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「超」入門 空気の研究

日本人の思考と行動を支配する27の見えない圧力

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「超」入門 空気の研究

日本人の思考と行動を支配する27の見えない圧力

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • 鈴木博毅 著
  • 定価:1650円(本体1500円+税10%)
  • 発行年月:2018年12月
  • 判型/造本:46並製
  • 頁数:296
  • ISBN:978-4-478-10220-6

内容紹介

佐藤優氏推薦!なぜ日本の組織は息苦しいのか?忖度、パワハラ、同調圧力、無責任主義……あらゆる集団に巣食う「日本病」の正体を暴いた名著をダイジェストで読む。会社、学校、家族、ネット、地域コミュニティ——今も昔も変わらず、日本人を縛る「何かの力」とは?

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに 今も昔も日本人を支配するもの

なぜ日本の組織は息苦しいのか?/エスカレートする日本社会の生きづらさ/「空気」が日本を再び破滅させる/旧日本軍の失敗と今の社会問題に共通すること/なぜ穏和な日本人は集団になると攻撃的になるのか/一瞬で頭が切り替わり矛盾も気にしない/仮装の西洋化では変わらなかった日本人の根源的ルーツ/日本人を知るための、もう1つの「失敗の本質」/空気という妖怪の正体をつかむ「7つの視点」

第1章 日本を支配する妖怪の正体 ── 日本人が逃れられない「見えない圧力」

空気の正体01 見えない圧力で合理的な思考をゆがめる
 なぜ日本には言論の自由がないのか/抵抗すれば社会的に葬られるほどの強い圧力/この「前提」からはみ出すことを一切許さない/戦艦大和の出撃は「空気」で決められた/「空気から逃れられない」とは、どういう意味か

空気の正体02 前提に従わない者を徹底的に叩く
 空気=前提に従わない異論者を攻撃する/日本を覆う「同調圧力」と「空気」の正体/前提に従わない者を徹底的に叩く/なぜ空気が日本の問題解決力を破壊するのか/悪意のある「人工的な前提」を見抜け

空気の正体03 議論する前からすでに結論は決まっている
 理不尽な「二重基準」が頻発する理由/なぜ、沖縄戦で戦艦大和は特攻したのか?/日本の敗戦が「確実」になって出現した前提/作戦決行は成功率とは関係なかった/論破しても、空気をまったく打破できない理由/それ以外に道がないという「誘導」がゆがんだ空気をつくる

空気の正体04 論理的な議論でも空気づくりを加速させる
 論理的な議論がいつの間にか空気に支配される謎/あれもダメ、これもダメから「前提」が固まり出す/自分に有利な前提以外はすべて「ダメ出し」する/1つの組織にも利害が異なる立場の人たちがいる/失敗や不祥事が空気から生まれる理由

第2章 なぜ日本人は集団だと狂暴になるのか? ── 日本的ムラ社会を動かす狂気の情況倫理

空気の正体05 ムラごとに「善悪の基準」が違う
 ムラ社会では、それぞれの善と悪がある/“父と子の隠し合い”で、ムラに不都合な現実を無視する/日本には「共通の正義」は存在しない/日本で忖度が生まれやすい理由/ムラ社会では生きるために空気を読む

空気の正体06 すべてのいじめは「お墨付き」を得て始まる
 お笑い芸人は何を読んでいるのか?/いじめは必ずクラスの前提を読んでから始まる/空気に支配された狂気の倫理基準/なぜ日本ではネットの集団攻撃が生まれやすいのか?

空気の正体07 集団の「物の見方」に感染し、倫理基準を乗っ取られる
 情況に左右されない西欧の固定倫理とは/情況に流された人間は、有罪か無罪か?/いじめの加害者がたった1本の献花を恐れる理由/では「空気」と「情況」はどう違うのか?/「自分の見方」はやがて乗っ取られる

第3章 なぜ日本人は感染しやすいのか? ── 日本人を思考停止に追いやる3つの要因

空気の正体08 空気は「感情」と結び付くと拘束力を増す
 ただの前提が、なぜ日本人を拘束する巨大な力となるのか/キーワード①「臨在感」 ── なぜ新聞記者はカドミウムを見てのけぞったのか/臨在感は「因果関係の推察」が生み出す/臨在感を笑った福澤諭吉の過ち/諭吉少年が間違えた、臨在感の本当の発生源とは/空気は臨在感と結び付いて、より強く人を拘束する

