• twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

EXPERT 一流はいかにして一流になったのか?

  • 紙版

EXPERT 一流はいかにして一流になったのか?

書籍情報

  • 紙版
  • ロジャー・ニーボン 著/御立 英史 訳
  • 定価:2200円(本体2000円+税10%)
  • 発行年月:2025年09月 [予約受付中]
  • 判型/造本:46並
  • 頁数:416
  • ISBN:9784478121764

内容紹介

一流になるのに必要なのは、才能ではなくプロセスだった。どんな分野でも通用する「上達のしくみ」がある。ジャズピアニストから外科医まで、あらゆる達人が辿ったプロセスを解き明かし、彼らの身につけた「感覚」を言語化。豊富な実例とともに誰でも実践できる形に落とし込んだ、“学ぶすべての人”に向けた成長の教科書。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

序章 忘れられた学びのかたち

言葉にされないエキスパートの「感覚」
一流になるまでの道のりを問う
なぜ達人の技術は言葉で説明できないのか
何をもって「達人」と評価するのか
身近にいるのに気づかない「一つの物事を極めた人たち」
達人が集まる場所がある

PART0 BE AN EXPERT エキスパートになる

第1章 一つの物事を極めるということ

徒弟制度に学ぶ ── 熟達に至る道のり
見習い ── 意味がわからなくても繰り返す
職人 ── 他者に意識を移し、自己を確立する
親方 ── さらにその先へ
達人は一夜にしてならず、されど……
だれもが「達人」になれる
社会にはなぜ「達人」が必要なのか

第2章 すべての仕事の根幹をなす「学び」を考える

未熟な外科医が経験した深夜の緊急手術
外科専門医になるまで
世界で最も忙しい病院
外科医になったと感じる瞬間
戦闘地帯の病院にて
外科医から総合診療医へ
総合診療医から研究者へ
外科医と仕立て職人の意外な共通点
あらゆる「熟達」の根底をなすもの

PART1 APPRENTICE 見習いとして経験を積む

第3章 ひたすら繰り返す

簡単なことがなぜできない?
技術の習得に避けて通れないこと
無意味だと感じられる仕事に意味を見出す
エキスパートになるための第一歩
「見習い」期間は、子どものころから始まっている
めざす分野のコミュニティに加わる
コミュニティの中心へと近づくために
ヘアスタイリストの身体感覚
反復作業を通じて深まる三つのシステムとの関わり
エキスパートになる四段階
「ルーティン型専門能力」と「応用型専門能力」
身体知はいつ蓄積されているか
「ジャグリング」と「採血」に共通すること
成長を実感する瞬間

第4章 感覚を研ぎ澄ます

深夜の開腹手術
言葉で表せない「感覚」
完成と崩壊のはざまで
整備士の感覚
感覚をつかむということ
自分の身体を「読む」
極める人の「見る」力
忘れられがちな「見る」ことの価値
「速い思考」と「確証バイアス」
「デッサン」というものの見方
深夜の開腹手術 ── 後日談

第5章 空間を整える

学びと実践の乖離
厨房のミザン・プラス
達人は自分のシステムを構築する
手術室のミザン・プラス
チェンバロを制作してわかったこと
患者になってわかったこと
パーソナルスペースという「第二の皮膚」
「人間関係のスキル」と「専門技術のスキル」は両立するか
「触れる」ことで察知できること
二つの自信を深める

第6章 失敗を経験する

複雑すぎる技術のゆくえ
挑戦と失敗がなければ熟達もない
飛行機の操縦に挑む
何百人もの命を奪いかねない致命的なミス
失敗の解剖学
「慣れ」による失敗
「問題の取り違え」による失敗
「大きな見落とし」による失敗
逆さに取り付けられた心臓弁
「沈黙の共犯」と「スイスチーズ・モデル」
失敗を学びに変える「レジリエンス」
惨事を免れた記憶

PART2 JOURNEYMAN 職人として高みをめざす

第7章 自分から他者へ

診断結果を告げるとき
他者に関心を移す
主役はマジシャンではなく観客
正しい目的を定める
適切な判断のための複雑なプロセス
顧客との信頼関係を築く
大切なのは「肘より上」
観客をコントロールする技術を磨く
「群れ」としての観客の反応を読み取る
記憶に残ることは何か
話す前にやるべきこと
分かち合うための熟達

