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虚構のアベノミクス

株価は上がったが、給料は上がらない

  • 紙版

虚構のアベノミクス

株価は上がったが、給料は上がらない

書籍情報

  • 紙版
  • 野口悠紀雄 著
  • 定価:本体1,500円+税
  • 発行年月:2013年07月
  • 判型/造本:46並製
  • 頁数:296
  • ISBN:978-4-478-02541-3

内容紹介

安倍政権の始動から半年、金利が高騰し株と円が乱高下するなど、その経済政策が早くも綻び始めている。日本経済は「3本の矢」で本当によくなるのか?国民の給料は上がるのか?金融緩和策に警鐘を鳴らし続けてきた野口悠紀雄氏が、資産バブルを利用したアベノミクスの「虚」を暴き、日本を救うための成長戦略を示す。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに

第1章 異次元金融緩和で金融市場が混乱

1)「次元の異なる」金融緩和がもたらすもの
  「次元の異なる」量的・質的金融緩和政策/金融市場が大混乱/
  円安自体が投機で進んだ可能性が強い/国債売り投機が生じるおそれがある
2)国債増発なければ市場から国債が蒸発
  金融機関の資産の変化を予測する/貸出は買いオペで増えないだろう/
  国債市場が攪乱され、銀行の資産構成が歪む
3)財政が拡大すると金利が高騰する
  財政拡大が求められる可能性/財政規律が弛緩する/金利高騰シナリオ
4)インフレ目標は達成できるか?
  マネタリーベース、マネーストックはどうなるか/賃金上昇が必要/
  物価上昇率が高まれば他の経済変数も変化する

第2章 実体経済は改善しない

1)円安は進んだが、実体経済は動かず
  経済活動は期待で動くか?/円高期に実質輸出が増大してGDPが成長/
  12年夏から輸出が減少/リーマンショック前への回復は、政府支出のため/
  12年3月以降の生産の落ち込みが12年9月頃に止まった
2)円安は輸出数量を増やしていない
  1〜3月期輸出増は、対米輸出が減らなかったため/輸出減少は「Jカーブ効果」ではない/
  経済危機前に日本の輸出が増えたのはアメリカの総輸入が増えたため
3)設備投資の減少が止まらない
  経営者のマインドは依然慎重/設備投資の海外シフトは必然/国内資本ストック減少はなぜ問題か
4)賃金は上がらない
  「ボーナス満額回答」と報道されたが……/ボーナス増額は税金が財源。今回だけで、今後はない
5)円安で利益が増加するのは、実質賃金が下がるから
  円安による利益増は移転にすぎない/経済危機前にも同じことが起きた/
  円安の是非こそが本当の政治的争点

第3章 円安下で拡大する貿易赤字

1)円安なのに輸出数量は前年より減少
  実質レートは07年より円安/円安にもかかわらず、輸出数量の対前年比マイナスが続く/
  スタグフレーション下で余剰資金がバブルを起こす
2)貿易収支赤字は定着した
  12年度は巨額の貿易赤字/増えるLNGの輸入が貿易赤字の主因/輸出主導成長は再現しない/
  円安は製造業の生産コストを高める/円安は貿易赤字を拡大させる
3)経常収支は赤字にならない
  所得収支は巨額の黒字/マクロ的にも、経常赤字は考えにくい/求められるのは資産大国としての行動
4)経常収支赤字でも、国債の国内消化はできる
  海外からの資金流入と国債国内消化は両立する/対外資産を取り崩せば100年持つ/
  日本国債への信頼があれば、海外投資家比率が上昇しても問題はない/
  経常収支赤字化と、国債国内消化とは直接の関係はない
5)中国成長鈍化の原因は大規模景気拡大策の終了
  投資支出の伸びが大きく低下/部品より投資財の輸出の落ち込みが顕著/
  2000年代3大バブルはいずれも崩壊した/中国成長減速の日本への影響は?

第4章 実態を伴わない企業利益

1)トヨタ増益の主因は円安でなくエコカー補助
  13年3月期では、円安効果は増益総額の15.5%/円安が営業利益に与える影響は減少している/
  円安は乗用車の輸出を増やしていない
2)本当は深刻さを増している自動車産業の環境
  円安下で自動車の輸出は減少/エコカー補助金終了で激減した国内乗用車販売/
  売上高利益率が低下、中小企業はさらに厳しい
3)素材型産業の利益は円安で減少
  住友化学のケース:円安でナフサ価格上昇/新日鐵住金も円安で利益減少/
  赤字で株価が上昇する不思議
4)大震災後、円安の収益圧迫効果が増大
  円安は、素材型産業の収益を悪化させる/大震災で、円安の収益への影響が反転した/
  エネルギー価格上昇が最大の原因
5)円安は企業利益をどう変化させるか──シミュレーションモデルによる分析
  円安が企業利益に与える影響をモデル化する/円安と株価の理論値/計算株価と実際の株価の比較/
  円安で売上はさほど増加しない/実体的経済活動に影響するのは輸出数量が増えるとき/
  このモデルが扱っていない問題/円安だけに依存する利益増は脆弱
6)円安は、一部輸出産業の利益を増やしただけ
  アベノミクスの効果を法人企業統計で検証する/輸出産業では、円安によって増益/
  原材料コストアップの影響を受けた業種も/円安が継続しても、生産は増えない/
  大企業が大幅増益だが、中小企業は大幅減益/需要見通しが改善しないので、設備投資は増えない

