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過去20年の「11月」の為替市場の値動きを徹底的に検証!
2025年11月のFXトレードで使える「アノマリー」を探せ!

 為替市場には、さまざまな「アノマリー」が存在します。「アノマリー」とは、理由や要因が明確にあるわけではないが、なぜかそうなりやすい現象のことです。たとえば、バケーションシーズンで海外旅行に行く人が増えることによる外貨への両替需要、グローバル企業の決算時期や輸出・輸入企業などの実需の動きなどが影響して、例年、決まった時期に特定の通貨が買われやすい傾向などがあると考えられています。

 特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。

 この連載では、為替市場の過去の値動きデータを月ごとに検証して、上記のような「アノマリー」を探しています。今回は過去の「11月」のデータを集計して、2025年11月のFXトレードで活用できる「アノマリー」を探してみました。
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11月はトルコリラ/円での「トルコリラ安・円高」などに警戒!
翌12月に見られる幅広いニュージーランドドル高にも注目!

 はじめに、月足の統計データで11月のアノマリーを確認していきましょう。

 下の表は主要通貨ペアの過去20年間の月足を調べた中から、11月に注目したい通貨ペアの、「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

注目通貨ペアの月足アノマリー情報

 これを見ると、11月は米ドル/円、ユーロ/米ドル、ユーロ/円などのメジャーな通貨ペアには、陽線の出現回数と陰線の出現回数に目立った偏りはありませんが、米ドル/カナダドルに「米ドル高・カナダドル安」、豪ドル/ニュージーランドドルに「豪ドル安・ニュージーランドドル高」、ユーロ/スイスフランに「ユーロ安・スイスフラン高」のアノマリーが確認できます。

 さらに、高水準のスワップポイントで日本のFXトレーダーに人気のトルコリラ/円も陰線の出現回数が20回中14回と多く、「トルコリラ安・円高」のアノマリーがあります。そのため、スワップポイント狙いでトルコリラ/円の買いポジションを保有しているトレーダーは注意が必要です。
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 また、ニュージーランドドルも年末に向けて注目しておきたい通貨ペアです。

ニュージーランドドルが絡んだ主要通貨ペアの月足アノマリー情報

 上の表は、ニュージーランドドルが絡んだ主要通貨ペアの過去20年間の月足を調べ、「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものでが、これを見ると、12月に多くの通貨ペアで「ニュージーランドドル高」の傾向が強いということがわかります。

 この年末のニュージーランドドル高は、ニュージーランドの主要産業である乳製品や酪農品の輸出が増えることも要因と考えられていますが、いずれにせよ、11月は12月のニュージーランドドル高に備えて戦略を考える良いタイミングになると言えるでしょう。
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11月は「12日の円高と18日の円安」と「3日、10日、17日の英ポンド高」に
注意! スイスフランには連続する2日間で両極端な値動きが発生する日も

 次は日足の統計データの中から、11月に注目したいアノマリーを紹介します。

 下の表は、過去20年間における日本円が絡んだ主要な通貨ペアの11月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものです。確率が高ければ陽線になりやすく、確率が低ければ陰線になりやすい傾向があると考えられます。なお、出現確率は直近10年間の動向に比重を置いた加重平均です。

日本円が絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、まず、12日は陽線の出現確率が米ドル/円で30%、英ポンド/円で21%、ニュージーランドドル/円で25%と低く、「円高」のアノマリーが確認できます。

 一方で、18日には陽線の出現確率が英ポンド/円とニュージーランドドル/円で81%、ユーロ/円で76%、米ドル/円とカナダドル/円で71%と高く、ここには「円安」のアノマリーがあります。

 このことから、11月は「12日の円高と18日の円安」に注意が必要です。
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 また、英ポンドにも日足でいくつかの偏りがあります。以下の表は同様に、過去20年間の英ポンドが絡んだ主要な通貨ペアの11月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものです。

英ポンドが絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、英ポンドには「3日・10日・17日に英ポンド高のアノマリー」があります。

 また、英ポンド全般でのアノマリーは認められないものの、英ポンド/円における「18日の英ポンド高・円安(81%)」や「26日の英ポンド安・円高(16%)」を筆頭に、個別の通貨ペアでは強めのアノマリーが発生している箇所もあるので、ぜひトレードの参考にしてください。
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 そのほか、11月の序盤にはスイスフランにも興味深い傾向が認められたので紹介します。

