経営管理・ファイナンス部門のための FP&Aのすべて
パフォーマンス管理、事業予測と計画策定、戦略的意思決定の全実務

経営管理・ファイナンス部門のための FP&Aのすべて
パフォーマンス管理、事業予測と計画策定、戦略的意思決定の全実務
書籍情報
- ジャック・アレクサンダー 著/新藤 准一 訳/鷲巣 大輔 監訳
- 定価:6930円(本体6300円+税10%)
- 発行年月:2025年11月 [予約受付中]
- 判型/造本:A5並
- 頁数:640
- ISBN:9784478119662
内容紹介
CFO・財務責任者・経営企画担当者がCEOの真の「戦略パートナー」となるためのバイブルがついに邦訳! 「予測・分析モデルの作成」「予算策定」「事業計画」「収益予測」「バリュードライバーの計画作成」「バリュエーションと設備投資の戦略的意思決定」などの実務を網羅した決定版。
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目次
はじめに
この本を書くきっかけ
本書の利用法
Webサイトについて
1章 FP&Aとパフォーマンス管理
従来型の財務評価指標の問題点
FP&Aとパフォーマンス管理の目的
◎意思決定の過程を理解する
本書の内容
◎第1部 基本事項および重要なFP&Aの機能◎第2部 パフォーマンス管理◎第3部 事業予測・計画
◎第4部 重要なバリュードライバーの計画作成・分析◎第5部 バリュエーションと設備投資の意思決定◎まとめ
第1部 基本事項および重要なFP&Aの機能
2章 会計財務の基本
財務会計と財務諸表の基本
◎発生主義会計
財務分析指標とそれが意味すること
◎有用性◎比率の種類◎重要な財務分析指標◎業績測定の財務分析指標◎資産活用の諸指標◎資本構成/流動性の指標◎インタレスト・カバレッジ・レシオ
◎業績の総合指標◎キャッシュフローと資金需要◎財務分析指標の限界と落とし穴◎すべてをまとめてみる
まとめ
3章 重要な分析ツールと考え方
基本となる統計ツール
コスト構造モデル
◎包括的なコスト構造モデルのフレームワーク◎コスト構造モデルのレビュー◎企業内のさまざまなコスト構造モデル
◎営業レバレッジを活用する:コスト構造モデルと変動比率◎損益分岐点売上高の計算方法◎コスト構造モデルのコンセプトの限界
まとめ
4章 予測・分析モデルの作成
財務モデルとは何か
◎財務モデルへの応用◎財務モデル作成のベスト・プラクティス
まとめ
別表(付録):財務モデルの実例
5章 分析能力を向上させる
個人のスキルアップ
◎分析を一から学ぶ
組織としてのスキルアップ
◎経理財務チームのリーダーシップと組織◎FP&Aのための「ゆとり」をつくる◎格納庫を管理する/分析ツールのポートフォリオ
◎非財務部門の上級管理者に会計知識をつけてもらう◎FP&Aの有効性を評価する
まとめ
6章 財務情報のプレゼンテーションとコミュニケーション
基礎を固める
◎会計人のコミュニケーション法から離れてみる◎聞き手を知る◎メッセージ戦略を立てる◎非財務部門のマネージャーへの教育◎最適な手段を選ぶ
効果的なプレゼンテーションと報告書をつくる
◎アジェンダ/論点◎エグゼクティブサマリー:プレビュー◎プレゼンテーションの主要部分◎カギとなる重要事項とそこから示唆されるアクションプラン
◎まとめとアクションプランの提案◎別紙のあつかい
プレゼンテーションで相手に伝える
データの可視化とプレゼンテーション
◎最適なビジュアルツールを使う
まとめ
第2部 パフォーマンス管理
7章 ビジネスのパフォーマンス管理
ビジネスのパフォーマンス管理とは
◎評価◎目標の設定◎実行計画策定◎計画の遂行◎モニタリング◎業績に対する説明責任
企業におけるパフォーマンス管理システムの構築と強化
◎目的を具体的に定義する◎パフォーマンス管理の枠組みに必要な指標◎パフォーマンス管理の骨組み◎価値創造◎非営利組織の枠組み
まとめ
8章 ダッシュボードとKPI
ダッシュボードとKPI(主要業績指標)の目的
◎リアルタイムおよび予測的インサイト◎高い視覚的インパクト◎重要な指標に焦点を当てる◎外部要因と飛行環境に対する洞察を提供する
◎観察、経験、直感と結びつける
適切で重要なKPIを選択する
◎日常生活における例◎適切な指標をつくり上げる
業績モニタリングダッシュボードを開発する
◎企業ダッシュボードとその他のダッシュボードの概要
特定業界のダッシュボード・サンプル
まとめ
