過去20年の「4月」の為替市場の値動きを徹底的に検証!
2024年4月のFXトレードで使える「アノマリー」を探せ!

 為替市場には、さまざまな「アノマリー」が存在します。「アノマリー」とは、理由や要因が明確にあるわけではないが、なぜかそうなりやすい現象のことです。たとえば、バケーションシーズンで海外旅行に行く人が増えることによる外貨への両替需要、グローバル企業の決算時期や輸出・輸入企業などの実需の動きなどが影響して、例年、決まった時期に特定の通貨が買われやすい傾向などがあると考えられています。

 特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間の午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。

 この連載では、為替市場の過去の値動きデータを月ごとに検証して、上記のような「アノマリー」を探しています。今回は過去の「4月」のデータを集計して、2024年4月のFXトレードで活用できる「アノマリー」を探してみました。

4月は英ポンド/円と英ポンド/米ドルで、20回中16回の「英ポンド高」に
注目! 日本の新年度入りに伴う米ドル/円の上昇アノマリーは確認できず!

 日本の新年度入りとなる4月は、英ポンドの上昇アノマリーに注目です。

 下の表は主要通貨ペアの過去20年間の月足を調べた中から、日本のFXトレーダーの取引量が多い米ドル/円と、英ポンドが絡んだ主要通貨ペアの、「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

米ドル/円と英ポンドが絡んだ主要通貨ペアの月足アノマリー情報

 これを見ると、4月は英ポンド/円と英ポンド/米ドルで陽線の出現回数が20回中16回と多く、80%の確率で「英ポンド高」になりやすいアノマリーがあります。
【※関連記事はこちら!】
FX口座「英ポンド/円」のスプレッドを比較して、取引コストが安いおすすめのFX口座をランキングで紹介! 「英ポンド/円スプレッド」ランキング

 さらに、英ポンド/スイスフランは陽線の出現回数が20回中14回、英ポンドが決済通貨(分母側)のユーロ/英ポンドは陰線の出現回数が20回中14回となっていることから、4月は英ポンドの上昇アノマリーに注目しておきましょう。

 この「4月の英ポンド高」については、キリスト教の祭事であるイースター(復活祭、今年は4月1日がイースター翌日の休暇となるイースターマンデー)、英国伝統の競馬の障害競争グランドナショナル(今年は4月11~13日)、キリスト教の守護聖人・聖ジョージを祀る記念日のセント・ジョージ・デイ(4月21日)、世界有数のマラソン大会ロンドンマラソン(4月21日)など、4月の英国はイベントが目白押しで、その結果、「英国の経済が活性化して、英国の通貨・英ポンドや英国の株価が買われやすくなるから」とも考えられています。

 一方、4月は一部のトレーダーや市場参加者の中で、「新年度入りに伴う外貨投資の増加で円安になりやすく、特に米ドルへの資金の流入比率が高いことから、米ドル/円で円安になりやすいアノマリーがある」と話題になることがあります。
【※関連記事はこちら!】
FX口座「米ドル/円」のスプレッドを比較して、取引コストが安いおすすめのFX口座をランキングで紹介! 「米ドル/円スプレッド」ランキング

 しかし、過去20年間の月足を見る限り、米ドル/円は陽線の出現回数が10回、陰線の出現回数が10回と完全に拮抗しており、「4月に米ドル/円が円安になりやすい」という傾向はありませんでした。これは、以前はそのようなアノマリーがあったために市場参加者の間で話題になったものの、近年では確認できないアノマリーになった、という可能性もありそうです。
【※関連記事はこちら!】
FX口座「米ドル/円」のスワップポイントを比較して、FX初心者にもおすすめのFX口座をランキングで紹介! 「米ドル/円スワップポイント」ランキング

週足では2週目に「米ドル安」と「豪ドル高」のアノマリーを発見!
特に9日と10日の豪ドル/米ドルは、過去20年間100%の確率で上昇!