空気の正体09 感情の刷り込みで「善悪」を自由に操れる
 臨在感は、気の迷いであることも、正しい推察の場合もある/病原虫のいる川のたたりは、単なる気の迷いではない/「イワシの頭」にさえ日本人は支配されてしまう/機敏さと盲動の二面性を持つ日本人の謎/なぜ日本の政治は、政策論争と関係ないことの応酬になるのか/臨在感の呪縛から逃れるには「歴史を学ぶこと」/最強の大衆扇動術は「臨在感」を操ること

空気の正体10 日本人の親切は自分の正しさを押し付けること
 キーワード②「感情移入」 ── 自分の感情と現実の区別がつかない/思考と現実が、どこかでつながっているという感覚/日本人の親切とは「自分の想い」を押し付けること/日本軍にもあった「感情移入の絶対化」問題/なぜ日本人は「やりがい」を求めるのか?/「精神的」と「物理的」の2つの対策を行う/日本人がリスク管理で抱える致命的な欠点

空気の正体11 「絶対化」がウソや矛盾を生み出す
 キーワード③「絶対化」 ── 例外や不都合な事実を隠す無謬性/相対的なものを絶対化すると必ずウソが生まれる/旧日本軍で行われた陰湿な初年兵いじめ/軽率な絶対化がウソや矛盾を生み出す/絶対化とは、資質や条件を問わせない圧力

第4章 私たちはこうして思考を乗っ取られる ── 空気の拘束を生む3つの基本構造

空気の正体12 言葉で「ラベル化」すると簡単にダマされる
 「空気による支配」3つの基本構造/支配構造①「文化的感情」の臨在感的把握による支配/支配構造②命題を絶対化する「言語」による支配/「言葉」で人の思考は拘束できる/言葉に「隠された前提」が空気をつくる/狂気の「大本営発表」で破綻した旧日本軍

空気の正体13 メディアは空気を生み出す装置となる
 支配構造③「新しい偶像」による支配/自分がつくった彫像に恐れおののいた芸術家/知らぬ間に善悪を操る刷り込み法/「新しい偶像」は感情移入を誘発する新種のウィルス/マスメディアは偶像を生み出す装置である/西欧世界は数千年かけて空気を克服してきた

空気の正体14 「ただの石」さえ、あなたを支配する神となる
 空気を生み出す4ステップ/西郷隆盛を「悪の権化」として偶像化した明治政府/ただの石が、あなたを支配する神になる/一夜にしてアメリカ人の大半が肥満になったカラクリ/結論より「前提」を大衆に押し付けるほうが気付かれない

第5章 なぜ日本人は「常識」に縛られてしまうのか? ── 新たな拘束力となる水の思考法

空気の正体15 水を差しても決して空気は消えない
 日本社会を動かす「見えない原理」/空気の対処法としての「水」とは?/空気の暴走を食い止める「水」と「雨」/空気と対比される「水」とは一体何なのか/水があるのに、どうして空気の猛威が消えないのか

空気の正体16 水はやがて日本人を「常識」に縛り付ける
 水(雨)は、あなたを別の形で拘束している/空気と水、日本人を拘束する2つの構造/水はやがて日本人を「常識」に縛り付ける/水は「世の中そういうもの」という通常性をぶつけてくる/「竹槍ではB29を撃墜できない」と言った者への非難/「非国民」「努力の尊さ」という詐術のメカニズム

空気の正体17 日本の「科学的」にはウソが含まれている
 疑似西欧的な論理が生み出す空気/“科学的研究”は、カドミウムが原因ではないと断言した/日本で使われる「科学的」に含まれるウソ/疑似西欧的な論理に水は無力である

空気の正体18 外来文明を都合よく「骨抜き」に溶解する
 外来文明を消化する水の溶解作用/敗戦後、なぜ日本人は急に民主主義者になったのか?/日本の“仏教”は仏教ではない!?/外来思想を骨抜きにする日本独自の「翻訳文化」