9章 パフォーマンス管理の企業内制度化
パフォーマンス管理の制度化プロセス
◎経営陣のサポート◎コミュニケーションと研修◎業績改善ツール◎パフォーマンス情報配信のメカニズム◎パフォーマンス管理の統括
パフォーマンス管理と他の管理プロセスとの統合
◎中期事業戦略策定◎収益予測とアウトルック(ビジネスの将来展望)◎プロジェクト管理◎新製品開発
◎ビジネス、プロジェクト、業務活動の月次と四半期のレビュー◎人材獲得、評価、育成、報酬(人的資産管理)◎管理報告
◎取締役会と投資家とのコミュニケーション◎事業開発◎定期的レビューと改訂
ありふれたミスに気をつけよう
◎経理財務や情報技術のプロジェクトにしない◎あらゆるものを測定しようとしてはいけない◎簡単なKPIや手軽に手に入るKPIだけを測定してはいけない
◎判断や直感にとってかわろうとしない◎頻繁に測定し過ぎない◎ソフトウェアは特効薬ではない
まとめ
10章 重要なKPIを測定し、推進する ── イノベーション、俊敏性、人的資産
イノベーション
◎イノベーションのタイプ◎イノベーションへの努力は大きな変化をもたらすか◎イノベーティブな企業の業績と企業価値創造
◎3極を結ぶ:イノベーション、財務業績、企業価値
ビジネスにおける俊敏性の測定と向上
◎ビジネスにおける俊敏性とは何か◎多才で俊敏性を持つ人材◎俊敏性、ビジネス、経済のサイクル◎俊敏性の評価と測定基準
人的資産管理
◎カギになる人的資産管理プロセスと業務活動◎人的資産管理の指標
人的資産管理ダッシュボード
まとめ
11章 企業の外に目を向ける ── ベンチマークを使ったパフォーマンス評価と競合企業の分析
市場、顧客、競合企業の分析
◎情報源◎顧客と競合企業の情報を四半期ごとに報告する
ベンチマークを使って業績を評価する
◎プロセスまたはビジネス手法のベンチマーク◎総合的な業績評価
ベンチマークを利用してパフォーマンスと企業価値創造の目標を設定する
まとめ
第3部 事業予測・計画
12章 将来見通しと計画 ── 概要および成功事例の紹介
事業計画作成と収益予測の概要
◎予算の歴史◎収益予測の進化◎予算や計画は未達が多い◎収益予測の種類
将来の収益予測のベスト・プラクティス
◎収益予測は経理財務部門の管轄ではない◎実績値の分析と将来の業績推定◎ボトムアップとトップダウンのバランスをとる◎数字を超えて
◎前提条件を把握して検証する◎パフォーマンス管理とのリンク◎収益予測を評価する(注:ほぼすべての予測は正しくない)
◎予測の前提条件、ダウンサイドリスク、アップサイド機会◎感度分析とシナリオ分析◎コスト構造モデルの構築
◎包括的な財務全体像の把握◎価値は計画そのものではなく、計画を立てる過程にある
まとめ
13章 予算策定、事業計画、収益予測
予算策定プロセス
◎従来の予算策定プロセス◎従来の予算策定の問題点
事業計画
◎現状の評価◎戦略目標と取組方法のレビュー◎パフォーマンス目標の設定◎基本戦略の青写真づくり◎初期収益予測の作成
◎重要な前提条件と主要な行動の把握◎アップサイド機会とダウンサイドリスクを把握して多様なシナリオを作成する◎計画目標を周知徹底する
◎重要な前提条件のモニタリングと進捗管理◎年度計画プロセスの評価
収益予測とビジネス・アウトルック(業績見通し)
◎予測作業の歴史◎定期更新型ビジネス・アウトルック/オンデマンド(随時更新型)・ビジネス・アウトルック
◎ローリング・フォーキャスト/ビジネス・アウトルックの導入◎実行するための実践的アプローチ
◎オンデマンド・ビジネス・アウトルックの開発目的を明確にする◎現行の事業計画、予算、収益予測をドキュメント化してレビューする
◎重要なビジネス・ドライバーの把握◎プロセスとモデルの構造を設計する◎実践的実行手順◎総合的財務状況
◎収益予測とビジネス・アウトルックを要約して提示する◎予測の頻度とタイミング◎収益予測の分析と評価
まとめ
14章 長期予測
長期予測における特有の課題
◎長期予測の予測期間◎より大きな不確実性◎戦略的代替案とシナリオをモデル化するために必要な能力◎業績の総合的視点
長期予測の応用
◎戦略計画◎新製品開発および新規事業の立ち上げ◎合併と買収◎その他の設備投資の意思決定
長期予測の作成
◎現状の評価◎過去の結果を取り入れてレビューする◎戦略的な課題の把握◎重要な前提条件とビジネス・ドライバーを把握してモデル化する
◎戦略的代替手段とシナリオの評価◎主要なビジネス・ドライバーの予測
