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過去20年の「6月」の為替市場の値動きを徹底的に検証!
2026年6月のFXトレードで使える「アノマリー」を探せ!

 為替市場には、さまざまな「アノマリー」が存在します。「アノマリー」とは、理由や要因が明確にあるわけではないが、なぜかそうなりやすい現象のことです。たとえば、バケーションシーズンで海外旅行に行く人が増えることによる外貨への両替需要、グローバル企業の決算時期や輸出・輸入企業などの実需の動きなどが影響して、例年、決まった時期に特定の通貨が買われやすい傾向などがあると考えられています。

 特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。

 この連載では、為替市場の過去の値動きデータを月ごとに検証して、上記のような「アノマリー」を探しています。今回は過去の「6月」のデータを集計して、2026年6月のFXトレードで活用できる「アノマリー」を探してみました。
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6月は全体的に「円安」になりやすい傾向を確認!
日本円と米ドルに対する強い「スイスフラン高」にも注目!

 はじめに、月足の統計データで6月のアノマリーを確認していきましょう。

 下の表は過去20年間の月足を調べた中から、日本円が絡んだ通貨ペアの中で、6月に注目したい通貨ペアの「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

日本円が絡んだ注目通貨ペアの月足アノマリー情報

 これを見ると、6月は英ポンド/円とスイスフラン/円で15回、ユーロ/円で14回と、陽線の出現回数が陰線の出現回数を大きく上回る「円安」のアノマリーが確認できます。
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 さらにアノマリーではないものの、米ドル/円と豪ドル/円で13回、カナダドル/円で12回、ニュージーランドドル/円で11回と陽線の出現回数のほうが多いことから、6月は全体的に円安になりやすい傾向と言えそうです。
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 これは、多くの企業で6月に夏のボーナス(賞与)が支給され、株式などの金融商品への投資が増えることも、影響を与えていると考えることもできそうです。

 また、6月は米ドルにも注目です。下の表は先ほどと同じように、過去20年間の月足を調べた中から、米ドルが絡んだ通貨ペアの中で、6月に注目したい通貨ペアの「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

米ドルが絡んだ注目通貨ペアの月足アノマリー情報

 これを見ると、米ドルが基軸通貨(分子側)の米ドル/スイスフランは陰線の出現回数が20回中16回と多く、反対に米ドルが決済通貨(分母側)の豪ドル/米ドルは陽線の出現回数が20回中14回と多くなっていて、いずれのペアにも「米ドル安」のアノマリーがあります。

 特に、米ドル/スイスフランの「米ドル安・スイスフラン高」傾向は明確で、先に紹介したとおりスイスフラン/円にも「スイスフラン高・円安」のアノマリーがあることから、6月はスイスフランが買われやすい時期と判断できます。

 このスイスフラン高については、春から初夏にかけてスイスの観光シーズンが本格化し、アルプス観光やハイキングを目的とした国外からの観光客が増えることで、スイスフランへの需要が高まりやすいことも理由の1つと考えられます。

週足では今年は第4週にあたる、22~26日の「円安」に警戒!
時期的には、企業のボーナス支払時期とほぼ一致する傾向に

 次は週足の統計データの中から、6月に注目したいアノマリーを紹介します。

 下の表は、過去20年間における日本円とスイスフランが絡んだ主要な通貨ペアの6月の週足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものの中から、今年の6月第4週の平日にあたる22~26日のデータを抜粋したものです。確率が高ければ陽線になりやすく、確率が低ければ陰線になりやすい傾向があると考えられます。なお、週間平均はその週の月曜~金曜日までの平均値で、出現確率は直近10年間の動向に比重を置いた加重平均です。

