• twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

教養としての「ラテン語の授業」

古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流

  • 紙版
  • 電子版

教養としての「ラテン語の授業」

古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • ハン・ドンイル 著/岡崎 暢子 訳/本村 凌二 監訳
  • 定価:1980円(本体1800円+税10%)
  • 発行年月:2022年09月
  • 判型/造本:A5並
  • 頁数:276
  • ISBN:9784478113288

内容紹介

ラテン語がわかれば、歴史、教養、文化の根底がわかる。ラテン語こそ、最強の教養である。
西洋文明の根源であるラテン語を通して、歴史、文化、宗教、恋愛、経済を学ぶ。
カエサル、アウグスティヌス、レオナルド・ダ・ヴィンチ。先人たちの知の息吹に触れる。
全世界で30万部のベストセラー、日本上陸

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

凡例

日本語版刊行に寄せて ── 叡知の貯蔵庫としてのラテン語

序文

Lectio I 胸に秘めた偉大なる幼稚さ

Magna puerilitas quae est in me

ラテン語はなぜ難しいのか?/レオナルド・ダ・ヴィンチもラテン語を猛勉強した/ヨーロッパの学生がラテン語を学ぶ理由/頭の中に「新しい本棚」を作る/勉強の動機は「不純」でいい/「偉大なる幼稚さ」を大切に

Lectio II 最初の授業は休講します

Prima schola alba est

学問とは「人間と世界を見つめる枠組み」を作る作業/ローマ人のシンプルな教育制度/ローマカトリック教会の公教育とは?/英語圏に修道会が運営する名門学校が多い理由/あなたの心の陽炎を見つめてください

Lectio III ラテン語の品格

De Elegantiis Linguae Latinae

「否定」の概念は“夜に流れる水”から生まれた/ラテン語はインド・ヨーロッパ語族に属している/古代の人々は「母」という概念をどう考えたか?/ピタゴラスはインドの思想に影響を受けていた/ラテン語の「丁寧さ」が地中海の平和を生んだ/言葉とは船である

Lectio IV 私たちは学校のためではなく、人生のために学ぶ

Non scholae sed vitae discimus

赤ちゃんに学ぶ「言語学習の本質」/ラテン語の発音からヨーロッパ社会を学ぶ/発音からすけて見える「ヨーロッパ人のプライド」/言葉は自分を理解する手段、そして世界を理解する枠組み/「真の知性人」とは?

Lectio V 長所と短所

Defectus et Meritum

長所と短所の「語源」から見えてくるもの/自分の短所と目をそらさずに向き合う/ラテン語の名句に学ぶ「捨てる勇気」/人間は何歳になっても迷う。だからこそ

Lectio VI ひとりひとりの“スムマ・クム・ラウデ”

Summa cum laude pro se quisque

奥深いラテン語の名詞/ラテン語を辞書で調べるときの注意点/真の教育とは、勉強したくなる動機を与えること/ラファエロの絵画と神秘主義/自分の中の「最優秀」を認識する

Lectio VII 私は勉強する労働者です

Ego sum operarius studens

ラテン語「エゴego」の役割/私たちは日々、「最善」を尽くしている/習慣の語源が教えてくれること/苦しみの中で幸せを見い出す方法/「勉強する労働者」は挫折を楽しむ

Lectio VIII カエサルのものはカエサルに、神のものは神に返しなさい

Quae sunt Caesaris Caesari et quae sunt Dei Deo

イエスの使徒パウロとローマのかかわり/キリスト教がここまで普及した理由/キリスト教における「政治と宗教の分離」/中世における「宗教と信仰の価値」とは?

Lectio IX たとえ神がいなくとも

Etsi Deus non daretur

法学者グローティウスの主張/聖書は弟子たちによる“授業ノート”か/人が哲学や倫理を求めた理由

Lectio X 与えよ、さらば与えられん

Do ut des

「あなたが私に施したから、私もあなたに与えよう」/「相互主義」という国際ルールの起源/「自分さえよければいい」マッチョイズムの台頭/人生は、他者を思いやることで完成する

Lectio XI 時間は最も優れた裁判官である

Tempus est optimus iudex

時間にまつわるさまざまな言葉/長い時間をかけて辞典を作り、悟ったこと/古代ローマ人は「幸せ」をどう考えたか?

