目次

はじめに　なぜ、頭がいい人は「遅く考える」のか？

本書の内容

本書の使い方

登場人物紹介

レッスン１　「遅く考える」とは？

１　まずは、思いついたことを否定してみる
２　自分を疑い、条件をもう一度確認する
３　知識によって生み出される思い込みを克服する

帰り際の一幕　連想とユーモア

レッスン２　思考には２つのモードがある

１　人間に備わる２つの「考えるしくみ」
２　フリスビーの軌道を簡単に予測できる理由
３　道徳について、２つの思考で考えてみる

帰り際の一幕　時代によって道徳は移り変わる？

レッスン３　早とちりのメカニズムをつかむ

１　「どんな人物か」は慎重に考えよう
２　「いかにもありそう」に潜む落とし穴
３　思い出しやすいことにはワナがある

帰り際の一幕　直観に働きかけて、ポイ捨てが激減

レッスン４　ゆっくり「言葉」を考える

１　言葉は、シンプルで強力な遅考ツール
２　曖昧な言葉は明確にする
３　おかしな主張を見破ろう
４　詭弁を見抜くコツ

帰り際の一幕　人の「いやがること」を進んでしよう！？

レッスン５　因果関係がわかれば、思考の質はもっと高まる

１　１つの原因に固執しない
２　なぜ、因果関係は人間にとって重要なのか？
３　原因と結果が「逆」かもしれない
４　遅考術で心を読む

帰り際の一幕　都合のいい神話

レッスン６　まぎらわしい因果関係に対処する

１　相関関係と因果関係を区別しよう
２　共通原因を明らかにするトレーニング
３　ジンクスや都市伝説を検証してみる
４　総まとめ、因果関係

帰り際の一幕　直観と呪いの意外な関係

レッスン７　新たな解決策を考え抜く

１　ジレンマとは何か？
２　第三の選択肢を探す ── 対処法１
３　望ましくない結果を避ける ── 対処法２
４　選択そのものをやめる ── 対処法３

帰り際の一幕　ジレンマを味わう、禅問答

レッスン８　本当の原因を突き止める

１　条件は１つ「だけ」変える
２　実験をデザインする技術
３　条件をそろえる想像力を身につけよう

帰り際の一幕　モラルとジレンマ

レッスン９　思考の精度がグッと高まる、３つの考え方

１　調査対象を選び出そう
２　サンプルは十分用意する
３　プラシーボ効果を疑え！

帰り際の一幕　比較は「対象」も大事

レッスン10　怪しい話に惑わされないために ── 総合演習

１　「個人の体験談」の真偽を確かめる
２　疑似科学・科学否定を科学的に考える
３　遅考術で陰謀論に立ち向かう
４　思考の「品質保証」

おわりに　そして、本当の最終問題

【巻末ブックガイド】さらなる遅考のための厳選５冊

索引

著者

植原 亮（うえはら・りょう）
1978年埼玉県に生まれる。2008年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士（学術、2011年）。現在、関西大学総合情報学部教授。専門は科学哲学だが、理論的な考察だけでなく、それを応用した教育実践や著述活動にも積極的に取り組んでいる。
主な著書に『思考力改善ドリル』（勁草書房、2020年）、『自然主義入門』（勁草書房、2017年）、『実在論と知識の自然化』（勁草書房、2013年）、『生命倫理と医療倫理 第３版』（共著、金芳堂、2014年）、『道徳の神経哲学』（共著、新曜社、2012年）、『脳神経科学リテラシー』（共著、勁草書房、2010年）、『脳神経倫理学の展望』（共著、勁草書房、2008年）など。訳書にT・クレイン『心の哲学』（勁草書房、2010年）、P・S・チャーチランド『脳がつくる倫理』（共訳、化学同人、2013年）などがある。