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過去20年の「12月」の為替市場の値動きを徹底的に検証!
2025年12月のFXトレードで使える「アノマリー」を探せ!

 為替市場には、さまざまな「アノマリー」が存在します。「アノマリー」とは、理由や要因が明確にあるわけではないが、なぜかそうなりやすい現象のことです。たとえば、バケーションシーズンで海外旅行に行く人が増えることによる外貨への両替需要、グローバル企業の決算時期や輸出・輸入企業などの実需の動きなどが影響して、例年、決まった時期に特定の通貨が買われやすい傾向などがあると考えられています。

 特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。

 この連載では、為替市場の過去の値動きデータを月ごとに検証して、上記のような「アノマリー」を探しています。今回は過去の「12月」のデータを集計して、2025年12月のFXトレードで活用できる「アノマリー」を探してみました。
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12月は「ニュージーランドドル高」と「スイスフラン高」に注目!
ただし、主要通貨に対して最高値を更新するスイスフランへの介入には警戒

 はじめに、月足の統計データで12月のアノマリーを確認していきましょう。

 下の表は主要通貨ペアの過去20年間の月足を調べた中から、12月に注目したい通貨ペアの、「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

注目通貨ペアの月足アノマリー情報

 これを見ると前回のコラムでもご紹介したとおり、12月は陽線の出現回数がニュージーランドドル/円とニュージーランドドル/米ドルで14回、ニュージーランドドル/カナダドルで15回と、全体的に「ニュージーランドドル高」のアノマリーがあります。
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 酪農が主力産業で南半球に位置するニュージーランドでは、春にあたる9~11月に搾乳が最盛期を迎え、本格的な夏となる12月から乳製品の輸出が増加します。そのため、12月は外貨をニュージーランドドルに替える動きが強まり、ニュージーランドドル高になりやすいと考えられています。

 さらに、12月はスイスフラン/円で陽線の出現回数が20回中14回、スイスフランが決済通貨(分母側)となる英ポンド/スイスフランで陰線の出現回数が20回中13回と、「スイスフラン高」のアノマリーもあることがわかります。

 これは年末の長期休暇に向け、安全資産とされるスイスフランに資産を移動する流れが強まることも理由として考えられそうです。一方、スイスフランは足元で、ユーロや日本円などの主要通貨に対して史上最高値を更新しており、一部ではスイス国立銀行(スイスの中央銀行)によるスイスフラン売り介入を警戒する声も聞かれています。

 このことから、月足ではニュージーランドドルとスイスフランの動向に注目しておきましょう。
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日足では「11&26日の円安と17日の円高」、「月初と月末の米ドル安」に
警戒! 市場参加者が少なくなる年末は、トレード環境にも注意が必要に

 次は日足の統計データの中から、12月に注目したいアノマリーを紹介します。

 下の表は、過去20年間における日本円が絡んだ主要な通貨ペアの12月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものです。確率が高ければ陽線になりやすく、確率が低ければ陰線になりやすい傾向があると考えられます。なお、出現確率は直近10年間の動向に比重を置いた加重平均です。

日本円が絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、米ドル/円は1日(29%)、3日(14%)、25日(19%)に陽線の出現確率が非常に低い、「円高」の傾向が確認できます。特に、世界中のほとんどの市場が休場となり、日本時間の夕方以降は取引が休止となる25日に、米ドル/円がほぼ5回中4回の割合で円高となるのは興味深いデータです。

 一方、15日(71%)、18日(71%)、26日(73%)には陽線の出現確率が70%を超える「円安」アノマリーがあり、25日と26日は真逆の動きになっている点にも注目です。
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 また、全体的に見ると、11日と26日には「円安」、17日には「円高」の傾向があります。特に、26日の豪ドル/円の100%、ニュージーランドドル/円の90%などは、かなり高い確率で「円安」になっていたことがわかるデータなので警戒しておきましょう。
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 また、米ドルにも日足でいくつかの偏りがあります。以下の表は同様に、過去20年間の米ドルが絡んだ主要な通貨ペアの12月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものです。

米ドルが絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、米ドルには「1日・3日・29日・30日に米ドル安のアノマリー」があります。これらの日には、80%以上の確率で米ドル安になる通貨ペアもいくつか確認できるので、特に注目しておきましょう。

 もっとも、紹介した日本円や米ドルに限らず、外国為替市場ではクリスマスあたりからの値動きには警戒しておく必要があります。

 外国為替市場では例年、クリスマスから年始にかけて市場参加者の多くがマーケットから離れ、取引高が一気に減少します。中でも先述のとおり、25日は日本を除く多くの国がクリスマスで祝日となり、この日はほとんどのFX会社が夕方以降の取引を休止しますし、一部には25日を終日休業とするFX会社もあります。

 さらに翌26日も、米国以外の主要国の多くがボクシング・デーなどの祝日となるため、流動性が低下してスプレッドが普段より広がる可能性もあります。年末の円安や米ドル安のアノマリーを活用した取引を検討する場合は、当日の値動きやスプレッドのほか、取引で使うFX会社の取引時間にも注意しておきましょう。

12月の株式市場は「全体的な株高」に注目! 特にクリスマスを
挟む22~26日の週は、相場格言どおりの株高に期待できそう

 最後に、為替の動向にも影響を与える株式市場の12月のアノマリーを紹介します。

 下の表は主要な株価指数の過去20年間の月足を調べた中から、12月に注目したい株価指数の「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

注目株価指数の月足アノマリー情報

 これを見ると、12月は日本の日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)、欧州を代表する株価指数のSTOXX50(ユーロ・ストックス50指数)、英国のFTSE100、ドイツのDAX指数で、陽線の出現回数が陰線の出現回数を大きく上回る「株高」のアノマリーが確認できます。

 また、アノマリーとは言えないものの、米国の3大株価指数の一角であるNYダウとナスダック総合指数も、陽線の出現回数が陰線の出現回数を上回っています。

 こうした全体的な株高の傾向は、年末に向けて保有するポジションの決済や調整の動きが強まる一方で、年明け以降の上昇を見越した買いが入りやすいという、時期的な影響もあると考えることができそうです。

 この12月の株式市場の特徴を、週足のデータを使ってさらに掘り下げてみましょう。

 下の表は、過去20年間の主要な株価指数の週足を調べ、それぞれの日の週足の「陽線の出現確率」を日別に集計した週足の統計データの中から、12月22~30日を抜粋したものです。「週間平均」は2025年のカレンダーをもとにした、その週の月曜日から金曜日の平均値です。

主要株価指数の週足アノマリー情報

 これを見ると、クリスマス前後は紹介したほぼすべての株価指数で陽線の出現確率が70%を超えており、株価が上昇しやすいアノマリーがあります。

 日本の株式市場には、「掉尾の一振(とうびのいっしん)」という有名な相場格言があります。これは、1年の最後の取引日となる大納会(2025年は12月30日)に向け、例年、12月20日ごろから株価が上昇しやすいとされる傾向のことです。

 また、世界的に見ても年末に向けて株価が上昇しやすい「年末ラリー」と呼ばれる現象が知られており、こうした相場格言や傾向が示すとおり、12月の下旬に主要株価指数で株高アノマリーが確認できるのは興味深いデータと言えます。
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 今回紹介したデータが、12月のFXトレードの参考になれば幸いです。次回は2026年1月のアノマリーを紹介しますので、お楽しみに!