」がもたらした世界経済の歪み
「持続可能性」を欠いた金融資本主義
「非伝統的」金融政策の誤謬
「異次元の金融緩和」がもたらしたリスク
もはや「経済」の問題ではなく、「政治」の問題である
世界経済の「構造的な問題」
リーマン・ショックで強化された「歪み」
なぜ、「基軸通貨ドル」がアメリカにとって「法外な重荷」なのか?
「国家」間の問題ではなく、「階級」間の問題である
画期的な「G7首脳コミュニケ」
自滅へと向かう「資本主義」

第4章 21世紀の富国強兵

リーマン・ショック後も生き延びた「新自由主義」
何が「新自由主義」に打撃を与えたのか?
「戦争」と「経済イデオロギー」
第2次世界大戦によって、「ケインズ主義」は支配を確立した
「2つの戦争」がもたらした階級間のパワーシフト
「第4次中東戦争」と「ヴェトナム戦争」
「冷戦終結」が招いた新自由主義の台頭
「新型コロナウイルス」と「戦争のメタファー」
パンデミックが「財政政策」にもたらした衝撃
中国という「地政学的脅威」
「経済政策」と「安全保障戦略」は密接不可分
地政学的な現実を無視する「経済学」
「経済」と「安全保障」の関係が見失われた理由
「新自由主義」から「経済ナショナリズム」へ
「財政政策」は「安全保障政策」の一部である
「産業政策」の復活
「ナショナリズム」で「新自由主義」を打破する
「グローバリゼーション」に対する反省
わずか5年で激変したアメリカ政策担当者の認識

第5章 覇権戦争

「リベラリズム」と「リアリズム」
派手な失敗に終わった「リベラル覇権戦略」
すでに崩壊した東アジアにおける米中の「パワー・バランス」
「覇権安定理論」が示す冷酷な現実
ミアシャイマーの恐るべき「洞察力」
アメリカの「楽観論」と中国の「戦略思考」
「中国に敗北する」と報告したアメリカ国防戦略委員会
無視された「警鐘」
自衛隊を圧倒するに至った「中国の軍事力」
決定的な「誤ち」を犯した日本政府
「リベラル覇権戦略」の無惨な失敗
かつてない「危機」に直面する日本
「覇権戦争」を回避する3つの方法
日本にとって、背筋が凍るような「戦略」
21世紀型「覇権戦争」は、すでに始まっている

第6章 ハイブリッド軍国主義

「総力戦」「冷戦」とも異なる「現代の戦争」
「幻想」と「ハイブリッド戦」
安全保障体制の「死角」
「超限戦」という概念
アメリカの不可解な「後退」
「軍事」「超軍事」「非軍事」
「平和」と「戦争」のハイブリッド
アメリカが「脆弱」である理由
転換点を超えた「尖閣情勢」
中国が狙いを定める日米安保の「死角」
「シャープ・パワー」という政治戦
SNSを活用した「情報戦」
「民主主義」の弱点を突くシャープ・パワー
「楽観」がもたらした「危機」
リベラリズムの「誤算」
エコノミック・ステイトクラフト
「分断された国家」は脆弱である
他の手段による「戦争」
中国の3つの「戦略目標」
偽装された「政治経済システム」
WTOが中国経済を規律できない理由
中国固有の特異な「思考様式」
「ハイブリッド軍国主義」の脅威
「非対称性」を巧みに利用する中国
すでに始まっている「覇権戦争」

最終章 来るべき世界

アメリカの「錯覚」、中国の「戦略」
「階級」と「戦争」
世界の「残酷な現実」
不透明な「未来」
「パンデミック」がもたらす革命
拡大する「財政支出」
「社会主義」への変異
メディカル・ナショナリズム
「覇権」の交代
日本の選択肢
「統治能力」を高めるか、「衰退」するか

あとがき





著者

中野剛志(なかの・たけし)
1971年神奈川県生まれ。評論家。専門は政治経済思想。1996年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2001年に同大学院より優等修士号、2005年に博士号を取得。2003年、論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。主な著書に山本七平賞奨励賞を受賞した『日本思想史新論』(ちくま新書)、『TPP亡国論』『世界を戦争に導くグローバリズム』(集英社新書)、『富国と強兵』(東洋経済新報社)、『国力論』(以文社)、『国力とは何か』(講談社現代新書)、『保守とは何だろうか』(NHK出版新書)、『官僚の反逆』(幻冬社新書)、『目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】』『全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】』(KKベストセラーズ)、『小林秀雄の政治学』(文春新書)など。

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