長期予測のプレゼンテーション
◎環境変化が激しい業界向けの戦略モデル
まとめ
第4部 重要なバリュードライバーの計画作成・分析
15章 売上と売上総利益
売上の成長と主要なドライバー
◎市場◎競争力◎新しい市場への参入:他のセグメントへの拡大や移行の機会◎将来の売上水準の予測と検証◎売上予測プロセスの改善◎製品別売上計画の作成◎特別な課題
主要なパフォーマンス予測
◎売上の成長:時系列と対前年比◎顧客/競合企業の成長指数◎新製品の売上比率◎顧客維持、解約率、顧客喪失◎失注管理
◎新規顧客の売上◎顧客満足度◎延滞注文◎納期遵守率◎品質◎開発中の製品による売上予測◎一取引当たり売上高
◎顧客一人当たり売上高◎見積り状況◎受注残高◎顧客の声(具体的なフィードバック)
売上のダッシュボード
売上総利益と相対的な高価格設定能力
◎売上原価
高価格設定能力
◎平均販売価格◎製品の定価に対する割引率◎失注◎競合製品の分析◎市場シェア◎売上総利益と高価格設定能力のダッシュボード
まとめ
16章 営業費用と業務効率
業務効率のドライバー
KPI:業務効率
◎業務効率の総合指標◎コスト構造モデルの検証◎工場など資産の稼働率◎予測精度◎新製品開発プロセス
◎サプライチェーン・マネジメントと製造◎品質◎従業員と人的資産管理◎機能的な視点◎その他の指標
業務効率を評価・改善するためのツール
◎費用性質別コード◎ビジネス・プロセス評価◎業務効率性のダッシュボード
まとめ
17章 事業資産管理とキャッシュフロー ── 運転資本
成功に導くカギ
◎経営陣の適切な関与◎パフォーマンスの可視化◎プロセス効率◎重要性の認識向上◎管理責任者の説明責任
運転資本の管理
運転資本の仕組みを理解する
運転資本の効率的な管理
売掛債権
◎最適な売掛債権回転日数◎製品品質や顧客対応の精度◎収入プロセスの効率性
収入プロセスと売掛債権のKPI
◎収入プロセスと売掛債権ダッシュボード◎収入プロセスと売掛債権を評価・改善するツール
在庫(棚卸資産)
◎在庫水準のドライバー◎サプライチェーン・マネジメントと在庫のKPI◎サプライチェーン・マネジメントと在庫のダッシュボード
◎在庫と関連プロセスを理解して評価するツール◎可視化の改善:有用な分析レポート
まとめ
18章 事業資産管理とキャッシュフロー ── 固定資産
固定資産の必要水準
◎業種の特性◎設備投資のプロセス効率◎垂直統合◎減価償却方針
固定資産管理のレベルを高める手法
◎効果的なレビューと承認プロセス◎プロジェクト実施後のレビュー◎資産の棚卸と利用状況のレビュー◎重要な経営判断において資本要件を必ず考慮する
設備投資と減価償却の予測
固定資産の適正水準に関するKPI
無形資産
のれんと無形資産に関するKPI
◎無形資産回転率◎のれんの減損損失◎買収の成果:シナジーと戦略目標
余剰現金
固定資産のダッシュボード
まとめ
19章 リスクと不確実性および資本コスト
貨幣の時間的価値
◎複利計算◎単純な複利計算◎割引◎将来の支払いの割引◎将来キャッシュフローの割引◎永久年金の価値◎成長する永久年金の現在価値◎不均等なキャッシュフローの現在価値
資本コスト
◎はじめに◎資本コストのドライバー◎資本コストの見積り◎WACCの計算◎経営者が資本コストを削減させる主要な方法
資本コストに関わる指標
◎資本構成:総資産に対する有利子負債◎株式のボラティリティ/β◎営業レバレッジ◎収益予測と実績◎資本コストのダッシュボード
まとめ
第5部 バリュエーションと設備投資の意思決定
20章 設備投資の意思決定 ── 概要と主要なコンセプト
設備投資の意思決定プロセス
◎経営陣による設備投資プロジェクトのレビュー
設備投資の経済的メリットを評価する
◎ステップ1:プロジェクトに関連するキャッシュフローを見積もる◎ステップ2:プロジェクトの予想業績を投資決定基準と照らし合わせて評価する
◎ステップ3:意思決定基準に基づいて、プロジェクトの採否を決定する
実践的な具体例
◎設備投資プロジェクトのモニタリング
まとめ
21章 設備投資の意思決定 ── 応用編
設備投資の意思決定に内在するリスクと不確実性に対応する
◎適切な割引率を使用する◎収益予測の分析、評価、柔軟性向上◎実践的具体例:先延ばし症候群治療薬の意思決定ツリー◎リアルオプションとオプション価値
設備投資の意思決定に向けてのプレゼンテーション
設備投資予算と配分
設備投資の意思決定プロセスの有効性を評価する
まとめ
