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半導体工場のすべて

設備・材料・プロセスから復活の処方箋まで

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半導体工場のすべて

設備・材料・プロセスから復活の処方箋まで

書籍情報

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  • 菊地正典 著
  • 定価:2420円(本体2200円+税10%)
  • 発行年月:2012年08月
  • 判型/造本:A5並製
  • 頁数:240
  • ISBN:978-4-478-01728-9

内容紹介

日本の半導体産業40年の英知をまとめた決定版が登場。「工場」の切り口から解説することで、読者は従来の「しくみ」だけでなく、ヒト、モノ、カネ、情報も加えた総合的な形で半導体を理解できる。エピローグとして「『日の丸半導体』復活に向けての処方箋」も収録。半導体に限らず、全製造業関係者、必読の1冊。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに

第1章 半導体工場の敷地内を歩いてみると

01 半導体工場を鳥瞰すると──工場棟、事務棟、工場周りの配電設備、タンク……
02 ラインを総チェック──拡散ライン〜検査・選別ラインまで
03 組織図はどうなっている?──工場長の下に生産技術部、設備技術部などが連なる
04 工場の立地条件──水、電気、高速道路、そして意外な必須条件も…
05 変電所設備をもつ半導体工場──停電対策のあの手、この手
06 薬液・ガスの供給・廃棄システム──大量に使う窒素ガスは「空中」から供給することも
コラム 半導体メーカー ──社名あれこれ

第2章 ⅠCはこうして作られる

01 「半導体」とは何か──半分だけ導電体?
02 ⅠCができるまで──前工程、後工程を概観すると
03 前工程❶「FEOL」──ウエーハ上に素子をつくり込む工程
04 前工程❷「BEOL」──素子間を金属配線で接続する工程
05 シリコンウエーハ──イレブン・ナインの純度にまで仕上げる
06 薄膜の作り方、載せ方は──薄膜を何層にも重ねて作る
07 電子回路をどう焼き込むのか──回路パターンと写真焼き込み
08 エッチング工程で形状加工する──材料薄膜を加工する
09 99.9…の純度の中に不純物を?──なぜわざわざ不純物を入れるのか?
10 ウエーハを熱処理する──熱処理の目的と主な工程
11 表面を平坦化させるCMP工程──ウエーハ表面に凹凸があると信頼性に難

第3章 ⅠCづくりを支える裏方プロセスを追う

01 洗浄でゴミを徹底的に取り除く──化学的な分解、物理的な除去の2つの方法がある
02 洗浄後は「リンス→乾燥」──リンスは超純水、水分は吹き飛ばす
03 配線は象嵌細工技術で──ダマシンプロセスのルーツは金工象嵌
04 ⅠCチップは全量検査──ウエーハ検査工程でのチェック法
05 「冗長回路」という保険の導入──「万が一」に備えた予備メモリのしくみ
06 チップに切り分けるダイシング──人間の髪の毛を10本に切り分ける
07 ケースにマウントする──パッケージに精確に収める作業
08 ボンディングで金線接続──わずか100分の1秒の世界
09 リード表面処理──外装メッキで強度向上、錆の防止効果
10 チップを保護する「封止」──気体や液体の侵入からチップを守る
11 リード端子の加工成形──パッケージに合わせて加工する
12 チップ識別の「捺印」──いつ、どこで、どのように製造されたか
コラム シリコンメーカーとEDAベンダー

第4章 原材料や機械・設備について知っておこう

01 シリコンをなぜ輸入する?──アルミと並ぶ「電気の缶詰」
02 装置を工場に導入する一部始終──装置メーカーにノウハウがたまるしかけ
03 装置が同じなら、同一のⅠCが?──無数の組合せから「レシピ」が作られる
04 ⅠCの原価率はこうなっている──月2万枚の製造で3000億円を投資すると
05 原材料の保管期間はバラバラ──薬液類は温度・湿度で微妙に変化する
06 なぜウエーハ周辺部を使わない──エッジ・エクスクルージョン
07 超純水は工場ごとにブレンド──原水から超純水ができるまで
08 超純水はどれくらい純粋?──一律の基準値はないけれど
09 薬液、ガスのグレード、純度は──2N5は「99.5%」の純度を示す
10 設備稼動率を計算する──設備がどの程度有効に稼動しているか
11 シランガスは自然発火する危険物──半導体産業の興隆で急に使われ始めたガス
12 「水素爆発」は半導体工場でも ──原子力発電所と半導体工場の類似点
13 「露光技術」は微細化の中核──パターン転写の要の技術
14 バッチ処理から枚葉処理へ──微細化に有利な枚葉処理
コラム 超純水、フォトレジスト、マスクの主要メーカー

第5章 検査でのミス発見法、出荷する方法

01 不良品をどう見つける?──検査工程のキホンは「全数調査」
02 パッケージ前に出荷されるKGD──MCPに必要なベアダイ
03 ⅠCのサンプル──開発時から量産時までのサンプルの種類
04 信頼性試験とスクリーニング──加速試験で寿命を見積もる
05 同一仕様でも動作速度に差が?──プレミアLSⅠは検査工程で区分する
06 ⅠCの出荷・梱包での注意点──顧客に出荷する際の3つの収納ケース
07 半導体商社と直販で販売──半導体商社=セールスレップ+ディストリビュータ
08 クレーム対応でチップの改善へ──製造履歴を遡って調べることも