スイスフランが絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 上の表は、過去20年間のスイスフランが絡んだ主要な通貨ペアの11月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものの中から、11月1~7日までのデータを抜粋したものですが、これを見ると多くのスイスフランが絡んだ通貨ペアで、「4日のスイスフラン高」と、「5日のスイスフラン安」アノマリーが確認できます。

 FXのトレード歴が長いトレーダーの中には、スイスフランといえば2015年の「スイスフランショック」を思い出す人も多いと思いますが、連続する2日で両極端な動きになるのは珍しい傾向なので、気になる人はぜひ値動きをチェックしてみてください。

11月の株式市場は「北米の株高」に注目! 特に米国は感謝祭とブラック
マンデーが控える第4週に、高い確率で株高の傾向が確認できる!

 次に、為替の動向にも影響を与える株式市場の11月のアノマリーを紹介します。

 下の表は主要な株価指数の過去20年間の月足を調べ、「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

主要株価指数の月足アノマリー情報

 これを見ると、11月は米国の3大株価指数であるNYダウ、ナスダック総合指数、S&P500に加え、カナダのS&Pトロント総合指数に、陽線の出現回数が陰線の出現回数を大きく上回る「株高」アノマリーがります。このことから、11月は「北米の株高」に注目です。

 加えて、翌12月は日本と欧州の株価指数に株高のアノマリーがありますので、あわせて値動きを注視しておくのがおすすめです。

 そして下の表は、過去20年間の日米の主要株価指数の週足を調べ、それぞれの日の週足の「陽線の出現確率」を日別に集計した週足の統計データです。「週間平均」は2025年のカレンダーをもとにした、その週の月曜日から金曜日の平均値です。

日米の主要株価指数の週足アノマリー情報

 これを見ると、今年(2025年)は第1週にあたる3~7日の週と、第4週にあたる24~28日の週に、日米で株高の傾向が確認できます。特に、第4週のナスダック総合指数やS&P500の陽線の出現確率は80%を超えていますが、これは米国ならではのイベントも影響していそうです。

 米国では11月の第4週の木曜日(今年は11月27日)がクリスマスと並ぶ大イベントの「感謝祭(Thanksgiving Day)」、その翌金曜日(今年は28日)に小売店などで大規模なセールが実施される感謝祭翌日の「ブラックフライデー」が控えています。さらに、近年では翌月曜日から実施されるECサイトでの大規模なセール「サイバーマンデー」も大々的なイベントとなっていて、この時期は米国全体で消費が拡大します。

 このことから、11月は北米の株高、特に最終週の米国株の強い動きに期待しておきましょう。
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「ヘッジファンドの45日ルールに伴う株安」と「米国債の大量償還に伴う
円高」アノマリーは存在せず! ただし、日足で見た特定日の円高には警戒!

 最後に、毎年この時期に一部の市場参加者が話題にする「11月はヘッジファンドの45日ルールに関連して株安になりやすい」「11月は米国債の大量償還に伴って円高になりやすい」という、2つのアノマリーについて検証した結果を紹介します。

 まず、「11月はヘッジファンドの45日ルールに関連して株安になりやすい」というアノマリーですが、これは、ヘッジファンドへの出資の解約は決算日の45日前までに行わなければならないという決まりがあり、12月末が決算となるヘッジファンドの解約通知が11月中旬に集中することから、解約に伴う決済のフローが集中して株価が下落しやすいと考えられているものです。

 ただし、先ほども紹介したとおり、11月の米国の主要株価指数には「株高」の傾向があるので、過去20年においては株安のアノマリーは存在しないと言えます。

 では、「11月は米国債の大量償還に伴って円高になりやすい」というアノマリーはどうでしょうか?

 下の表は日本円が絡んだ主要通貨ペアの過去20年間の月足を調べ、「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

日本円が絡んだ主要通貨ペアの月足アノマリー情報

 これを見ると、米ドル/円のみならず、11月に日本円が絡んだ主要通貨ペアで、陽線の出現回数と陰線の出現回数にアノマリーが認められるような偏りは確認できません。そのため、「米国債の大量償還に伴って円高になりやすい」というアノマリーも、直近20年に限れば確認できないと言えます。

 ただし紹介したとおり、日足で見ると12日や19日は米ドル/円に円高のアノマリーが存在していますので、こうした特定の日は注意しておくようにしましょう。
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 今回紹介したデータが、11月のFXトレードの参考になれば幸いです。次回は12月のアノマリーを紹介しますので、お楽しみに!