22章 事業のバリュエーションとバリュードライバー
将来のキャッシュフローを割り引き事業価値を見積もる方法
◎ステップ1:実績の財務諸表数値を確認して業績傾向を把握する◎ステップ2:今後の業績を見積り、将来キャッシュフローを予測する
◎ステップ3:継続価値あるいは計画期間終了時の残存価値を見積もる◎ステップ4:キャッシュフローを割り引く
◎ステップ5:企業価値と株式価値を見積もる◎ステップ6:バリュエーションの結果を確認する
類似会社比較法による企業価値評価
:売上、利益、関連指標を用いたマルチプル法
◎事業価値売上高比率(PSR:Price-to-Sales Ratio)◎株価収益率(PER:Price-Earnings Ratio)◎事業価値/EBIT(EBIT:Earnings Before Interest and Taxes)
◎事業価値/EBITDA(EBITDA:Earnings Before Interest, Taxes,Depreciation and Amortization)◎株価収益成長率(PEG比率:Price-Earnings Growth比率)
マルチプル法を用いた株主価値の算定
◎マルチプル法に影響を及ぼす要因◎買収価値設定におけるマルチプル法の使用◎基準を調整・正常化する◎マルチプル法の問題点
ロバーツ・マニュファクチュアリング社の企業価値評価まとめ
◎総合評価まとめ
バリュードライバー
◎高い効果が期待できる改善機会の把握と、最大潜在価値の見積り
まとめ
23章 企業の合併・買収の分析
M&Aの課題
買収の評価における主要な要素
◎単独企業としての価値◎シナジー効果◎曖昧なシナジーに注意する◎潜在的な買収価値
買収を評価する手法と指標
◎会計的手法と業績比較による評価法◎類似会社比較による評価法:売上高、利益、キャッシュフローの倍数(マルチプル法)
◎経済指標とテスト◎評価方法の比較(まとめ)◎不採算の買収の報いを受ける日
M&Aにおいてよくみられる過ち
◎戦略的根拠と適合性の欠如◎計画、コミュニケーション、統合後の戦略、実行力のすべてが未熟
◎人間関係や組織文化といった「ソフト問題」の誤った見立てと対応の失敗
ベスト・プラクティスと重要な成功要因
◎経済性を備えた堅実な戦略◎価値算定における規律◎具体的なシナジーを把握する◎強力な買収プロセス◎取引終了前に主要な課題を把握して対応する
◎主要な人材とのコミュニケーション、維持、動機付け
「売り手企業」のベスト・プラクティスを理解する
◎「業績をドレスアップ」する◎現在の計画を達成する◎オークションプロセスを通じて販売するか、最も有望な相乗効果が高い企業に販売する◎好調な市場環境下で売る
M&Aの主要KPI
◎M&Aプロセスの効果◎個別の企業買収
M&Aのダッシュボード
まとめ
第6部 まとめ
24章 まとめ、これからどうするか
重要なポイント
これからどうするか
用語集
謝辞
索引
著者
ジャック・アレクサンダー(Jack Alexander)
コンサルタント、作家、講演者、起業家、公認会計士。ライダー大学でMBAを、ペンシルベニア州立インディアナ大学で学士号を取得。ジャック・アレクサンダー&アソシエイツの創設者として、財務および経営に関する幅広い分野で企業にアドバイスを行う。FP&Aに関するトレーニングやワークショップも提供している。
監訳者
鷲巣大輔(わしず・だいすけ)
FP&Aエヴァンジェリスト。大学院教員、FP&A研究者、コンサルタント。P&G Far East Inc.(現P&Gジャパン)からキャリアを始め、以後一貫してFP&Aに携わる。スタートアップ企業CFO、Molson Coors International APAC地区CFO、投資ファンドのスポンサー企業の経営企画・FP&A責任者等を歴任。企業マネジメントに携わる一方で、グロービス経営大学院にてファイナンス領域の講師を務める。多くの人・企業に「大胆なリスクテイクを可能にする武器」としてのFP&Aを広める活動を行っている。
訳者
新藤准一(しんどう・じゅんいち)
日本興業銀行、みずほフィナンシャルグループ、みずほ企業年金基金で、企業審査・貸付、融資・預金システム開発、預金・債券・財形、人事労務、企業年金基金の制度設計、資産運用などに携わる。現在は株式会社カクタス インベスト取締役副社長として企業の財務研修などを行う。共訳書として『国際ビジネスファイナンス(第12版)』(麗澤大学出版会)がある。