Lectio XII すべての動物は性交後にゆううつになる

Post coitum omne animal triste est

絶望の日々をどう乗り越えたか/ラテン語の名句を英単語と照らし合わせる/「期待した瞬間」が過ぎさると、人間は絶望する/「ゆううつ」を感じるところまで、上り詰める

Lectio XIII あなたが元気なら、よかったです。私は元気です

Si vales, bene est; ego valeo

古代ローマ人のあいさつ/手紙と時制のユニークなルール/郵便は軍事目的でも使用されていた/「あなたが安らかであってこそ、私も安心できる」/人生を好転させる、ちょっとした習慣

Lectio XIV 今日は私へ、明日はあなたへ

Hodie mihi, Cras tibi

死をくぐり抜けた人間は、どんな香りを放つのか?/古代ローマの葬儀/人間は、他者に残された記憶によって香りを放つ

Lectio XV 今日を楽しみなさい

Carpe diem

名句Carpe diem は農業に由来する言葉/今日を我慢し、節制するのは美徳なのか?/ローマ人たちも「過去」に縛られていた

Lectio XVI ローマ人の悪口

Improperia Romanorum

ラテン語の「洗練された悪口」/「神聖な」「呪われた」という2 つの意味が混在する言葉/「心の言葉」に耳を澄ませよう

Lectio XVII ローマ人の年齢

Aetates Romanorum

ヨーロッパ言語が「水平型言語」である理由/道徳的人間と非道徳的社会/イタリア人に受け継がれた「寛大な精神」/学びとは、自分だけの歩き方を学ぶこと

Lectio XVIII ローマ人の食事

Cibi Romanorum

「私を上に引っ張り上げる」ティラミス/古代ローマ人の一日の食事/肉や魚の面白い調理法/奴隷にも支給されていたワイン/宴がわかれば、ローマの文化がわかる/同性愛を禁止した合理的な理由

Lectio XIX ローマ人の遊び

Ludi Romanorum

ローマ時代のさまざまなゲーム/セネカが軽蔑した「円形闘技場の熱狂」/高度な技術力に支えられた公共浴場/勉強や仕事から意識的に遠ざかってみる

Lectio XX 物事は、知っているものしか見えない

Tantum videmus quantum scimus

ムッソリーニが標榜した「偉大なイタリア」/カエサルが暗殺された場所/自分が知っているものしか目に入らない

Lectio XXI 私は欲望する。ゆえに存在する。

Desidero ergo sum

スピノザとデカルトの違い/満足とは「十分に何かをする」こと/人間が作り出した最高の仮想が、人間を苦しめている

Lectio XXII 韓国人ですか?

Coreanus esne?

「国」という概念はいつから生まれたか?/「天才教授の怒り」忘れられないエピソード①/「韓国人ですか?」忘れられないエピソード②/「私たちはみな同じ人間」という真実

Lectio XXIII しかし、今日も明日も、またその次の日も、私は進んで行かねばならない

Verumtamen oportet me hodie et cras et sequenti die ambulare

sex の由来は数字の「6」だった/単語ひとつに思想が反映される/勉強の由来は「心から望む何かに力を注ぐこと」

Lectio XXIV 真理に服従せよ

Obedire Veritati!

