【※FX初心者におすすめのFX会社はココだ!】
⇒【FX口座おすすめ比較】口座開設キャンペーン、主要通貨のスプレッド&スワップポイント、最低取引単位などの項目別に「おすすめFX会社」を紹介!
過去20年の「6月」の為替市場の値動きを徹底的に検証!
2025年6月のFXトレードで使える「アノマリー」を探せ!
為替市場には、さまざまな「アノマリー」が存在します。「アノマリー」とは、理由や要因が明確にあるわけではないが、なぜかそうなりやすい現象のことです。たとえば、バケーションシーズンで海外旅行に行く人が増えることによる外貨への両替需要、グローバル企業の決算時期や輸出・輸入企業などの実需の動きなどが影響して、例年、決まった時期に特定の通貨が買われやすい傾向などがあると考えられています。
特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間の午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。
この連載では、為替市場の過去の値動きデータを月ごとに検証して、上記のような「アノマリー」を探しています。今回は過去の「6月」のデータを集計して、2025年6月のFXトレードで活用できる「アノマリー」を探してみました。
【※関連記事はこちら!】
⇒FX「キャンペーン」おすすめ比較[2025年5月最新版]口座開設でもらえる「キャッシュバック金額」を調査して、FX会社のお得なキャンペーンランキングを公開!
6月は英ポンド/円、ユーロ/円、スイスフラン/円を中心とした
「全体的な円安」に注目。賞与の一部を投資に回す動きも影響か?
はじめに、月足の統計データで6月のアノマリーを確認していきましょう。
下の表は主要通貨ペアの過去20年間の月足を調べた中から、日本のFXトレーダーの取引量が多い通貨ペアと、6月に注目したい通貨ペアの、「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。
これを見ると、6月は英ポンド/円では20回のうち15回、ユーロ/円とスイスフラン/円でも20回のうち14回も陽線が出現しており、「円安」になりやすい傾向がありそうです。さらに、アノマリーとは言えないものの、米ドル/円と豪ドル/円でも陽線が13回も出現しており、全体的に「円安」になりやすい傾向が確認できます。
6月といえば、多くの企業で6月末に夏のボーナス(賞与)が支給されます。米国株などの海外の金融商品への投資資金に充てる人もいると考えられ、こうしたフローが6月の全体的な円安傾向に影響を与えているのかもしれません。
【※関連記事はこちら!】
⇒FX口座「米ドル/円」のスプレッドを比較して、取引コストが安いおすすめのFX口座をランキングで紹介! 「米ドル/円スプレッド」ランキング
日足では「3日や月後半の円安」アノマリーに注目!
今年は土日が多いが、前後は円安が強まる可能性に警戒!
次は日足の統計データの中から、6月に注目したいアノマリーを紹介します。
下の表は、過去20年間における日本円が絡んだ主要な通貨ペアの6月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものです。確率が高ければ陽線になりやすく、確率が低ければ陰線になりやすい傾向があると考えられます。なお、出現確率は直近10年間の動向に比重を置いた加重平均です。
これを見ると、まず、2日にユーロ/円と豪ドル/円で陽線の出現確率が76%、ニュージーランドドル/円でも71%と、「円安」になりやすい傾向があるようです。
そして、21日の英ポンド/円の95%を筆頭に、ユーロ/円やスイスフラン/円でも21日と22日の2日連続で陽線の出現確率が73~82%と高く、さらに28日と29日も2日連続で米ドル/円や豪ドル/円で陽線の出現確率が79%を記録しており、6月はさまざまな通貨で「円安」アノマリーが存在しているようです。
今年(2025年)の21日と22日、28日と29日はいずれも土日でFXは取引できませんが、月足のところで紹介したボーナスの支給で外貨への需要が高まる可能性も踏まえれば、6月の全体的な円安は月後半に発生しやすいと言えそうです。そのため、日足で見た場合は「月末の円安」に注目しておきましょう。
【※関連記事はこちら!】
⇒FX口座「米ドル/円」のスワップポイントを比較して、FX初心者にもおすすめのFX口座をランキングで紹介! 「米ドル/円スワップポイント」ランキング
6月の株式市場に目立ったアノマリーなし。ただし7月は全体的な「株高」を
確認、銘柄を選別して仕込みのタイミングを見極める時期になりそう
次に、為替の動向にも影響を与える株式市場の6月のアノマリーを紹介します。
下の表は世界の主要な株価指数の過去20年間の月足を調べた中から、注目したい株価指数の「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。
これを見ると、6月は日経平均で20回中13回、TOPIXで12回と、日本の代表的な株価指数では陽線の出現回数のほうが多いものの、北米や欧州の株価指数は陰線の出現回数のほうが多いというまばらな状態で、しかも、いずれの株価指数にもアノマリーはありません。
一方で翌7月は、NYダウで17回、ナスダック総合指数とカナダのS&Pトロント総合指数で15回など、日本以外の主要な株価指数には「株高」のアノマリーが確認できます。
このことから、6月は7月の株高を見据え、銘柄の選別や仕込みのタイミングを伺う時期と言えそうです。
【※関連記事はこちら!】
⇒「米国株」が買えるおすすめの証券会社(9社)を比較! 取扱銘柄の多さや、売買手数料&為替手数料の安さを調査して、有利に米国株投資ができる証券会社を紹介
ロンドンフィキシング前後のアノマリーをMT4を使って検証!