第5章 国債暴落と金利高騰の危険

1)無謀な金融緩和で国債リスクが増大
  規模が大きすぎる日銀の買い上げ/実質的日銀引き受けで財政インフレの危険/
  円安雪崩とキャピタルフライトの危険
2)インフレ目標達成なら金利上昇
  2%目標は、国債暴落宣言と同義/財政赤字が拡大し、金利がさらに上昇/
  インフレ目標は財政拡大しないと実現できない/資本逃避が起きれば日本経済は破壊される
3)矛盾したメッセージを発する日銀
  金利は上がるのか下がるのか/金利が上がるか下がるかで取るべき行動が異なる/
  市場はどう判断しているか?
4)「日本はイタリアやギリシャと違う」と言えるか?
  イタリア国債の利回りはなぜ高騰したのか/イタリアでは国債残高が大きい/
  国債に対する信頼の低下が悪循環をもたらす
5)危機の前倒し発生に制度的な防御が必要
  国債は、満期まで持てば安全資産/将来の円安が前倒しで発生する可能性/
  インフレインデックス国債の発行を求めるべきだ太/>

第6章 既得権を保護して成長はありえない

1)成長戦略を評価する基準は何か
  成長戦略こそが本命/政府がなすべきは、規制緩和と教育/経済全体の方向付けを示す必要がある/
  賃金の上昇が必要/古いものの保護やターゲッティングを行なってはならない/
  財政再建目標の重要性が増した
2)円安と金融緩和に頼らなくともチャンスはある
  政府の補助を求める人々/円安を追い続けても、日本は好転しない/しかしチャンスはいくらでもある
3)日本は復活できる。その条件は何か?
  廃墟になった大型レジャー施設/黄金時代は過去か未来か?/
  復活のためには古いものを捨てる必要がある
4)人口減は問題でない、人材鎖国こそ問題
  総人口の減でなく、年齢構成の変化が問題/人材の受け入れと進出で日本を世界に開く/
  出生率引き上げは解決策にならない
5)安倍経済政策の思想的点検
  経済における保守主義とは何か/マーケットの否定は保守主義に反する/
  世界的大転換の中で「左傾化」する日本/日銀独立性の否定は戦時経済への逆戻り

第7章 ビジネスモデルの抜本改革が必要

1)円安と株高は経済改革を遅らせる
  金融政策で日本再生はできない/危機感の喪失は、経済改革を遅らせる
2)日本の電子産業総崩れ。原因は事業戦略の誤り
  電機産業の苦難は続く/垂直統合モデルの敗北が明らかになった/
  日本半導体産業はIT革命に対応できなかった/アメリカのIT産業は、サービスが中心/
  新興国と体力で張り合ってはならない
3)強い産業を持つ国と古い産業のままの国
  アメリカの企業利益増加は本物/強い産業を持つアイルランドと駄目になったイタリア/
  変化の萌芽、『ものづくり白書』の変身/日本企業は「スマイルカーブ」の理論を活かせるか
4)製造業においても「減反政策」が必要
  貿易赤字の拡大で総需要が減少/需要補填はいつまでも続けられない/生産維持でなく「転作」が必要

第8章 人材育成が最も重要な成長戦略

1)日本経済立て直しの第一歩は教育
  中国や韓国に後れを取りつつある日本の人材力/教育立国でアジアの若者を引き付ける
2)躍進するアジアの大学と取り残される日本の大学
  工学部で東大はアジア5位/日本の工学部は時代遅れになっている/
  民間企業がつくった浦項工科大の躍進
3)革新力や競争力でなぜ小国が強いか
  技術革新力で日本は25位/日本が弱くなったのでなく、世界が変化した/
  「 大きいから強い」わけではない

終章 投機に翻弄される日本経済

   不安定化した金融市場/金融緩和は投機を誘発する/懸念される日本国債売り投機/
   バブル再燃の可能性/円安も株高も外国のヘッジファンドに利益を与えただけ

【補論】投機はどのように行なわれるか


索引





著者

野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。
〈主要著書〉
『情報の経済理論』(東洋経済新報社、1974年、日経経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、1980年、サントリー学芸賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、1992年、吉野作造賞)、『「超」整理法』(中公新書、1993年)、『消費増税では財政再建できない』、『製造業が日本を滅ぼす』(ダイヤモンド社、2012年)、『日本式モノづくりの敗戦』(東洋経済新報社、2012年)、『金融緩和で日本は破綻する』(ダイヤモンド社、2013年)、『「超」説得法』(講談社、2013年)等多数。
◆ホームページ:http://www.noguchi.co.jp/

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