第8章 自分の声を育む

「あなたの診察で、患者はどんな気持ちになるでしょう」
「声」でだれの仕事かわかる
スーツに表れる職人の「声」
「聴く」ことによって「声」を学ぶ
「抑制の美」を知る
自分の「声」を自覚する
バロック音楽でもジャズでも
アイデンティティの確立における「声」
「声」は両刃の剣
「声」の危うい側面
人との関係を変える「声」の力

第9章 即興を学ぶ

達人を達人たらしめるスキル
ジャズと外科手術に共通して求められる力
即興と逸脱は熟達の証
心を奪う即興演奏
「即興」に表れる熟達の度合い
四二年の蓄積が生んだ即興
演劇における即興
忠実に演奏するか自由な解釈を加えるか
自由を得るための過程
「確実性のある仕事」と「リスクをともなう仕事」
レジリエンスと即興
戦闘機パイロットの咄嗟の判断
達人が立ち止まる特有の感覚
ガラス彫刻の即興
生死の瀬戸際での即興

PART3 MASTER 達人となり教える

第10章 新たな道を拓く

「糸」の達人たち
異分野の知恵に接すると見えてくる発見
別の道に進んだ熟達者
内視鏡手術の先駆者が抱いた疑問
常識を変えたチームワーク
概念そのものを覆すような改革
医学と刺繍芸術の融合
道を切り開く力の源

第11章 伝える

外科手術を教える
「ハハ」を越える
「伝える」ことの本質
「伝えるべきことは何か」を考える
「閾値を越える」ための後押し
「知っているはず」と思わないこと
「言わないでおく」ことの大切さ
教師が決定的に重要になるとき
「地図」の役割と限界
不完全な地図の先へ
「伝える」のは学ぶ人のため

終章 なぜ「熟達」が大切なのか

意外な解決策
人間の深い欲求を満たす
だれもが熟達できる
即効性を求める現代と熟達の不調和
学校教育が危ない
深い学びを失った現代
「熟達」という希望

あとがき

謝辞

訳者あとがき

参考文献





著者

ロジャー・ニーボン(Roger Kneebone)
ロンドンに本部を置く世界有数の理工系名門大学の一つ、インペリアル・カレッジ・ロンドン教授。外科教育の専門家であり、同大学の「エンゲージメント・アンド・シミュレーション・サイエンス・センター」およびロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックと共同運営する「パフォーマンス・サイエンス・センター」の所長を務める。外科医として南アフリカで外傷患者の手術などを行う病院勤務を経験後、イギリス南西部で総合診療医として地域医療に従事。現在は研究者として、異なる分野の熟練者たちが互いから何を学びうるかを探究している。研究チームには、医師やコンピュータ科学者のほか、音楽家、マジシャン、陶芸家、人形遣い、テーラー、戦闘機パイロットなど、多様なエキスパートが名を連ねる。本書は、一般読者向けとしては初の著作である。


訳者

御立英史(みたち・えいじ)
翻訳者。訳書に、スコット・ハーショヴィッツ『父が息子に語る 壮大かつ圧倒的に面白い哲学の書』、ヨハン・ガルトゥング『日本人のための平和論』(いずれもダイヤモンド社)、ジーン・マーモレオほか『安楽死の医師』(大和書房)、ブライアン・カプランほか『国境を開こう!』(あけび書房)、ロナルド・J・サイダー『イエスは戦争について何を教えたか』(あおぞら書房)などがある。

プリント版書籍は下記のストアでご購入いただけます。
  • Amazon で購入
  • e-hon で購入
  • HMV&BOOKS online で購入
  • 紀伊国屋BookWeb で購入
  • セブンネットショッピング で購入
  • TSUTAYAオンラインショッピング で購入
  • BOOKFAN で購入
  • Honya Club で購入
  • ヨドバシカメラ で購入
  • 楽天ブックス で購入

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるためお取り扱いがない場合がございます。)

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加