ヤマ師
裸一貫から一代でトヨタ・松下・日立を超える高収益企業を作った破格の傑物「山下太郎」のすべて

ヤマ師
裸一貫から一代でトヨタ・松下・日立を超える高収益企業を作った破格の傑物「山下太郎」のすべて
書籍情報
- 深澤献 著
- 定価:2200円(本体2000円+税10%)
- 発行年月:2025年08月 [予約受付中]
- 判型/造本:46並
- 頁数:356
- ISBN:9784478123034
内容紹介
「週刊ダイヤモンド」元編集長がどうしても書き残さずにはいられなかった男──。億万長者と無一文を何度も繰り返し油田を掘り当て日本を救った「アラビア石油」創業者、山下太郎。 日本経済史「影の主役」を掘り起こした驚愕のノンフィクション小説!!!
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目次
プロローグ 社長室
序章 大志を抱け
実父が戸籍上の「兄」になる
「でっけぇごど、やりとげる男になれよ」
燃え盛る「楠木正成スピリット」
キリスト教の倫理と仏教の精神
「お父さんの言いなりになんかなりません」
未踏の大地へ「ボーイズ・ビー・アンビシャス」
「飲酒喫煙は即刻退寮」の厳格な寄宿舎
終生の友人と照れくさい出会い
内村鑑三「非戦論」をめぐる激論を締める
初めての「野心」
江原素六から得た「大きなヒント」
「日本酒ドンブリ5杯」で破られた禁忌
第1章 ヤマ師誕生
顔が腫れるほどぶん殴られても
弟を堂々と「誘拐」す
「食べられる紙」を作りたい
すべてにおいて一流に触れること
誠実こそ最大の資本
森永製菓とオブラート
アメリカ産の「硫安」で大儲け
見合い結婚を機に「ブリキ王」へ
特許を売却しさらなる投機へ
「強気になれ」渋沢栄一の薫陶
身勝手だが誠実な妻の愛し方
鮭缶の大ビジネスとロシア革命
松岡洋右の「脅し」
「ヤマ師で結構です」
「人間植林」という成功哲学
米騒動と「政府公認の密輸」
行くも度胸、退くも度胸
大暴落、成金たちの悲鳴
損して得取るとっさの大局観
第2章 満州太郎
日本国民にとっての「満州」とは
満州に築く「新しい日本」
たとえ借金しても「一等」に乗る理由
満鉄社員5万人の住宅建設という大仕事
選ぶなら建築技師も超一流
毎年とんでもない金額が自動的に入ってくる
人脈づくりの徹底スキルと「男芸者のプレゼント魔」
松岡洋右と張作霖
経済不安に端を発した連続暗殺
そして戦争へ
日本とイエス・キリスト
人造石油計画
満州最大の「大家さん」
「三井、三菱、満州太郎」
カネで手に入れた「楠木ブランド」
田所哲太郎との再会
石油を求めて太平洋開戦へ
「1億くらいなら出しますよ」
ヤマ師の大局観
露と消えた「6兆3000億円」
第3章 アラビア太郎
1万人の戦犯逮捕と21万人の公職追放
GHQが奪った土地・不動産
死人に口なし
太郎邸で開かれた日本経済会議
「石油報国」という新しい大志
石油の「加工貿易」
ヤマ師ならではの迅速な撤退判断
隠し子の活躍
スエズ動乱の余波で舞い込んだチャンス
政府公認の「山下使節団」
サウジが提案した3つの候補地
「裏取り」と確定
1本掘ったら最低10億
豪奢を極める宮殿で
石坂泰三に届く再三再四の「ラブレター」
「国家プロジェクト」に相応しい支援者たち
「ヤマ師」への疑念
灼熱のジリジリ待機
絶対に譲れない条件
太郎が激怒した「ラクダの絵葉書」
キーパーソンの自宅を突撃
協調融資団をまとめた中山素平
第2の難関・クウェート
手紙で知らされた「競争入札」
幻の懐柔策
「秘密の布地」のプレゼント
知られざる「技術者たちの犠牲」
「一発必中」が絶対条件
1日170回のダイナマイト爆破
孤立無援の砂漠の地
20メートルの火柱
悪い形の良いニュース
35億円の担保は「議事録」
暗号で送られた奇跡
「宿敵」の前言撤回
エピローグ 青山葬儀所
参考文献
著者
深澤献(ふかさわ・けん)
1966年広島県出身。1989年ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」でソフトウェア・流通・小売り、通信・IT業界などの担当記者を経て、2002年10月より副編集長。2016年4月よりダイヤモンド・オンライン(DOL)編集長。2017年4月よりDOL編集長との兼任で「週刊ダイヤモンド」編集長。2022年2月に環境系スタートアップのTBMに転じた後、2024年4月よりダイヤモンド社に復帰、論説委員などを務める。
記者・編集者として30年以上、企業取材や数千人に及ぶ経営者や職業人へのインタビューを行ってきた。編集長を退任後も創刊111年を経た同誌のバックナンバーを読みあさり、各時代のリーダーたちの言葉を発掘する経営者マニアでもある。本書が初の単著となる。