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金融緩和で日本は破綻する

  • 紙版

金融緩和で日本は破綻する

書籍情報

  • 紙版
  • 野口悠紀雄 著
  • 定価:本体1,500円+税
  • 発行年月:2013年01月
  • 判型/造本:46並製
  • 頁数:256
  • ISBN:978-4-478-02405-8

内容紹介

安倍政権による金融緩和策が経済再生の「魔法の杖」のごとく喧伝されているが、いかに追加緩和がなされようと、デフレ脱却は見込めない。安易な緩和策は問題を先送りする「麻薬」でしかなく、その先に待っているのは、財政規律の弛緩と制御不能なインフレである。日本経済論の第一人者が金融政策の限界を検証する。

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目次

はじめに

第1章 金融政策はどう行なわれるか

1 「マネー」とは何か
現代の経済では預金が「マネー」/「マネーストック」とは/「マネタリーベース」とは

2 金融政策で経済活動をコントロールできるか?
マネタリーベースの操作/信用創造によって預金が増える/金融政策が実体経済を動かすメカニズム/実際には、金融政策は経済活動に影響を与えなかった

3 「ヘリコプターマネー」をめぐる誤解
日銀はヘリコプターから紙幣をばら撒けない/ヘリコプターマネー作戦は、日銀券増刷なしで実行できる/ヘリコプターマネー作戦が機能しない場合もある

4 日本の金融政策の変遷
公定歩合操作から公開市場操作へ/ゼロ金利政策/量的緩和政策/リーマンショック後の金融政策

5 基金創設による国債購入
資産買入基金の創設/新しい金融政策が必要になった理由は、国債発行の急増/強まる金融緩和への圧力/日銀の国債購入で、財政問題は解決するか?

【補論1】マネーストックのいくつかの定義
【補論2】「マネー」「通貨」「貨幣」は同じものか?
【補論3】信用創造のメカニズム
【補論4】さまざまな操作によるマネタリーベースとマネーストックの変化

第2章 効果がなかった量的緩和

1 マネーストックもGDPも増えず、物価も上昇せず
マネタリーベースは増えたが、マネーストックは増えず/マネーストックを政策で動かせない/日本の状況は、「流動性トラップ」とは違う

2 インフレターゲット論者も「量的緩和は効果なし」
「日本の量的緩和策は効果がなかった」/日本で量的緩和が効果がなかったことをクルーグマンも認める/クルーグマンの動態的流動性トラップ論/クルーグマンの提言は、実際的な政策とはなりえない

第3章 大規模為替介入と円安バブル

1 2003年の大規模介入で円安に
開放経済での金融政策は、為替レートを変化させる/日米金利差と円ドルレートの強い相関/35兆円超の大規模介入/量的緩和は、円安を通じて実体経済に影響を与えた/量的緩和の本当の目的は何だったのか?

2 不胎化か非不胎化か?
「不胎化」介入、「非不胎化」介入とは/大規模介入のファイナンス⑴ 日銀/大規模介入のファイナンス⑵ 銀行:短期国債と日銀当座預金の増

3 円安が進行し、輸入物価が上昇
量的緩和は輸入物価を引き上げた/消費者物価の変動は、輸入物価の変動の20分の1程度/2%の物価目標は到底実現できない

第4章 日銀による財政赤字のファイナンス

1 金融緩和の真の目的は国債購入
物価目標は「目くらまし」/量的緩和による国債残高の変化/新規国債発行が30兆円を超えると日銀が購入

2 基金方式で本格的な国債購入に乗り出す
2010年から再び国債購入/日銀券ルールからの逸脱は重要な問題か?/国債購入をいくらでも増やせるか?

3 長期金利の低下と「時間軸効果」
長期金利が異常に低下した/時間軸効果:緩和継続はなぜ長期金利を押し下げるか/日本の量的緩和はイールドカーブを押し下げた/「時間軸効果」は、中間目標にすぎない/長期金利低下は、国債購入の直接の結果

4 財政規律の弛緩は深刻
日銀の国債購入を評価する基準/財政規律を維持できるか/「貨幣化」によって財政規律は弛緩する

第5章 金融緩和でデフレ脱却はできない

1 新興国工業化が物価下落の原因
工業製品価格が下落し、サービス価格は上昇/テレビやカメラなどの顕著な価格低下/消費者物価は、需要の急減で上昇し、需要の急増で下落した

2 政府の料金政策がサービス価格低下の原因
2009年以降、サービス価格が低下/高校無償化は、サービス価格動向に大きな影響/公営家賃、運輸通信、医療福祉も大きく影響