注目通貨ペアの6月第4週の週足アノマリー情報

 これを見ると、6月の22~26日にかけての陽線の出現確率は週間平均で、スイスフラン/円が76%、ユーロ/円が73%、英ポンド/円とニュージーランドドル/円が70%、米ドル/円が65%などと高く、第4週は「円安」になりやすいと言えます。これは、月足のところで紹介した一般的な日本企業のボーナスの支給時期と重なる点でも、興味深い傾向です。
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 さらに、英ポンド/スイスフランで23%、ユーロ/スイスフランで30%と陽線の出現確率が低く、6月の第4週には「スイスフラン高」アノマリーも確認できるので、あわせて注目しておきましょう。

日足で見ると、6月の円安は「下旬に集中する円安アノマリー」が影響!?
さらに、「10日のユーロ安と15日の英ポンド高アノマリー」にも注目!

 次は日足の統計データの中から、6月に注目したいアノマリーを紹介します。

 下の表は、過去20年間における日本円が絡んだ主要な通貨ペアの6月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものです。確率が高ければ陽線になりやすく、確率が低ければ陰線になりやすい傾向があると考えられます。なお、出現確率は直近10年間の動向に比重を置いた加重平均です。

日本円が絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、6月は21日から30日の下旬に円安アノマリーの確認できる日が集中していて、週足での第4週の円安を裏付けるデータにもなっています。今年は英ポンド/円の100%を含む21日と、28日が日曜日のため取引できませんが、月足と週足のデータも踏まえれば、6月の全体的な円安が下旬に発生しやすいのは明白なので、6月は「21日以降の円安」に注目しておきましょう。

 また、ユーロと英ポンドが絡んだ通貨ペアの中にも興味深いデータがあるので、ご紹介します。

 下の表は、先ほどと同じように過去20年間におけるユーロと英ポンドが絡んだ主要な通貨ペアの6月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものの中から、ユーロは7~13日、英ポンドは14~20日の期間を抜粋したものです。

ユーロが絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

英ポンドが絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、まずユーロでは、10日に陽線の出現確率がユーロ/豪ドルとユーロ/ニュージーランドドルで19%、ユーロ/円とユーロ/カナダドルで24%などと低く、全体的に「ユーロ安」の傾向が見受けられます。
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 そして英ポンドでは、15日に陽線の出現確率が英ポンド/カナダドルの95%を筆頭に、英ポンド/ニュージーランドドルで90%、英ポンド/円と英ポンド/米ドルで81%とかなり高く、強い「英ポンド高」が確認できます。

 このことから、6月は「10日のユーロ安と15日の英ポンド高」にも警戒しておきましょう。

6月の株価指数は欧州の下落傾向に警戒。
7月の株高を見越した、銘柄選別や投資タイミングを検討する好機か

 最後に、為替の動向にも影響を与える株式市場の6月のアノマリーを紹介します。

 下の表は主要な株価指数の過去20年間の月足を調べた中から、6月に注目したい銘柄の「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

注目株価指数の月足アノマリー情報

 これを見ると、6月は日本の日経平均とTOPIX、米国のNYダウとナスダック総合指数には目立った傾向が確認できません。しかし、ユーロ圏の代表的なベンチマーク指数であるEURO STOXX50(ユーロ・ストックス50)とフランスのCAC40は、いずれも陰線の出現回数が20回中14回と「株安」のアノマリーがあります。つまり、6月は欧州で株が下落しやすいと考えることができるので、注意が必要です。

 一方、翌7月になるとEURO STOXX50は陽線の出現回数が20回中14回と、一転して「株高」の傾向が見受けられます。また、NYダウ(17回)とナスダック総合指数(15回)にも、陽線の出現回数が陰線の出現回数を大きく上回る株高が確認できます。
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 このことから、6月は欧州の株安に警戒しつつ、7月の株高を見据えて投資する銘柄の選別や仕込みのタイミングを検討する好機と考えることもできそうです。
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 今回紹介したデータが、6月のFXトレードの参考になれば幸いです。次回は2026年7月のアノマリーを紹介しますので、お楽しみに!