目次

はじめに

プロローグ　バーナンキ・ショックが本当に意味するものとは何か？

　まやかしだった日本経済の復活
　日米の超金融緩和に踊らされたマーケット
　根拠なき熱狂とブラック・サーズデーという異常事態
　日本経済、日本市場は深刻な事態に直面している

第１章　カジノ化する東京市場

　　　　──日本経済崩壊の兆しが見え始めた

　アベノミクスの３本の矢はデフレ不況脱却の必要条件でしかない
　財政再建を掲げれば、日本は再び大不況へ
　黒田日銀の異次元緩和はやり過ぎだ
　バーナンキのくしゃみは、東京の風邪を引き起こした
　すでにバブルの兆候は見えている
　偉大な米国株と脆弱な日本株の違いはどこからくるのか？
　カジノ化する東京市場の現実を知れ！ ──高まる市場の不安心理
　ヘッジファンドとポジティブ・フィードバック戦略
　尻尾が頭を振り回すヘッジファンドとデリバティブ戦略
　追証の嵐に巻き込まれる日本の個人投資家

第２章　もはや神通力を失った黒田マジック

　金融緩和の効果は６月時点で失われた！
　リフレ派も問題だが、反リフレ派は問題外
　すでに打つ手を失ったリフレ派
　インフレ目標政策はもう時代遅れだ
　リフレ派を代表する高橋洋一氏は少しはしゃぎすぎ！
　持続的成長には今後３年間、積極財政・金融政策の継続が必要

第３章　日本はいま財政再建すべきではない

　「インフラが危ない」ＮＨＫ報道は有意義だった！
　世界一の債権大国日本に「国の借金」は存在しない
　債権国日本は不況下の国債発行をためらうな！
　対外債権大国日本は世界の経済成長さえリードできる存在だった
　参院選後のねじれ解消で、財政再建派が急台頭
　日本のメディアは劣悪なレモン市場
　財務省のインチキ情報にまんまと踊らされるマスコミ
　大手新聞が消費税増税に賛成である本当の理由

第４章　米欧中の経済はリスクがいっぱい

　リーダーなき「Ｇ０」の世界
　バーナンキＦＲＢ議長の退任は、勇退か事実上の解任か
　なぜオバマと米国はサマーズを選ぶべきだったのか
　リコノミクスで中国は一時失速する
　新興国市場がヤバい

第５章　消費増税で日本経済大崩落が始まる！

　短期的な経済成長率に惑わされた安倍政権
　大きなデフレギャップ下で消費税大増税は狂気の沙汰
　たまげた日経新聞の内閣府ＧＤＰギャップ報道
　増税でも成長が続くと呪文を唱える黒田日銀の問題点
　東京オリンピックの経済効果は限定的
　日本の経済学の国際評価は中国に劣る
　日本とアジア経済危機の連鎖がまたやってくる
　伊藤隆敏東大教授の消費増税賛成論の大きな誤り
　陰でほくそ笑む日本国債保有者たち（銀行、生保、財務官僚）
　日本はケインズの階級観に学べ

第６章　日本株安と悪い円安に備えよ！

　2013年末から2014年に向けて世界経済は期待できない
　世界大恐慌でも儲かった米国株、灰に帰した日本株
　ブレーキとアクセルを同時に踏み込むアベコベノミクス
　日本株は再び9000円割れの大暴落
　短期投機法ならソロスに学べ！
　長期投資ならケインズに学べ！
　なぜドル円レートは４月以降100円前後の膠着相場が続くのか？
　インフレ目標政策はドル円レートにどう影響するか
　よい円安から悪い円安へ
　基軸通貨ドルはすでに復権したが、日本円は失墜する

著者

中丸友一郎（なかまる・ともいちろう）
マクロ・インベストメント・リサーチ代表。1978年一橋大学経済学部卒、米イェール大学大学院修士課程、ジョージ・ワシントン大学大学院博士課程修了。日本輸出入銀行（現国際協力銀行）、世界銀行エコノミスト、JPモルガン主席日本エコノミスト、ロイター・ジャパン投資調査部長などを歴任し、現職。最新の経済データを駆使した独自の理論は高く評価されている。アベノミクスの成功と金融市場の大反発をいち早く指摘した。著書に『日本経済大逆転！』（徳間書店）、『デイトレーダーをカモにする株式投資戦略』（ダイヤモンド社）などがある。