第6章 「日本劇場」を操る「何かの力」 ── 支配者にとって空気は世論をつくる最強の武器

空気の正体19 「虚構」だけが人を動かす力である
 空気とは結局、支配のための装置/なぜ「虚構のみが人を動かす」のか?/日本という国に作用する不思議な「何かの力」/日本を滅ぼす圧力の正体/国民の権利はく奪も空気づくりから始まる/虚構に依存する者の末路

空気の正体20 日本人は「劇場化」を好み、それにより破滅する
 虚構で大衆を操るための「劇場化」/今の日本も実際は「鎖国」で情報統制されている!?/劇場化の4つの最弱点とは?/虚構による外交が、破綻の呼び水である理由/劇場を信じ続けた者は、現実の戦場では生き残れなかった

空気の正体21 日本的な会議は多数決原理をわざと誤用する
 なぜ会議室と飲み屋では意見が変わるのか/多数決原理をわざと誤用する、日本の会議システム/賛成で可決されても、問題のマイナス面は消えない/日本で多数決原理を健全に活用する2つの対策

空気の正体22 「解放の力」がいずれ未来を拘束する
 日本には「2つの自由」がある/解放の力は、いずれ未来を拘束する存在となる/「日本スゴイ論」が破滅への道である理由/日本しか知らないことは、日本をまったく知らないことである/日本では「ムラの外」を知ることが優位性をもたらす

第7章 どうすれば空気を破壊できるのか? ── 巨大な圧力に抵抗する4つの方法

空気の正体23 空気を「4つの起点」で打破する
 山本氏が指摘する、4つの起点とは?/①空気の相対化/②閉鎖された劇場の破壊/③空気を断ち切る思考の自由/④流れに対抗する根本主義

空気の正体24 日本人の根底にあるのは独自の「日本教」
 日本人の根源的な思想は、自然思慕の「日本教」である/「この世をつくったのはただの人」という日本人の根本思想/世界の宗教と日本教は「反転」している/思想を絶対視しないのに、情況に縛られる日本人

空気の正体25 独自性を形づくる「原点」を明確にする
 日本の根本主義とは何か?/集団の理想を守ろうとする情熱が変革の原動力となる/根本の再確認は「集団の譲れぬ一点」を見出させる/アップル社員に原点を浸透させた「シンク・ディファレント」/原点の明確化が空気を打破する最強の力となる

空気の正体26 ムラを解放する「独自の正義」が空気を変える
 明日から会議に出て下さらなくて結構です/あなたは集団に貢献する「独自の正義」を持っているか/ジョブズがアップルⅡ開発時に持っていた「独自の正義」/普遍性の高い正義は、世界に新しい自由と解放を生み出す/思考の盲点にひそむ非常識な本質/現代ビジネスの覇者は、前提外しの思考力に優れている

空気の正体27 空気を打破することは知性を回復することである
 歴史が教える事実「空気の固定化は破滅への道」/分析的な追求には「前提の放棄」が必要である/空気に支配されると「同じムラ人詐欺」が始まる/空気と水では正しい未来は描けない/空気を打破することは、知性を回復すること

おわりに ──  空気を超克する新たな時代の創造へ

後注(出典元)





著者

鈴木博毅(すずき・ひろき)
ビジネス戦略コンサルタント。MPS Consulting代表。
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部、京都大学経営管理大学院(修士)卒業。
大学卒業後、貿易商社にてカナダ・オーストラリアの資源輸入業務に従事。その後国内コンサルティング会社に勤務し、2001年に独立。戦略論や企業史を分析し、負ける組織と勝てる組織の違いを追究しながら、失敗の構造から新たなイノベーションのヒントを探ることをライフワークとしている。わかりやすく解説する講演、研修は好評を博しており、顧問先にはオリコン顧客満足度ランキングで1位を獲得した企業や、特定業界での国内シェアNo.1企業など多数。主な著書に『「超」入門 失敗の本質』『「超」入門 学問のすすめ』『戦略の教室』『戦略は歴史から学べ』『実践版 孫子の兵法』『実践版 三国志』『最強のリーダー育成書 君主論』『3000年の英知に学ぶリーダーの教科書』などがある。

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