目次

日本語版に寄せて

スタンフォード大学ビジネススクール 経営学講師　ロバート・Ｅ・シーゲル

訳者まえがき

ＮＴＴデータ経営研究所 代表取締役社長　山口重樹

第Ⅰ部　本書の意図

第１章　現代の企業にとって真の競争優位とは何か

当事者から直接聞く
ロックダウンからの教訓
２つの世界のベストな組み合わせ
脳力と筋力の基盤
システムリーダー　脳力と筋力の継続的な進歩を牽引する
脳力＋筋力＝楽観主義

第２章　抜本的変革に向けた２つの試み

ダイムラー　伝統を堅守しつつ進化する
トゥエンティースリー・アンド・ミー　ＤＮＡ検査から世界を変える医薬品まで
これらの評価結果から何がわかったか

第Ⅱ部　脳力を持つ意味

第３章　左脳　分析力

アマゾン　データ分析の力
フェイスブック　データ分析の危険性
チャールズ・シュワブ　台頭する金融サービス業界の雄
システムリーダーのためのメモ　分析力

第４章　右脳　創造性

レゴ　古い商品を新しい市場へ
アドビ　新しいビジネスモデルの契約締結
ナイキ　新たな顧客獲得に向けて走る
アライン・テクノロジー　あらゆる面での創造性の発揮
システムリーダーのためのメモ　創造性

第５章　扁桃体　共感力

サウスウエスト航空　従業員を顧客のように扱う
パタゴニア　環境に不必要な悪影響を与えない
ＳＡＳインスティテュート　与えるものが多いほど得るものも多い
カイザー・パーマネンテ　共感力を活用してヘルスケア業界をディスラプトする
共感力を正しく使う
システムリーダーのためのメモ　共感力

第６章　前頭前野　リスク管理

ストライプ　大口顧客に軸足を移す
ジョンディア　創業183年のテックイノベーター
ＡＢインベブ　巨大グローバル企業の台頭
リスクを正しく取る
システムリーダーのためのメモ　リスク管理

第７章　内耳　内製とアウトソーシングのバランス

トゥエンティースリー・アンド・ミー　スマートなパートナー作り
ダイムラー　自前主義
ボーダーズ　過剰なアウトソーシング
テスラ　独自路線をひた走る
インスタカート　４つの中核当事者との絶妙なバランスを構築
正しいバランスの取り方とは
システムリーダーのためのメモ　内製とアウトソーシングのバランス

第Ⅲ部　筋力のコンピテンシー

第８章　脊椎　ロジスティクス

ワービーパーカー　デジタルスタートアップ企業が脊椎を育てる
ベスト・バイ　価値とサービスの再定義
ホーム・デポ　不可避なものに抗うな
ターゲット　ディスラプションに向かって走る
ロジスティクスを最大限に活用する
システムリーダーのためのメモ　ロジスティクス

第９章　手　モノづくり

アライン　たゆまぬ生産工程の改善
ダイムラー　人間味のあるスマートファクトリー
サムスン　卓越した製造力を新市場へ応用する
デスクトップメタル　３Ｄプリント革命をリードするスタートアップ企業
正しいモノづくりとは
システムリーダーのためのメモ　モノづくり

第10章　筋肉　企業規模の活用

ＡＢインベブ　企業規模をイノベーションの源泉に
ＣＮＮ　企業規模を盾に
ＶＩＳＡ　既存企業の利点を利用する
ミシュラン　アイデンティティの危機に直面
企業規模を適正に
システムリーダーのためのメモ　企業規模の活用

第11章　手と目の協調　エコシステムの管理

ＵＣＳＦヘルス　無数のステークホルダーをジャグリングする
インスタカート　弱い影響力から強い影響力への道のり
ウォルマート　支配的であることを恐れない
アンドロイド　真にグローバルでしばしば敵対的なエコシステムの攻略
エコシステムを適正に形成する
システムリーダーのためのメモ　エコシステムの管理

第12章　持久力　事業の継続化

ナショナルジオグラフィック　古くからある価値を新たな手段で発信する
マイクロソフト　暗黒時代から復活するための「持久力」探し
ネットフリックス　ブランドを２度再発明する勇気
ジョンソン・エンド・ジョンソン　新たな課題に直面する老舗企業
「持久力」を正しく身につける
システムリーダーのためのメモ　持久力

特別対談１　伝統的な大企業がデジタル変革を成功
　　　　　　させるにはどのような企業能力が必要か
デジタルとフィジカルの両方を組み合わせられる企業が継続的に顧客価値を提供できる

第Ⅳ部　システムリーダーのパワー

第13章　システムリーダー　脳力と筋力の継続的な改善を推進する

システムリーダーの緊急性
システムリーダーvs伝統的リーダー
２種類の思考の統合
楽譜を持たないオーケストラの指揮者
かけ合わせによる事業活動
未来の予測とその備え
コンテクストのマネジメント
プロダクトマネジャーのマインドセット
不確実性とディスラプションの時代における「リスク・オン」
カトリーナ・レイク　脳力から筋力へのリーダーシップ
ジュリー・スウィート　筋力から脳力へのリーダーシップ
センターにいるシステムリーダー
デジタル＋フィジカルの新世界

