M&A 失敗の本質

M&A 失敗の本質
書籍情報
- 人見健 著
- 定価:1980円(本体1800円+税10%)
- 発行年月:2021年03月
- 判型/造本:A5並
- 頁数:194
- ISBN:9784478112755
内容紹介
失敗確率70%! 日本企業によるM&Aの裏側と失敗に至る経緯を明かし、経営戦略、人材育成の道筋を提示する。
失敗の本質を①あいまいな目的意識、②リスクの楽観的バイアス、③自己保身的行動、④結果責任意識の欠如、⑤有事性の理解不足、⑥自己流マネジメント方式の踏襲、⑦経営者的思考の弱さ、の7点に整理した。
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目次
はじめに
第1章 M&Aの「成功」と「失敗」
(1) 経営戦略の実現手段として定着したM&A
(2) コロナ禍後のM&Aは「生き残りをかけて」成長と事業構造改革の両立を目指す
(3) 生き残りをかけたM&Aでは「失敗」が許されない
コラム M&Aの成果は何年で測るべきか
(4) 危機は過去の失敗から教訓を得る「好機」である
第2章 M&Aの「失敗」〜7つの「悪しき種」
(1) M&A失敗の原因は社内にある
(2) 事例1 初めての海外M&A〜A社はなぜ「失敗」に至ったか
(3) 「悪しき種」は「悪しき結果」を生む
(4) 不確実性の高い環境では、リスクの楽観的バイアスを減らす努力を怠らない
第3章 M&Aの「成功」はPMIの「成功」
PMIとは、ガバナンス構築のもと、戦略、オペレーションを「統合」すること
(1) PMIの重要性は本当に日本企業に浸透したのか
(2) PMIに対する3つの誤解
(3) シナジーの実現性を高めるための3要素
(4) 統合計画の「質」を担保するためのアプローチ
(5) 統合計画は戦術レベルまで落とし込む
第4章 「終わりの始まり」〜明確な目的なきM&Aの行く末は
(1) 事例2 競合企業に負けじとグローバル化を推し進めたB社
(2) 事例3 「二番煎じ」が良く見え、デューデリジェンスでのリスク評価が甘くなったC社
(3) 事例4 「海外売上高の拡大」のため、他社の撤退事業を引き受けたD社
(4) 失敗原因1.「M&Aありき」のあいまいな目的
コラム 確証バイアス/リスクの楽観的バイアス
コラム 投資銀行のM&A案件紹介には別の狙いがあった!?
(5) 解決策および実務のポイント 「何のために買収するのか」、自問自答を繰り返す
コラム 「目的なき前進」は日本的組織の「お家芸」か
コラム 社外取締役への根回しで、社長の独走を止めたN社
コラム 全社で推進するM&A案件に対して一人で反対表明をしたOさん
第5章 「あとは事業部に任せた」〜PMIに関心の低い経営者
(1) 事例5 「PMIはゆっくりでいい」と言う社長への忖度からプロジェクトが中断したE社
(2) 事例6 「社長への儀礼的な報告会」に嫌気がさして、辞任したF社子会社社長
(3) 事例7 「本業の安定」を想定し、現地に経営を任せ、環境変化への対応が後手に回ったG社
(4) 失敗原因4.失敗原因5.結果責任意識の欠如/「有事性」の理解不足
コラム 「本件のPMIはカネを惜しまずにしっかりとやろう」
(5) 解決策および実務のポイント 経営者のコミットメントを高める工夫
コラム 上場企業の事業担当役員Sさんの取った「融和術」とは
コラム 上場企業の海外事業担当役員に復帰したTさん
コラム 部長が働こう
第6章 「うちのやり方が優れている」〜失いがちな相手への尊重心
(1) 事例8 相手企業の経営陣とシナジーの合意をせずに統合実務作業に入ろうとしたH社
(2) 事例9 「勢力争い」の間にビジネスを毀損させてしまったI社とJ社
(3) 事例10 PMIの「初期動作」を怠り、事業撤退を考えざるを得なくなったK社
(4) 失敗原因6.自己流マネジメント方式の踏襲
(5) 異文化企業とのPMIで顕在化しやすい企業文化の相違の事例
コラム 海外企業の経営幹部は実務に精通している
(6) 解決策および実務のポイント 粘り強く相互理解を深める
コラム CVCを中途半端に終わらせない
(7) 失敗原因7.経営者的思考の弱さ
(8) 解決策および実務のポイント 4つの思考法を身につける
第7章 日本企業の経営者の課題
(1) 「真の成功」のためには古い価値観を打破する自己変革が必要
(2) 経営者が取り組むべき5つの課題
(3) 課題1 緻密な分析を裏付けとしたリスクテイキングを行う
(4) 課題2 結果が出るまで愚直にやりぬく
(5) 課題3 若いうちから経営者経験を積む
(6) 課題4 外部の「血」を謙虚に受け入れる
(7) 課題5 「レジリエンス」と「共感力」のある人材を育成する
(8) M&Aを成功に「近づける」ための5つの行動
おわりに
著者
人見健(ひとみ・たけし)
株式会社NTTデータ経営研究所パートナー。M&Aグループリーダー。慶應義塾大学経済学部卒業。テンプル大学ジャパン経営学修士課程(MBA)修了。東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)、KPMG FAS、ローランド・ベルガー、EY、フロンティア・マネジメント、パナソニック(オートモーティブ社)を経て現職。21年にわたり、消費財、小売、商社・卸売、医薬品、医療機器、化学、産業用機器、電気機器、自動車・自動車部品、電子部品、物流、運輸、建設、不動産、ホテル、銀行・証券・保険、通信、ITおよびその他サービス業を中心に、M&A戦略立案、エグゼキューションからPMIまで豊富なハンズオンでの実務経験を有する。関与した国内・海外のM&A・アライアンス案件は300件を超える。企業・事業戦略、新規事業創出、グループ経営、コーポレートガバナンス、企業再生、財務戦略、組織変革等をテーマとしたコンサルティング経験も有する。米国公認会計士(ワシントン州ライセンス)。公益社団法人日本証券アナリスト協会認定アナリスト。
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