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過去20年の「8月」の為替市場の値動きを徹底的に検証!
2025年8月のFXトレードで使える「アノマリー」を探せ!

 為替市場には、さまざまな「アノマリー」が存在します。「アノマリー」とは、理由や要因が明確にあるわけではないが、なぜかそうなりやすい現象のことです。たとえば、バケーションシーズンで海外旅行に行く人が増えることによる外貨への両替需要、グローバル企業の決算時期や輸出・輸入企業などの実需の動きなどが影響して、例年、決まった時期に特定の通貨が買われやすい傾向などがあると考えられています。

 特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間の午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。

 この連載では、為替市場の過去の値動きデータを月ごとに検証して、上記のような「アノマリー」を探しています。今回は過去の「8月」のデータを集計して、2025年8月のFXトレードで活用できる「アノマリー」を探してみました。
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8月はトルコリラ/円やメキシコペソ/円などスワップポイントが高くて
人気の高金利通貨ペアでの円高や、豪ドルと英ポンドの下落に注意!

 はじめに、月足の統計データで8月のアノマリーを確認していきましょう。

 下の表は主要通貨ペアの過去20年間の月足を調べた中から、日本のFXトレーダーの取引量が多い通貨ペアと、8月に注目したい通貨ペアの、「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

注目通貨ペアの月足アノマリー情報

 これを見ると、8月はスワップポイントの高さで日本のFXトレーダーに人気のメキシコペソ/円、南アフリカランド/円、トルコリラ/円の3つの高金利通貨ペアで、それぞれ陰線の出現回数が20回中14回と多く、「円高」のアノマリーがあります。そのため、スワップポイントを狙って高金利通貨ペアの買いポジションを持っている人は注意が必要です。
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 また、米ドル/円を除いた日本円が絡んだ通貨ペアの多くも、陰線の出現回数が陽線の出現回数を上回っているため、8月は全体的に円高になりやすい時期とも言えます。

 これは、日本で8月中旬にお盆休みがあり、その期間は大手企業の多くが休業となること、お盆休みに向けてポジションを決済する投資家が増えることなども、理由として考えられそうです。

 また、8月は豪ドル/米ドルで陰線の出現回数が20回中16回、豪ドルが決済通貨(分母側)のユーロ/豪ドルで陽線の出現回数が20回中14回と、どちらの通貨ペアにも「豪ドル安」のアノマリーがあります。

 さらに、英ポンド/カナダドルは15回、英ポンド/スイスフランは14回と、陰線の出現回数が多く「英ポンド安」も確認できるので、8月は豪ドルと英ポンドの動向にも注目しておきましょう。
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日足では「19日の円高」と「13日&最終週の円安」に注目!
29日には豪ドル、NZドルで90%を超える高確率で「円安」に!

 次は日足の統計データの中から、8月に注目したいアノマリーを紹介します。

 下の表は、過去20年間における日本円が絡んだ主要な通貨ペアの8月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものです。確率が高ければ陽線になりやすく、確率が低ければ陰線になりやすい傾向があると考えられます。なお、出現確率は直近10年間の動向に比重を置いた加重平均です。

日本円が絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、まず、13日は陽線の出現確率が米ドル/円で73%、ユーロ/円で79%、英ポンド/円で70%、スイスフラン/円で84%と高く、円安のアノマリーが確認できます。

 反対に、19日は陽線の出現確率が英ポンド/円で14%、ニュージーランドドル/円で24%、カナダドル/円で25%と低いことから、ここには円高のアノマリーがあると言えます。

 そして月末に目を移すと、25日、28日、29日に陽線の出現確率の高い通貨ペアが多くあり、特に29日の豪ドル/円とニュージーランドドル/円の92%、カナダドル/円の82%などは、かなり強い円安アノマリーです。

 このことから、8月は「19日の円高」と、「13日と最終週の円安」アノマリーに警戒が必要となりそうです。
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 また、日足では米ドルにもいくつかアノマリーがあるので紹介します。

 以下の表は先ほどと同じように、過去20年間における米ドルが絡んだ主要な通貨ペアの8月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものです。

米ドルが絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、14日は陽線の出現確率がユーロ/米ドルと英ポンド/米ドルで24%、豪ドル/米ドルで29%、ニュージーランドドル/米ドルは10%と低く、米ドルが基軸通貨の米ドル/カナダドルは76%と高くなっていて、主要通貨の多くに「米ドル高」アノマリーが確認できます。

 反対に、20日は陽線の出現確率がユーロ/米ドルで76%、英ポンド/米ドルとニュージーランドドル/米ドルで70%と高く、米ドル/カナダドルは14%、米ドル/スイスフランは19%と低いことから、ここには「米ドル安」の傾向があります。

 それ以外の日でも、米ドルの方向性に一定の傾向が確認できる日がいくつかあるので、デイトレードなどの短期売買をメインにしているトレーダーは、上の表をぜひ参考にしてください。
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8月の株式市場は全体的に方向感が見いだしにくい中、「カナダの株高」と
欧州を中心とした「最終週の株高」アノマリーに警戒を!

 最後に、為替の動向にも影響を与える株式市場の8月のアノマリーを紹介します。

 下の表は世界の主要な株価指数の過去20年間の月足を調べた中から、注目したい株価指数の「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

主要株価指数の月足アノマリー情報

 これを見ると、8月は日本と米国を含め、主要国の多くで株価指数に明確な傾向は認められませんが、カナダの代表的な株価指数のS&Pトロント総合指数には、陽線の出現回数が20回中14回と「株高」のアノマリーがあります。

 北極圏に近いカナダは積雪の期間が長く、8月は雪が少ない貴重な季節です。そのため、日系カナダ人のお祭りパウエル祭や、バンクーバー・プライド・パレードなどのイベントが開催されて賑わいます。

 また、8月は雪がなくなることで鉱物資源の採掘がしやすくなるそうで、こうした面がカナダの株式の堅調につながっていると考えることもできそうです。

 また、月足では目立った傾向は確認できないものの、週足では月末に一部の株価指数に興味深い傾向があります。

 下の表は、株価指数の過去20年間の週足を調べ、それぞれの日が含まれる週足の「陽線の出現確率」を日別に集計した週足の統計データの中から、8月24~31日の期間を抽出したものです。「週間平均」は2025年のカレンダーをもとにした、その週の月曜日から金曜日の平均値です。

主要株価指数の週足アノマリー情報

 これを見ると、月足で株高アノマリーがあったカナダのS&Pトロント総合指数は、すべての日で陽線の出現確率が70%台となり、週間平均も76%と高くなっています。

 また、ユーロ圏のSTOXX50(ユーロ・ストックス50)は75%、英国のFTSE100は68%、ドイツのDAX指数とフランスのCAC40は71%と、欧州の代表的な株価指数で陽線の出現確率が高いことも確認できます。

 このことから、8月の株式市場は、「最終週に欧州を中心に株価が上昇しやすい」アノマリーがあると言えます。
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 今回紹介したデータが、8月のFXトレードの参考になれば幸いです。次回は9月のアノマリーを紹介しますので、お楽しみに!