三菱ケミカルグループ(4188)は、2023年3月期の業績予想を修正し、前回予想比で「増収・増益」とする予想を、2023年2月16日の16時に発表した。この業績予想通りの着地となれば、前期比では「増収・減益」となる見通し。

三菱ケミカルグループは、化学を基盤に、機能素材・材料・ヘルスケアの分野で事業を展開している持株会社。三菱ケミカルグループは、化学を基盤に、機能素材・材料・ヘルスケアの分野で事業を展開している持株会社。
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 三菱ケミカルグループは2023年3月期の業績予想を、
売上収益:4兆6400億円
営業利益:2000億円
当期利益:1550億円
親会社の所有者に帰属する当期利益:1180億円
とすると発表した。

 前回予想比では、
売上収益:+1260億円(+2.8%)
営業利益:+1290億円(+181.7%)
当期利益:+900億円(+138.5%)
親会社の所有者に帰属する当期利益:+900億円(+321.4%)
となり、前回予想比で「増収・増益」の見通しとなった。

 三菱ケミカルグループによると、連結子会社である田辺三菱製薬株式会社(以下「田辺三菱製薬」)に対してNovartis Pharma AG(以下「Novartis社」)が申し立てていた「Novartis社の製品(「ジレニア」)に関するロイヤリティ支払いについての仲裁手続き」中に売上収益として認識していなかったロイヤリティについて、2023年3月期第4四半期で一括して売上収益として認識することになったとのこと。

 これは、Novartis社が「ライセンス契約のロイヤリティ支払い義務を定める規定の一部は無効であるためロイヤリティ支払い義務がない」ことを主張していたものの、仲裁廷より当該規定は全部有効であるとの判断が2023年2月13日になされたためである。また、「当該仲裁手続に対して田辺三菱製薬で要した費用の一部についてもNovartis社が負担することとなり、2023年3月期において売上収益約1260億円、その他営業収益約30億円を計上する見込み」となったことから、今回の「業績予想の上方修正」が決まった形だ。

 なお、前期比では、
売上収益:+6630億円(+16.6%)
営業利益:-1031億円(-34.0%)
当期利益:-1353億円(-46.6%)
親会社の所有者に帰属する当期利益:-591億円(-33.3%)
となり、前期比では「増収・減益」となる見通しだ。

 ちなみに、「業績予想の上方修正」が発表されたことを受けて、三菱ケミカルグループの株価はSBI証券の夜間取引(PTS取引)で一時、発表当日(2023年2月16日)の終値776.9円より94.1円も高い871円(+12.11%)を記録しており、明日以降の株式市場でも注目を集めることになりそうだ。
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三菱ケミカルグループの過去5期の業績の推移は?

■三菱ケミカルグループ(4188)の過去5期の業績の推移
売上収益 営業利益 当期利益 親会社の所有者に
帰属する当期利益
2019/3 3兆8403億円 2947億円 2848億円 1695億円
2020/3 3兆5805億円 1442億円 1220億円 540億円
2021/3 3兆2575億円 475億円 329億円 -75億円
2022/3 3兆9769億円 3031億円 2903億円 1771億円
2023/3
(予想)
4兆6400億円 2000億円 1550億円 1180億円

 三菱ケミカルグループは、2022年3月期に「増収」となっているため、2023年3月期が業績予想通りの着地となれば、2期連続の「増収」となる見通しだ

 また、三菱ケミカルグループの業績の伸び具合も確認しておきたい。連続「増収」が始まる直前の2021年3月期から2023年3月期までの2年間で、三菱ケミカルグループの売上収益は1.4倍、営業利益は4.2倍に増加している。

 参考として、三菱ケミカルグループの株価も確認しておこう。三菱ケミカルグループの株価は、約1年前にあたる2022年2月の終値817.4円から、発表当日(2023年2月16日)の終値776.9円まで、4.9%下落した水準で推移している。

■三菱ケミカルグループ(4188)の株価チャート/月足・5年

三菱ケミカルグループの配当利回りは?

 三菱ケミカルグループの2023年2月16日時点の株価(終値)は776.9円なので、配当利回り(予想)は以下のようになる。

【※三菱ケミカルグループの配当利回り】
株価:776.9円
年間配当額:中間15円+期末15円=30円
配当利回り:30円÷776.9円×100=3.86%

 三菱ケミカルグループの配当利回りは3.86%。2023年1月の東証プライムの平均利回りは2.27%(配当実施企業のみ)なので、三菱ケミカルグループの配当利回りは「高め」と言える。なお、三菱ケミカルグループは株主優待を実施していない。

三菱ケミカルグループは、化学を基盤に、機能素材・材料・ヘルスケアの分野で事業を展開している持株会社。「三菱ケミカル株式会社」「田辺三菱製薬株式会社」などを傘下に持つ。2023年3月期(通期)の連結業績予想は、売上収益16.6%増、営業利益34.0%減、当期利益46.6%減、親会社の所有者に帰属する当期利益33.3%減となっている(すべて前期比)。
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■三菱ケミカルグループ
業種 コード 市場 年間配当額(予想)
化学 4188 東証プライム 30円
株価(終値)     最低投資金額     最低投資金額     配当利回り(予想)
776.9円 100株 7万7690円   3.86%
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