『種の起源』を読んだふりができる本

『種の起源』を読んだふりができる本
書籍情報
- 更科 功 著
- 定価:1980円(本体1800円+税10%)
- 発行年月:2025年08月 [予約受付中]
- 判型/造本:46並
- 頁数:424
- ISBN:9784478112380
内容紹介
『種の起源』は「地動説」と並び人類に知的革命を起こした名著である。しかし、かなり読みにくいため、読み通せる人は数少ない、本書は、短時間で読めて、現在からみて正しい・正しくないがわかり、最新の進化学の知見も楽しく解説しながら、読者の「頭の中」に、実際に『種の起源』を読んだ後と同じような記憶が残る本!
目次・著者紹介詳細を見る▼
目次
真面目な読者のためのまえがき
不真面目な読者のためのまえがき
『種の起源』を読むための虎の巻
種の起源を読むにあたって
1 進化の仕組みについて
2 『種の起源』は神学書である
3 若き日のダーウィン
はじめに
ビーグル号での発見
『種の起源』の出版
第1章 飼育栽培における変異
ダーウィンとメンデル
チワワと自然淘汰
変異はどこから来るのか
変異は遺伝するのか
メンデルの遺伝の法則
品種改良によって生物は変化する
ダーウィンが見抜いたこと
自然淘汰と遺伝的浮動
第2章 自然状態における変異
十九世紀のイギリス人のように
分類階級と基本階級
四つの血液型が共存しているのはなぜか
ダーウィンの過激な主張
『種の起源』にまつわる誤解
個別創造説の否定
自然淘汰説は不評だった
大きな突然変異
第3章 生存闘争
あなたは生存闘争から逃れられない
荘厳なスギ・犠牲になるスギ
ダーウィンの思考実験
庭園を観察して見えてきたこと
なぜ読みにくいのか?
たった一種の生物がいなくなっただけで……
自然の階段とは?
第4章 自然淘汰
品種改良と自然淘汰
アリストテレスと歯の形
イヌとオオカミ
タンブラーバトの品種改良
「自然淘汰」の特徴
ヒルガタワムシの独特な生活スタイル
「農薬が効かない昆虫」のしくみ
ガラパゴス諸島の体験
進化の四つのメカニズム
絶滅とは何か?
『種の起源』の正式な書名
ニッチを占める
フィンチの嘴
たった一枚の図
白いイヌと黒いイヌの子は……
生物の分類は入れ子構造
ダーウィンの偉業
第5章 変異の法則
最大の誤り
DNAに起きる突然変異
洞窟に棲む動物の眼はどのように退化するのか?
変異を生み出す五つの原因
ヒトの腕とコウモリの翼
第6章 学説の難点
ダーウィンが批判に答える
移行型が見つからない理由
ある広い土地で……
四つ目の説明
単純な眼、複雑な眼
第7章 本能
宙返りをするハト
カッコウの奇妙な本能
変異が生じる原因
ダーウィンの偉大さ
八重咲きのアラセイトウ
失われた信仰
第8章 雑種形成
四つ目の難点
ケールロイターの循環論法
小さな間違い
例外はあるのか
あまりにも不規則な現象
第9章 地質学的記録の不完全さについて
化石から見えてくるもの
ヒトの言語能力を司る遺伝子
「突然出現」したように見える理由
化石記録の最大の難点
カンブリア爆発の原因
貝殻と動物の大型化
第10章 生物の地質学的な移り変わりについて
ダーウィンの攻勢
絶滅はなぜ起こるのか?
アンモナイトの突然の絶滅!?
誰よりも多くの証拠を集める
第11章 地理的分布
三つの重要な事実
進化は進歩なのか?
植物の種子はかなり遠くまで移動する
第12章 地理的分布(続き)
魚が空から降ってくる
海洋島ではなぜ哺乳類が少ないのか?
生物地理学の父
第13章 生物同士の類縁性、形態学、発生学、痕跡器官
もっとも衝撃的な内容
桁外れの説得力
シンプルで理解しやすい代案
分類学・形態学・発生学
カブトムシの翅
水中に棲む魚の肺はなぜ進化したのか?
第14章 要約と結論
「進化」は「進歩」ではない
ラマルクの恨みとダーウィンの栄光
もっとも壮大な主張
ダーウィンの言いたかったこと
あとがき
著者
更科功(さらしな・いさお)
1961年、東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。民間企業を経て大学に戻り、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は分子古生物学。武蔵野美術大学教授。『化石の分子生物学 ── 生命進化の謎を解く』(講談社現代新書)で、第29回講談社科学出版賞を受賞。著書に、『爆発的進化論』(新潮新書)、『絶滅の人類史 ── なぜ「私たち」が生き延びたのか』(NHK出版新書)、『若い読者に贈る美しい生物学講義』(ダイヤモンド社)などがある。