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すべては「先送り」でうまくいく

意思決定とタイミングの科学

  • 紙版
  • 電子版

すべては「先送り」でうまくいく

意思決定とタイミングの科学

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • フランク・パートノイ:著 上原裕美子:訳
  • 定価:1980円(本体1800円+税10%)
  • 発行年月:2013年03月
  • 判型/造本:46並製
  • 頁数:354
  • ISBN:978-4-478-02180-4

内容紹介

あらゆる決断は、可能な限り「先送り」すべき!? 「最適な決断のタイミングはいつなのか?」という永遠の課題について、金融の世界の第一線で活躍してきた著者が、先送りの効能を、豊富な事例と最新の知見を用いて解き明かす! 「どれだけ先送りすべきか」といったタイミングの取り方についての提言も含む、実践的啓発書

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに あなたは「いつ決めるべきか」を知っているか?

意思決定とタイミングの科学の統一理論を目指して
決断の瞬間を見極めるための2つの問い

第1章 人は「先送り」で進化した──心に備わる遅らせる仕組み

心拍数の変化で「心」を読む
脳と心臓のフィードバック・ループ
メンタルヘルスの「ものさし」で何がわかるか?
「胸の高鳴り」は科学的に正しい?
パニックをもたらす神経と、注意力を高める神経
心拍数を子育てに活かす
満足を先送りできる子は成功する?──マシュマロテスト・フィーバー
じゃあ、どれくらい待てばいいの?
教訓 意思決定で注目すべきは「時間」である

第2章 一流のアスリートはみんな先送りのプロフェッショナル──極限の状況で使える時間を拡張する3つのステップ

1秒のたった半分──サービスリターンを科学する
「ゾーン」の正体──準備によって時間を引き延ばす
プロとアマチュアを分けるカギとは?
最高のアスリートに共通する3つのステップ
リベットが見つけた0.5秒のズレ
教訓 先送りとは、使える時間の拡張である

第3章 「先送り」は利益を生む──高頻度取引の世界で起こった「変な事態」

高頻度取引の世界で、最速のシステムを
コンピューターが可能にした0.002秒の株取引
直面した「変な展開」──さらなるスピードアップのはずが……
速すぎると非効率でコスト高?
加速する取引は福音か、それとも破滅の序曲か
フラッシュクラッシュ──わずか36分で生まれ、そして崩壊したバブル
あえて「ゆるみ」をもたせて
証券取引所のランチ休憩は何のためにあるのか?
教訓 最速が最良とは限らない

第4章 この世は急かすものばかり──サブリミナル・メッセージが怖い本当の理由

『ファイト・クラブ』にちりばめられたサイン
疑惑と非難が渦巻くサブリミナル研究史
本当に効果はないのか?──最新の研究の意外な結果
大胆な仮説──マクドナルドのロゴが人をせっかちにする
「時間の節約」のつもりで失っているこれだけのこと
教訓 スローダウンしつつ、頭の中はアクティブに

第5章 直感が導く最悪の決断──意思決定はこうしてゆがむ

せめぎあう「システム1」と「システム2」
アメフトコーチが突きつけられた究極の決断
考えすぎるとボロが出る──思考停止する脳
エキスパートに共通する直感の磨き方
ロジャース艦長の判断は果たして……
「事前分析」のススメ
メドウランズの奇跡──エキスパートが素人になる瞬間
教訓 わずか数秒のために、日々の研鑽を

第6章 専門家であればあるほどかかる病「シン・スライシング」──無意識に流されないための切り札とは

医師は人種で態度を変える?
「無意識の差別」という伝染病
「第1感」の大ブーム(と誤解)
「最初の2秒」で本当にうまくいくのか?
人を「見る目」は「見た目」に支配される
魅力的な女性には仕事がない?
「シン・スライシング」を測定する
姿勢でホルモンが変化する?
教訓 「第1感」のコントロールは「一時停止」から始まる

第7章 パニックを制するものは、会話と決断を制す──タイミングをつかむための「間」と沈黙の使い方

パニックとスローダウン
ツッコミは「ためて」こそ
「考えすぎ」の役者がインストラクターになれたワケ
『英国王のスピーチ』に学ぶ「間」の本質
教訓 沈黙を活用してタイミングを制す

第8章 恋も戦闘も「見た目」でダマされるな!──タイミングを武器にするための「待つ技術」

初デートのプロが語る「第一印象」の弊害
未来を予測する動物、目先のことに流される人間
悲劇の原因「ひとめぼれ」
タイミングを武器にするための4つのステップ
教訓 2つの教えを守って、よい「先送り」を

第9章 いつカラスを食らうべきか?──ちょうどよいタイミングの謝罪とは

ウォーターゲート事件解明の立役者の「勇み足」
完璧なタイミングで「カラスを食べる」
「すぐ謝る」はいつだって正解なのか?
謝罪を極めるための4つのチェックリスト
メル・ギブソンの大失態──うまい謝罪、下手な謝罪
政治家の「ごめんなさい語録」
教訓 謝るタイミングはこうしてつかもう

第10章 ジョージ・アカロフが抱えた「スティグリッツの箱」──よい先送りと悪い先送りを見分ける方法とは?