 次に週足の統計データを見ると、4月は2週目に「米ドル安」と「豪ドル高」のアノマリーが確認できます。

 下の表は、過去20年間の主要通貨ペアの週足を調べ、それぞれの日が含まれる週足の「陽線の出現確率」を日別に集計した週足統計データの中から、米ドルと豪ドルが絡んだ主な通貨ペアの、4月2週目を抽出したものです。「週間平均」は今年(2024年)のカレンダーをもとに、週足に含まれる各日の陽線の出現確率から算出した平均値で、確率が高ければ陽線になりやすく、確率が低ければ陰線になりやすかったということがわかります。

注目通貨ペアの週足アノマリー情報

 これを見ると、4月の2週目(今年は4月8~12日が営業日)はユーロ/米ドル、英ポンド/米ドル、ニュージーランドドル/米ドルで週間平均が66~74%と高く、さらに豪ドル/米ドルは週間平均が87%と、かなり高いことがわかります。

 特に、豪ドル/米ドルは9日と10日の陽線の出現確率が100%で、過去20年間すべて上昇していたという、強い「豪ドル高」のアノマリーが確認できます。

 また、豪ドル/円、ユーロ/豪ドル、英ポンド/豪ドルの豪ドルが絡んだ主要な通貨ペアでも「豪ドル高」の傾向があり、豪ドルが決済通貨(分母側)の英ポンド/豪ドルは、9日の陽線の出現確率が0%と、強い「豪ドル高」があることがわかります。
【※関連記事はこちら!】
FX口座「豪ドル/円」のスワップポイントを比較して、FX初心者にもおすすめのFX口座をランキングで紹介! 「豪ドル/円スワップポイント」ランキング

 このことから、週足では2週目の「米ドル安」と「豪ドル高」に注目です。

日足では8日と12日の「米ドル安」、2日の「英ポンド高」に注目!
さらに29日の英ポンド/米ドルは、95%の確率で「英ポンド高」に!

 次は、日足の統計データの中から、4月に注目しておきたいアノマリーを紹介しましょう。

 下の表は、過去20年間における主要な通貨ペアの4月の日足を数え、その中から米ドルが絡んだ通貨ペアの日別の「陽線」の出現確率をまとめたものです。確率が高ければ陽線になりやすく、確率が低ければ陰線になりやすかったということがわかります。なお、出現確率は直近10年間の動向に比重を置いた加重平均です。

米ドルが絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見と、8日に豪ドル/米ドルとニュージーランドドル/米ドルで陽線の出現確率が80%台と高く、米ドル/カナダドルで29%と低くなっています。そして、12日は英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドル、ニュージーランドドル/米ドルで、陽線の出現確率が70%台となっています。

 このことから、4月は8日と12日に「米ドル安」のアノマリーがあることがわかります。さらに、29日に関しては、英ポンド/米ドルの陽線の出現確率が95%と非常に高いため、あわせて注目しておきましょう。

 また、同じように英ポンドが絡んだ通貨ペアの日別の「陽線」の出現確率をまとめたものが以下の表になります。

英ポンドが絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、英ポンドが絡んだ主要通貨ペアでは、2日に英ポンド/円で76%、英ポンド/スイスフランで84%と陽線の出現確率が高く、英ポンドが決済通貨(分母側)のユーロ/英ポンドは16%と低いことから、4月は2日に「英ポンド高」のアノマリーがあります。

 そのほかにも11日や24日を筆頭に、「英ポンド高」の傾向が確認できる日があり、このことが冒頭で紹介した、月足での「4月の英ポンド高」アノマリーに影響していると言えそうです。

4月は米国や欧州の主要国で株高になりやすい! 特に、NYダウは
過去20回中17回と、85%の確率で上昇しやすいので注目!

 最後に、為替の動向にも影響を与える株式市場の4月のアノマリーも紹介します。

 下の表は主要株価指数の過去20年間の月足を調べた中から、4月に注目したい株価指数の、「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

主要株価指数の月足アノマリー情報

 これを見ると、4月は米国のNYダウが20回中17回、S&P500が20回中16回と、いずれも陽線の出現回数が多くなっています。これは、NYダウは85%、S&P500は80%の確率で陽線が出現していることになり、4月は米国の株価指数に強い「株高」のアノマリーが確認できます。

 4月は、米国での大きなイベントのイースター(復活祭、今年は3月31日)があるなどで米国経済が活発化しやすいことや、新年度入りする日本から投資資金が流入しやすいことなどが影響して、株高になりやすいと考えることもできそうです。

 そのほかにも英国のFTSE100が20回中16回、ドイツのDAXが20回中15回など、欧州の主要国の株価指数でも陽線の出現回数が多いので、4月は米国だけでなく、欧州でも「株高」のアノマリーがあり注目です。
【※関連記事はこちら!】
「米国株」が買えるおすすめの証券会社(9社)を比較! 取扱銘柄の多さや、売買手数料&為替手数料の安さを調査して、有利に米国株投資ができる証券会社を紹介

 今回紹介したデータが、4月のFXトレードの参考になれば幸いです。次回は5月のアノマリーを紹介しますので、お楽しみに!