ユーロ/米ドルやユーロ/円の売りで収益を積み重ねることが可能!
最後に番外編として、今回はFXの自動売買(システムトレード)も可能なMT4(メタトレーダー4)のバックテスト機能を使って、「ロンドンフィキシング(LONDON FIXING)」の前後に為替相場にアノマリーがあるかを検証した結果を紹介します。
ロンドンフィキシングとは、英国のロンドン市場で現地時間16時に行われる、金融機関の対顧客向け外貨取引の基準レートを決める行為のこと。日本の「仲値」に相当するもので、日本時間だと英国が標準時間(冬時間)のときは翌25時、サマータイム(夏時間)のときは翌0時となり、金の現物(スポット)の取引レートも同じ時間に決定されます。
このロンドンフィキシングを挟んだ時間帯には、冒頭でも紹介している「ゴトー日(5・10日)アノマリー」のような明確なアノマリーは存在しないと言われていますが、本当にそうなのか、2015年~2024年の過去10年間のデータを使って検証を行ってみました。
【※関連記事はこちら!】
⇒2025年3月の為替レート予想は「3月は“レパトリ”で円高」説とは真逆の「円安傾向」に注意! 有名な“ゴトー日”アノマリー検証では「勝率6割超」で儲かると判明
まず、以下の表はユーロ/米ドル1万通貨の買いポジションを、ロンドンフィキシングの1時間前に建ててロンドンフィキシングに決済した場合と、ロンドンフィキシングに建ててロンドンフィキシングの1時間後に決済した場合の2パターンの、それぞれの収益率などをまとめたものです。
これを見ると、どちらのパターンでも勝ちトレード(収益がプラスになったトレード)の回数よりも負けトレード(収益がマイナスになったトレード)の回数のほうが多く、トレードの総収益はマイナスだったことがわかります。
また、この結果からは、売りポジションを建てるトレードなら総収益がプラスになりそうな気がしますが、FXで一般的な水準のスプレッドによる取引コストを勘案すると、売りから入るトレードでも総収益はマイナスとなり、買いと売りのどちらも収益を上げることはできない結果でした。
そして、米ドル/円、ユーロ/円でも同じ検証を行ったところ、以下のようにユーロ/円で1万通貨の売りポジションをロンドンフィキシングの1時間前に建て、ロンドンフィキシングに決済した場合のみ、収益がプラスの結果となりました。
過去10年では勝ちトレードの回数よりも負けトレードの回数のほうが多かったにもかかわらず、総収益は1万3500円と、わずかですがプラスになっています。
さらに曜日別のパフォーマンスに目を向けると、火曜日に行うトレードが他の曜日に比べて相対的に利益が大きく、損失が少なかったこともわかります。
そこで、火曜日だけのトレードに絞って、勝ちトレードと負けトレードの回数や勝率、収益、累積の収益の推移などをまとめたのが以下になります。

これを見ると10年間での総収益は11万8580円のプラスと、火曜日に限定してトレードをしたほうが、毎日トレードするより最終的な収益は10万円以上も増えるという結果となりました。
また、勝ちトレードと負けトレードの回数はほとんど変わらないのに収支がプラスということは、ロンドンフィキシング1時間前からロンドンフィキシングにかけての時間帯の火曜日のユーロ/円は、上昇したときの上げ幅よりも下落したときの下げ幅のほうが大きくなりやすい傾向にあると言えるでしょう。
【※関連記事はこちら!】
⇒FX口座「ユーロ/円」のスプレッドを比較して、取引コストが安いおすすめのFX口座をランキングで紹介!【2025年5月】「ユーロ/円スプレッド」ランキング
このように、ロンドンフィキシングの前後にも、ゴトー日アノマリーのような特徴的な動きを狙ったトレードが可能な通貨ペアは存在するということがわかったので、興味のある人はぜひ挑戦してみてください。
今回紹介したデータが、6月のFXトレードの参考になれば幸いです。次回は7月のアノマリーを紹介しますので、お楽しみに!