世界の問題を「世俗の学問」の力で解決する/ボローニャ大学の果たした役割/大学は何を大切にしてきたのか?/「真理」とは何なのか?/真理を解くカギは「宗教」にある

Lectio XXV みな傷つけられ、最後は殺される

Vulnerant omnes, ultima necat

古代ローマでどのように医学が発展していったか?/心と体を傷つけるのは、他者ではなく、自分自身

Lectio XXVI 愛しなさい、そしてあなたが望むことを行いなさい

Dilige et fac quod vis

砂漠とは、神への信仰が深まる場所/タクラマカン砂漠の洗礼

Lectio XXVII これもまた過ぎゆく

Hoc quoque transibit

今日できることは明日に延ばそう/「朝、自分に微笑みかける」という課題の真意/うれしいことをしっかり嚙みしめる

Lectio XXVIII 命ある限り、希望はある

Dum vita est, spes est
今の人生を送るか? 完璧な世界で新たな人生を送るか?/希望の語源は「期待して望む」/死と直面して悟ったこと

感謝の言葉

“人生の本棚”に並ぶラテン語の授業を振り返って ── 学生からの手紙

監訳者あとがき





著者

ハン・ドンイル
韓国人初、東アジア初のロタ・ロマーナ(バチカン裁判所)の弁護士。ロタ・ロマーナが設立されて以来、700年の歴史上、930番目に宣誓した弁護人。2001年にローマに留学し、法王庁立ラテラノ大学で2003年に教会法学修士号を最優秀で修了、2004年には同大学院で教会法学博士号を最優秀で取得。韓国とローマを行き来しながらイタリア法務法人で働き、その傍ら、西江大学でラテン語の講義を担当した。彼のラテン語講義は、他校の学生や教授、一般人まで聴講に訪れ、最高の名講義と評価された。その講義をまとめた本書は、韓国で35万部以上売れ、ベストセラーに。ラテン語を母語とする言語を使用している国々の歴史、文化、法律などに焦点を当て、「ラテン語の向こう側に見える世界」の面白さを幅広くとり上げている。ロタ・ロマーナの弁護士になるには、ヨーロッパの歴史と同じくらい長い歴史を持つ教会法を深く理解するだけでなく、ヨーロッパ人でも習得が難しいラテン語はもちろん、その他ヨーロッパ言語もマスターしなければならない。さらに、ラテン語で進められる司法研修院3年課程も修了する必要がある。これらの課程をすべて終えたとしても、ロタ・ロマーナの弁護士試験の合格率は5〜6%にすぎない。現在は翻訳や執筆を続けている。著書に『法で読むヨーロッパ史』『カルペラテン語総合編(語学教材)』『カルペ羅韓辞典』『ローマ法の授業』『信じる人間について:ラテン語の授業 2番目の時間』があり、『東方カトリック教会』『教父たちの聖書注解ローマ書』『教会法律用語辞典』などを韓国語に訳した。


監訳者

本村凌二(もとむら・りょうじ)
東京大学名誉教授。専門は古代ローマ史。『薄闇のローマ世界』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞、『馬の世界史』(中公文庫)でJRA賞馬事文化賞、一連の業績にて地中海学会賞を受賞。著書に『多神教と一神教』(岩波新書)、『興亡の世界史 地中海世界とローマ帝国』(講談社学術文庫)、『教養としての「世界史」の読み方』(PHP研究所)、編著書に『ラテン語碑文で楽しむ古代ローマ』(研究社)などがある。


訳者

岡崎暢子(おかざき・のぶこ)
韓日翻訳・編集者。1973年生まれ。女子美術大学芸術学部デザイン科卒業。在学中より韓国語に興味を持ち、高麗大学校国際語学院などで学ぶ。帰国後、韓国語学習誌、韓流ムックなどの編集を手がけながら翻訳に携わる。訳書に『あやうく一生懸命生きるところだった』『どうかご自愛ください』(ともにダイヤモンド社)などがある。

プリント版書籍は下記のストアでご購入いただけます。
  • Amazon で購入
  • e-hon で購入
  • HMV&BOOKS online で購入
  • 紀伊国屋BookWeb で購入
  • セブンネットショッピング で購入
  • TSUTAYAオンラインショッピング で購入
  • BOOKFAN で購入
  • honto で購入
  • Honya Club で購入
  • ヨドバシカメラ で購入
  • 楽天ブックス で購入

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるためお取り扱いがない場合がございます。)

電子書籍は下記のサイトでご購入いただけます。

(デジタル版では、プリント版と内容が一部異なる場合があります。また、著作権等の問題で一部ページが掲載されない場合があることを、あらかじめご了承ください。)

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加