幸せの人類史
なぜ「幸福」は人類を「不幸」にしたのか

幸せの人類史
なぜ「幸福」は人類を「不幸」にしたのか
書籍情報
- 前野 隆司 著
- 定価:2090円(本体1900円+税10%)
- 発行年月:2026年10月 [予約受付中]
- 判型/造本:46並
- 頁数:288
- ISBN:9784478119471
内容紹介
人類は誕生以来30万年かけて、幸福を発明し、研究し、追求してきました。でもその結果、私たちは幸せになったのでしょうか。山積する社会課題や、「満たされない」気持ちを超えていくために、著者が示す新たな「幸せ」の選択肢、「心の拡大」とは? 哲学・心理学・宗教を横断して描かれる人類の幸福史と、未来への処方箋
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目次
プロローグ あなたはどこから来たのか?
●「幸せ」を科学的に扱えるようになった結果、人類は幸せになったのか?
● ほとんどの生命は「幸せ」とは無縁だった
● 人類は幸福のトレッドミルを生きている
第1章 「幸せ」がなかったころ ── 人類誕生前の生命たち
●「幸せ」の概念はいつから存在していたのか
● 地球の歴史を歩いてみる
● 生命誌絵巻
● なぜ、チョウは悩まないのに、人間は悩むのか?
●「幸せ」が存在するのは、生命史の100万分の1
● 幸福と不幸は同時に立ち上がった
第2章 「幸せ」が「運」だったころ ── 狩猟採集の時代
●「幸せになりたい」という気持ちは私たちの意志なのか?
● 人類は進歩しているのか、循環しているのか
● 人類の心のあり方を変えた五つの転換点
● 人類は水と同じか? ── 人類と水の相変化
● 現代人と初期の人類は、どちらが進歩しているか
●「幸せ」が「運」だったころ
● 世界に対して受動的だった人類
● 人間の心は「幸せにも不幸せにもなれる装置」なのか?
第3章 「幸せ」の発明 ── 宗教、哲学の誕生
●「幸せの感情」と「幸せの概念」は別のもの
● 農耕革命という転機
●「良き人生」について考え始める
● 人類2.1のころ、人類は「幸せ」を発明した
● ヘドニアとユーダイモニア
● キリスト教における「幸せ観」
● 仏教における「幸せ観」
●「幸せ」という概念がもたらした新たな緊張
第4章 「幸せ」をコントロールする時代 ── 啓蒙時代から経済成長へ
●「幸せ」は計画、設計、管理できるものへ
●「私」という概念がなかったころ
● 自由意志がなかったころ
● 啓蒙時代 ── 自分の人生を、自分自身が引き受ける
● 世界的に追求されるようになった「幸福指標」
●「幸せ」を輸入した日本
● 憲法における幸福観
● ウェルビーイングの始まり
●「幸せを追求する文明」は私たちを満たすのか
第5章 「幸せ」を科学する時代 ── 学問としての「幸福学」の発展
● 科学の対象となった「幸せ」
● 主観的幸福研究
● ヘドニア・ユーダイモニア論争再び
● アマルティア・センと、Well-beingフレームワーク
●「日本人の幸福度が低い」は本当か?
●「視野の広さ」が「幸せ」を生み出す?
● 喜びや安らぎは、人の思考や行動を拡張する
● 視野の広さは、なぜ幸福の好循環を生むのか?
● 幸福な人が実感する「人生の意味」とは?
● なぜ利他的な人ほど幸せなのか?
● 子どもと大人は、どちらが利他的?
●「もっと幸せに」の先には何があるのか?
第6章 「幸せ」の暴走 ── 人類の現在地
● なぜ私たちは、こんなに満たされないのだろう?
● 私たちはなぜ、視野が狭く利己的になっていくのか
● 近視眼性・認知的な狭窄・共感ギャップ
● 視野狭窄は、地球レベルにまで影響を及ぼす
● 幸福学の功罪
● 現在は100年前と似ている
● 人類は賢いのか、愚かなのか
● 物質主義(マテリアリズム)は幸せか?
● 現代社会生活依存症社会
● 資本主義の制度疲労が起きている
● 資本主義から、ウェルビーイング資本主義へ
● 人類はサバクトビバッタか!?
● 日本人にとっての「みんな」の特異性
● 人類は何を転換すればいいのか
第7章 転換点 ──「心の拡張」とは?
● 人類は「幸せ」をどのように捉え直せるのか?
● 幸福の二つの方向
● 地球のウェルビーイング
● IKIGAI(生きがい)とは何か
● 創造性とウェルビーイング
●「いい人」を目指せ
● 心の拡張(WIDENING)
● 世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
● 手をとりあって
● 万法に証せられるとは?
● ウェルビーイングの反意語は?
● 五体投地
● ブータン人は困ったとき、50人頼れる人がいる
● 幸せは結果として立ち現れるもの
第8章 未来 ── 三つのシナリオ
● 三つのシナリオ
● AIと人間の共通点
● AIの未来はアトム、ドラえもん、アンパンマン、ウルトラマンか!?
● 人間がチンパンジーになる日
● AIによって激変する未来
● ウェルビーイングを極める「達人」たち
● 自分にしかできない生き方を深める「達人」であれ
● 自然に帰ろう
● ウェルビーイング革命の時代
● 早く行きたかったら一人で。遠くへ行きたかったら?
● 現代におけるユートピアとは?
● 人類の未来を分ける三つのシナリオ
● ① 最適化の暴走 ── 幸せのアルゴリズム化
● ② 原初への回帰 ── 幸せを手放すという選択
● ③ 心の拡張(WIDENING)── 幸せの拡張と成熟
● 幸せを超えて生きる
エピローグ あなたはどこへ行くのか?
●「幸せ」を問い直すということ
謝辞 あなたが幸せでありますように
参考文献
著者
前野隆司(まえの・たかし)
1962年山口県生まれ。東京工業大学卒、同大学院修士課程修了。キヤノン株式会社勤務、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2024年より武蔵野大学ウェルビーイング学部長、2025年より慶應義塾大学名誉教授。もともとはロボット工学・脳科学を専門としていたが、科学技術の発展が本当に人々の幸せにつながっているのかという問いから、2008年ごろより幸福学の研究を開始。心理学・脳科学の知見を実践可能な形に体系化し、学術・企業・行政・教育など幅広い領域で研究成果を発信し続けている。現在の研究領域は、ヒューマンロボットインタラクション、認知心理学・脳科学、心の哲学・倫理学から、地域活性化、イノベーション教育学、創造学、幸福学まで。著書に、『脳はなぜ「心」を作ったのか 「私」の謎を解く受動意識仮説』(ちくま文庫)、『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『ウェルビーイング』(日経文庫)など多数。