特別対談２　デジタルとフィジカルを融合し、デジタル変革を
　　　　　　成功に導くために求められるリーダーシップとは

デジタルとフィジカルを融合させる組織マネジメントが必要になる
デジタル変革に求められる「リ・インベンションリーダー」と「システムリーダー」とは
日本企業がシステムリーダーを育成するには
システムリーダーの社会との関わり

付録　システムリーダーのためのメモ集

謝辞

『５つの脳力 ５つの筋力』への賛辞

訳者あとがき　ＮＴＴデータ経営研究所 取締役　石塚昭浩

原注

索引

著者

ロバート・Ｅ・シーゲル（Robert E. Siegel）
スタンフォード大学ビジネススクール経営学講師、シリコンバレーを拠点とするベンチャー投資家。スタンフォード大学では、技術革新が生み出す機会と課題を中心に、大企業と中小企業の両者における戦略とイノベーションについて複数のコースで教鞭を執る。具体的には、企業は顧客のためにデジタルソリューションとフィジカルソリューションをどのように組み合わせるべきか、それによって生じる製品開発や組織設計、リーダーシップへの影響を研究し、製品管理および開発のベストプラクティス、起業家のための財務管理およびそれらに関連するテーマもカバーする。
ベンチャー投資家としては、成長するスタートアップを分析し、数億ドルに上るベンチャーキャピタルの資金提供に関与。GEやインテルなどの大企業で指導的役割を担い、複数のスタートアップの起業も経験。多数の企業の取締役を兼務。アンディ・S・グローブのベストセラー『パラノイアだけが生き残る』の主任リサーチャーを務めたほか、ビジネス書や学術出版物への寄稿多数。カリフォルニア大学バークレー校で学士号、スタンフォード大学でMBAを取得。妻との間に成人した子供が3人いる。カリフォルニア州ポートラバレー在住。

訳者

NTTデータ経営研究所DX研究チーム
株式会社NTTデータ経営研究所は、NTTデータグループにおいて、企業経営および行政に関する調査研究、情報および通信システムの企画・開発に関する調査研究ならびにコンサルティング業務を担っている。NTTデータ経営研究所DX研究チームは、クライアントへのデジタル変革に関する企画検討から実行支援など幅広いテーマのコンサルティングサービスを提供しているメンバーが集結して結成された研究チームである。その一環として、国内外の先進的なデジタル変革の取組事例、理論についての調査を行い、日本のビジネス環境への最適なデジタル変革の実現を構想するとともに、クライアントとともにデジタルを活用した新しい社会の姿を実現することを目指している。

訳者紹介

山口重樹（やまぐち・しげき）
株式会社NTTデータグループ顧問、株式会社NTTデータ経営研究所代表取締役社長、株式会社クニエ代表取締役社長
NTTデータで企業向け、政府自治体向けシステムの企画・設計・開発およびマネジメントに従事。ペイメントビジネス、中国APACビジネスにも従事。テクノロジー・データ・デザインを掛け合わせたデジタル変革事業拡大、コンサルティング力の強化などに責任者として従事。著書に『デジタルエコノミーと経営の未来』（東洋経済新報社、2019年）、『信頼とデジタル』（ダイヤモンド社、2020年）、『デジタル変革と学習する組織』（ダイヤモンド社、2021年）がある。

松原誠慈（まつばら・せいじ）
株式会社NTTデータ 秘書室 課長
小売・流通業の基幹インフラ更改案件に多数携わった後、ソリューション事業の企画部門にて事業戦略策定、およびDX戦略の構想から実装まで従事。現職では役員の政策秘書として、全社戦略の策定を支援。

NTTデータ経営研究所ＤＸ研究チーム
石塚昭浩（いしづか・あきひろ）
取締役 グローバルビジネス推進センター長
金融・決済領域の事業立ち上げ、事業運営などに長年従事。国内外のM&A、事業再編、組織再構築などのプロジェクトを多数リード。直近では、APAC地域のリテールペイメント事業、DX事業の責任者を経て、同社にてコンサルティング事業のグローバル化を推進。

中村夏美（なかむら・なつみ）
デジタルイノベーションコンサルティングユニット シニアコンサルタント
民間企業向けIT戦略・DX戦略の策定支援をするほか、市場参入に向けた市場規模調査、競争力強化に向けた競合調査なども行う。官公庁向けに海外事例調査や実証実験の推進支援にも従事。

村﨑申彦（むらさき・のぶひこ）
デジタルイノベーションコンサルティングユニット シニアコンサルタント
基幹系システム刷新、グローバルCSIRT立ち上げ検討、クラウド基盤構想検討、NLP／RPA／AIサービスを活用した新規サービスの立案等、官・民のIT・DXに関わるプロジェクトに多数従事。

小林潤紀（こばやし・じゅんき）
デジタルイノベーションコンサルティングユニット コンサルタント
NLP、CV（computer vision）、ブロックチェーンといったデジタル技術活用に関する新規事業計画の策定や営業計画の支援、IT戦略・DX戦略の策定支援に従事。