3 常識的デフレ論の誤り
二部門を区別する必要がある/新興国工業化の影響⑴ 工業製品価格の下落と製造業利益率の低下/新興国工業化の影響⑵ 雇用が製造業からサービス産業へ/「デフレからの脱却」でなく、「所得低下からの脱却」が必要

4 アメリカがデフレに落ち込まないのはなぜか?
新興国原因論に対してなされる反論/アメリカの物価上昇は、サービスとエネルギーによる/アメリカのサービス価格上昇の原因は家賃

5 インフレターゲットの目的は物価抑制
各国のインフレターゲット/ルールか裁量か

第6章 世界を混乱させるアメリカ金融緩和QE

1 量的緩和策QE1で雇用は増えず
2008年金融危機で公的資金注入/QE1(量的緩和第一弾)でMBSの価格崩壊を防止/金融機関は回復したが、雇用は改善せず

2 QE2も実体経済に影響なし
QE2(量的緩和第二弾)で国債利回りは上昇/QE1もQE2もマネーストックを増加させず/QE2もアメリカ実体経済に影響を与えず/量的緩和の効果は、金融資産の価格下支え/新興国バブルは生じなかった

3 何のためのQE3? 
QE3は何の効果もなく、世界経済を混乱させる/アメリカの企業利益は伸びている/アメリカで伸びないのは賃金所得/政策手段割り当ての誤り

第7章 金融緩和のエンドレスゲームに突入する世界

1 金融緩和は為替レートに影響
QEは実体経済には影響しなかった/QEは為替レートに影響

2 アメリカQEがユーロ危機の原因
国際的な資金の流れの変化を三期に分けて考える/金融危機でアメリカから流出した資金は、南欧国債に回った/原油、金、新興国株式にも資金が回った/QE2がソブリン危機の引き金を引いた/金利変化は原因でもあり結果でもある

3 金融緩和のエンドレスゲームに突入する世界
2012年9月、日米欧が金融緩和/金融緩和と為替レート減価のエンドレスゲーム

第8章 金利高騰は大問題

1 不安定化する国債市場
国債バブルと札割れ/外国人保有比率の上昇/銀行収益の4分の1が国債売却益

2 国債バブル崩壊なら銀行に巨額損失
1%の金利上昇で、大手行に3.5兆円の損失/国債バブル崩壊で、金融機関の純利益が吹き飛ぶ/大手行はなぜ残存期間の短縮化を図っているか

3 金利高騰で財政破綻するか?
財政放漫化は不可逆過程/日本はイタリアと同じ道を歩む?/金利上昇による財政破綻はあるか?/重要なのは単年度収支でなく債務の「残高」

【補論】デュレーションを用いた利回りの変化と価格変化の計算

第9章 財政赤字と金融緩和で国家は破綻する

1 国家は破綻する──ラインハートとロゴフの警告
国家破綻はよくあること/金融危機は通貨安とインフレをもたらす/負債のスーパーサイクルからエンドゲームへ/民間の負債が増え、それが政府の負債になったのはなぜか/インフレは不可避か?/日本は押しつぶされた虫か?

2 日銀引き受け国債発行はインフレをもたらす
日銀引き受けのメカニズム/政府は無限の財源を獲得し、インフレが起きる/家計が「インフレ税」の負担を負う/政府紙幣は日銀引き受け国債と同じ/歴史的に見ると、財政赤字はインフレを起こす/復金債の日銀引き受けが招いたインフレーション/金融緩和は国際的な資本移動を引き起こす/インフレが起きるのは財政支出がなされるから

3 海図なき航海に出る日本経済
強まる金融緩和要求/財政規律はさらに弛緩する/恐ろしいのは、資本逃避による急激な円安とインフレ

【補論】国債日銀引き受けのメカニズム

図表目次

索引





著者

野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。
〈主要著書〉
『情報の経済理論』(東洋経済新報社、1974年、日経経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、1980年、サントリー学芸賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、1992年、吉野作造賞)、『「超」整理法』(中公新書、1993年)、『大震災後の日本経済』(ダイヤモンド社、2011年)、『大震災からの出発』(東洋経済新報社、2011年)、『クラウド「超」仕事法』(講談社、2011年)、『消費増税では財政再建できない』、『製造業が日本を滅ぼす』(ダイヤモンド社、2012年)、『日本式モノづくりの敗戦』(東洋経済新報社、2012年)等多数。
◆ホームページ:http://www.noguchi.co.jp/

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