インドを訪れたふたりの経済学者
先送り、その受難の歴史
先送りの「統一理論」を求めて
経済学の常識──合理的な人間は先送りしない
アカロフの爆弾発言
未来のコストは計算できない
カーネマンとセイラーが暴いた悪い先送りの見分け方
「鳩の時間割引率」から生まれた偉大なひらめき
明日の幸せより今日の幸せ──現在バイアス
割引率が高いとなぜダメなのか?
賢明な先送りのためのコツ
そもそも「先送り」はやめられるものではない
教訓(1)遅れをマネジメントする、という新戦略
教訓(2)「構造的先送り」で仕事を効率化する
アカロフのノーベル賞は、先送りのおかげ

第11章 最高の投資戦略は、何もしないこと?──ギリギリまで待つこと、すべてはそれから

ぎりぎりまで待つ、それがプロフェッショナルの条件
その儲け話にご用心
リスク評価できない人間と、それをカモにする人たち
バフェットの成功の核心はどこに?
最高の投資戦略は、「何もしないこと」
分析的思考だけでは誤診を防げない
「減速」というチェックリストの隠れた効力
「先送り×直感的思考」で研ぎ澄まされる判断力
ベテランインタビュアーに訪れた試練
オバマ大統領の真意を引き出した「34分48秒の攻防」
秒刻みのジャーナリズム
締切直前の1分でひらめくために
教訓 「時間感覚」というスキルを身につけよう

第12章 時計を外して、減速を──時間に縛られずに意思決定するために

クロックタイムVSイベントタイム
人間は「生きる時代遅れ」?
時給制には「中毒性」がある
フリーエージェント制の意外な落とし穴
稼げば稼ぐほど時間がなくなる、は本当か?
教訓 時計を外して、未来について考えよう

第13章 イノベーションは一瞬のひらめきだけでは生まれない──アイデアは待つほどに磨かれる

世界を変えた「くっつく紙」誕生前夜
徐々に生まれる直感「スロー・ハンチ」
イノベーションを生み出す「場」とは?
なぜチェスのマスターは、最善手を見抜けなかったのか?
イノベーションを阻む「構え効果」
創造力を発揮するための2つの方法
ついに訪れたブレイクスルー──「ポストイットR」生誕
10年かけて生まれるイノベーションを待てるか
ライフタイム・イノベーション──偉大な発見のきっかけはいつ生まれる?
教訓 ひらめきは、プロセスの積み重ねの果てにある

第14章 急がば回れ──人生と社会をよりゆたかにするために

人生の答えは、瞬発力では見つからない
スティグリッツふたたび──サルコジからの厄介な依頼
サステナビリティ再考──目先のことにとらわれないために
気候変動で問うべきは「社会的割引率」
命の価値は数値化できるか?
政策判断のかなめも、ぎりぎりまでタイミングを探ること
よりよく生きるために……待て。

謝辞

注記 ──本書をより深く、ゆっくりと楽しむために──

索引





著者

フランク・パートノイ(Frank Partnoy)
サンディエゴ大学ジョージ・E・パレット教授職の法および金融学教授、同大学センター・フォー・コーポレート・セキュリティーズ・ローの創設者。イエール・ロースクールを卒業し、モルガン・スタンレーで投資銀行業務に携わり、法人顧問弁護士を経て、現在では市場規制の専門家として世界的な第一人者。『フィナンシャル・タイムズ』、『ニューヨーク・タイムズ』、ナショナル・パブリック・ラジオ、CBSの「60ミニッツ」などにコメンテーターとして数多く寄稿・出演している。『大破局(フィアスコ) デリバティブという「怪物」にカモられる日本』(森下賢一訳、徳間書店、1998年)のほか、Infectious Greed やThe Match King といった著書がある。


訳者

上原裕美子(うえはら・ゆみこ)
1976年東京生まれ。筑波大学第二学群比較文化学類卒業。主な訳書は、アラン・ブリスキン他『集合知の力、衆愚の罠』、デイヴィッド・ヴィンジャムリ『直感のブランディング』(ともに英治出版)、ゲイリー・ハーシュバーグ『エコがお金を生む経営』(PHP研究所)、ノーム・ブロドスキー他『経営の才覚』(アメリカン・ブック&シネマ)、ジョン・ケイドー『生き残るためのあやまり方』(主婦の友社)など。