第6章 知られざる工場内の「御法度・ルール」

01 半導体工場の交替制勤務──1年365日・24時間のフル稼動
02 ロボットとリニア搬送で動く──ヒューマンエラーをなくし、効率化を図る
03 号機指定・群管理──精密機械だからこそ、個体差が出る
04 パーティクルがⅠCをオシャカに──どのくらいのゴミが問題になるのか
05 CⅠMの3つの役割──半導体生産の効率、品質向上を実現する
06 統計的工程管理が支えるもの──安定した製品の実現と品質の作り込み
07 傾向管理で異常兆候をキャッチ──SPCの管理法
08 産廃業者の不法投棄の責任は自社に──会社のイメージ失墜に至る
09 クリーンルームの清浄度──JⅠS規格では「クラス1〜9」
10 クリーンルームに入る儀式──手で軽く全身を叩いて、2〜3回、身体を回転
11 クリーンルームの構造と使い方──大部屋方式とベイ方式
12 「局所クリーン化」戦略──クリーンルームのコストを抑える知恵
13 クリーンルームは宇宙実験棟?──黄色の照明、特殊な筆記具
14 ラインを特急・急行・普通が走る──製造工期の異なる商品が混流しすぎると……
コラム クリーンルームの関連企業

第7章 働く人々のホンネ──工場は人でもっている!

01 アイデアは喫煙室で生まれる──独特な雰囲気の異次元空間
02 工場ツアーは原則「お断わり」──製造ラインへの入室は「秘密保持契約」を結んで
03 カイゼンは半導体工場でも──提案を審査し、等級を決定
04 さまざまな非正社員が働いている──スキルの高い人材を得やすい特定派遣社員
05 チェックに次ぐチェック──クルマ、医療器具に使われるだけに厳正に
06 どんな資格が必要となるか?──電気取扱、フォークリフト、溶剤、防火……

第8章 知られざる半導体工場の秘密

01 タテ型の「炉」が主流の理由──フットプリント、ウエーハの支持、移載の容易さ
02 ウエット洗浄以外の洗浄方法──目的・用途に応じて使い分ける
03 歩留まりって、なんだ?──1枚のウエーハから何個の良品チップが得られるか
04 ロットサイズが生産性に影響──小ロットならサイクルタイムは短くなるか?
05 クリーンスーツの色分け──瞬時に相手を見分けるために
06 ガスボンベ室の工夫──なぜ天井の耐圧を弱くしてあるのか?
07 静電気対策に知恵を絞る──CO2を水に混ぜる?
08 クリーンルーム見学を楽しむ法──知っていると工場のスポットごとの特色もわかる
09 定期点検では何がチェックされる──毎日の検査、1ヶ月検査、6ヶ月検査……
10 装置のレベルを揃えておく──ラインバランスを整えると生産性が上がる
11 半導体工場のゼロ・エミッション──地球にやさしい循環型産業をめざして
12 半導体メーカーに見る「戦略」の違い──インテル、サムスン、TSMC
13 装置メーカーから情報が漏れた?──蜜月から一気に不信へ?
14 いざというときの電源対策──電源不足時における優先度
15 クリーンルーム健康調査──おざなりな工場視察団

終章 「日の丸半導体」復活に向けての処方箋

(1)半導体業界を取り巻く大きな変化

(2)半導体メーカーの凋落原因を探る
 ❶コスト戦略──積み上げ原価方式で戦う愚かさ
 ❷遅れをとった技術戦略──取り残された日本の技術者
 ❸見誤った製品戦略──トップ層の無理解
 ❹半導体部門の悲哀──総合電機メーカーにとっては「新興・一事業部門・異端児」
 ❺合併の失敗──強みをもたない弱者連合
 番外編──「ノウハウは装置業界から流出した……」は本当か

(3)再興への処方箋
 ❶コスト削減──リソグラフィ工程をなくしてみるとどうなりますか?
 ❷「万能メモリ」で勝負せよ──爆発的な新市場を切り開く可能性
 ❸1世代、2世代先のファウンドリ・ビジネスを
 ❹「総合判断のできる技術者」の養成がカギ
 ❺新しいアプリケーション開発をするためには
 ❻東南アジアの需要をとらえる


さくいん





著者

菊地 正典(きくち・まさのり)
1944年樺太生まれ。1968年東京大学工学部物理工学科を卒業。日本電気(株)に入社以来、一貫して半導体関係業務に従事。半導体デバイスとプロセスの開発と生産技術を経験後、同社半導体事業グループの統括部長、主席技師長を歴任。(社)日本半導体製造装置協会専務理事を経て、2007年8月から(株)半導体エネルギー研究所顧問。著書に『入門ビジュアルテクノロジー 最新 半導体のすべて』『図解でわかる 電子回路』『図解でわかる 電子デバイス(共著)』『プロ技術者になる エンジニアの勉強法』(日本実業出版社)、『半導体・ICのすべて』(電波新聞社)、『電気のキホン』『半導体のキホン』(ソフトバンククリエイティブ)、『図解 これならわかる!電子回路』(ナツメ社)など多数。

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