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先送りをする力は、人間が人間たり得るための重要な条件だ。
その力は贈り物であり、人生を決めていく道具でもある。
                    ——本書299ページより

CONTENTS——すべては「先送り」でうまくいく(2013/3/27更新)

  • いったいどのタイミングで決断すれば、後悔しないのか——。
    この人間にとっての永遠の課題を、金融の世界の第一線で活躍する著者が、膨大な事例と最新の知見を用いて解き明かす! いつも「ぎりぎり」で「ぐず」な人類のための、「先送り」の正しい使い方とは? ——最新情報はこちらにアップしていきます!
  • ◆内容紹介 「なぜ、意思決定は『先送り』でうまくいくのか?」
  •     ◯「早ければ早いほどいい」はウソだった!?
        ◯二度と「バブル」とその崩壊を繰り返さないために
        ◯各界から称賛の声、続々!
        ◯あなたは「いつ決めるべきか」知っているか?——「はじめに」より
  • ◆メディア掲載情報、感想も随時更新予定です!

内容紹介 「なぜ、意思決定は『先送り』でうまくいくのか?」

「早ければ早いほどいい」という常識は本当なのか?
——意思決定にまつわる誤解を解く!

 意思決定についてこれほど多くの著書が出されているのにもかかわらず、なぜいまだに我々はこれほど頻繁に間違いを犯すのか?
   この永遠の課題とも言える「決断」や「意思決定」の中でも、
    ◯「どう決めるか」よりも「いつ決めるか」が大事であること
    ◯「どのタイミングで決断するとうまくいくのか」
   という2点について、行動経済学、心理学、生理学、神経科学といった膨大な科学的成果と、スポーツや軍、サブリミナル映像、政治家の「失言録」といった広範な事例をもとに解き明かします。

意思決定は、「先送り」するほどにうまくいく
——もう二度と「バブル」とその崩壊を繰り返さないために

 著者であるパートノイが導き出した結論は、常識とは真逆の意外な結果。そう、「一瞬でスマートな意思決定」は、いつでも正しい訳ではないのです。
   パートノイは、さらに踏み込んで、「先送り」——タイミングを見計らって、そのギリギリまで決断を遅らせる——こそが、よりよい意思決定のために必要である、と説きます。
   一見すると奇抜なこの主張のために、パートノイは科学的な知見とインパクト抜群の事例をコツコツと積み上げ、教訓としてまとめていきます。その姿勢からは、金融を研究する者として、「サブプライムローンをはじめとした世界を揺るがすような判断ミスは、もう繰り返してはならないんだ」という強い意志が伝わってきます。

各界から称賛の声、続々!

本書に寄せられた賛辞の声、その一部をご紹介します。

フランク・パートノイは、「常識」を根底から覆すアプローチで、人間の意思決定に光をあてる。彼が教えてくれるのは、すみやかに物事を判断する方法ではない。驚くほど多様で膨大な研究を整理して、数ミリ秒、数日、または数十年にわたる「先送り」のパワーを明らかにしている。興味深い考察に満ちた、必読の1冊だ!
      ——ダニエル・ピンク『フリーエージェント社会の到来』『モチベーション3.0』
金融、行動経済学、法律……多彩な分野それぞれで最高峰の研究を掘り下げたパートノイは、痛快な筆致で、シンプルかつ腑に落ちる結論を導き出した。このあわただしい現代生活で、私たちはあまりにも急ぎすぎている、と。本書は、ダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』に並ぶ、人間の意思決定に隠された欠陥を暴き出す「パイオニア」と言うべき書である。
      ——ロジャー・ローウェンスタイン『天才たちの誤算 ドキュメントLTCM破綻』

あなたは「いつ決めるべきか」知っているか?

隠れた名言が随所にあふれているのも、本書の魅力のひとつ。担当編集者がこの企画に惚れ込んだ一節を、以下に抜粋してご紹介します。

ほとんどの状況において、私たちは本来もっと時間をとらなくてはならない。長く待てば待つほど好ましい。判断にかけるべき時間の感覚がつかめたら、基本的には最後の最後まで決断の瞬間を遅らせるべきだ。1時間あるなら、行動を起こすまで59分は待つ。1年あるなら364日は待つ。ほんの0.5秒しかないとしても、とにかくぎりぎりまで待ったほうがいい。たとえ数ミリ秒でも、それが大きな役割を果たすのである。
      ——本書「はじめに——あなたは「いつ決めるべきか」を知っているか?」より

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