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過去20年の「9月」の為替市場の値動きを徹底的に検証!
2025年9月のFXトレードで使える「アノマリー」を探せ!

 為替市場には、さまざまな「アノマリー」が存在します。「アノマリー」とは、理由や要因が明確にあるわけではないが、なぜかそうなりやすい現象のことです。たとえば、バケーションシーズンで海外旅行に行く人が増えることによる外貨への両替需要、グローバル企業の決算時期や輸出・輸入企業などの実需の動きなどが影響して、例年、決まった時期に特定の通貨が買われやすい傾向などがあると考えられています。

 特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間の午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。

 この連載では、為替市場の過去の値動きデータを月ごとに検証して、上記のような「アノマリー」を探しています。今回は過去の「9月」のデータを集計して、2025年9月のFXトレードで活用できる「アノマリー」を探してみました。
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9月の月足に目立った傾向は確認できないが、為替差益とスワップポイントの
両方の獲得が見込める10月を見据え、買いポジションを仕込む好機に!

 はじめに、月足の統計データで9月のアノマリーを確認していきましょう。

 下の表は主要通貨ペアの過去20年間の月足を調べた中から、日本円が絡んだ主要な通貨ペアの「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

日本円が絡んだ主要通貨ペアの月足アノマリー情報

 これを見ると、9月に目立った偏りが確認できる通貨ペアはありません。しかし、翌10月は陽線の出現回数が米ドル/円、英ポンド/円、豪ドル/円が14回、ユーロ/円が13回など、全体的に「円安」のアノマリーがあります。

 いずれの通貨ペアも、買いポジションを保有するとスワップポイントが受け取れるので、9月は為替差益によるキャピタルゲインと、スワップポイントによるインカムゲインの両方を狙える10月に向け、買いポジションを仕込む好機となりそうです。
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 また、7月あたりからの夏枯れ相場が終わる9月は、年末に向けたトレンドの発生起点になりやすい時期と言われています。

 以下の表は先ほどと同じように、過去20年間の月足を調べた中から、ニュージーランドドル(NZドル)が絡んだ主要な通貨ペアの、「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

ニュージーランドドルが絡んだ主要通貨ペアのアノマリー情報

 これを見ると、ニュージーランドドル/カナダドルは陽線の出現回数が10月は14回、12月は15回と多く、さらに12月にはニュージーランドドル/円とニュージーランド/米ドルでも14回と、それぞれに「ニュージーランドドル高」のアノマリーが確認できます。

 南半球に位置するニュージーランドは、年後半が主要な農産物の収穫時期にあたることも影響してか、例年、年末に向けて買われやすい傾向があります。今年(2025年)も同様の傾向であれば、9月は年末に向けたニュージーランドドルの上昇を見込んで、投資戦略をじっくりと検討するのも良さそうです。
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日足では「2日と2週目の円安」に注目! さらに、米ドル/円は2日、
4日、10日に70%以上の確率で上昇する点にも警戒を!

 次は日足の統計データの中から、9月に注目したいアノマリーを紹介します。

 下の表は、過去20年間における日本円が絡んだ主要な通貨ペアの9月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものの中から、月の前半にあたる1~13日までのデータを抜粋したものです。確率が高ければ陽線になりやすく、確率が低ければ陰線になりやすい傾向があると考えられます。なお、出現確率は直近10年間の動向に比重を置いた加重平均です。

日本円が絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、まず、2日は陽線の出現確率が米ドル/円で76%、ニュージーランドドル/円、カナダドル/円、スイスフラン/円で81%と高く、円安のアノマリーが確認できます。

 また、10日は米ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円で70%以上、11日は豪ドル/円で86%、12日はユーロ/円、豪ドル/円、ニュージーランドドル/円で80%前後と陽線の出現確率が高く、10~12日にかけても円安のアノマリーがあります。

 このことから、9月は「2日と2週目の円安」アノマリーに注目です。また、日本のFXトレーダーがもっともよく取引する米ドル/円は、4日も陽線の出現確率が71%となっていることから、米ドル/円では「2日、4日、10日の円安」にも警戒が必要となりそうです。
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「17日と29日のユーロ高」と「30日のユーロ安」、「16日、19日、
30日のスイスフラン安」に警戒! 29日と30日の真逆の動きにも注目!

 さらに、9月の日足では、ユーロとスイスフランにもいくつかアノマリーがあるので紹介します。

 以下の表は先ほどと同じように、過去20年間におけるユーロが絡んだ主要な通貨ペアの9月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものの中から、こちらは月の後半にあたる15~30日までのデータを抜粋したものです。

ユーロが絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、17日と29日は多くの通貨ペアにユーロ高のアノマリーがある一方、30日は多くの通貨ペアにユーロ安のアノマリーが確認できます。
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 そして、以下は過去20年間におけるスイスフランが絡んだ主要な通貨ペアの9月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものの中から、同様に15~30日までのデータを抜粋したものです。

スイスフランが絡んだ通貨通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、特に16日、19日、30日は、スイスフランが決済通貨(分母側)の通貨ペアの多くで陽線の出現確率が高い、スイスフラン安のアノマリーが確認できます。また、30日のスイスフラン/円の19%という陽線の出現確率も、かなり強い「スイスフラン安・円高」アノマリーです。

 そして、29日は米ドル/円、ニュージーランドドル/スイスフラン、カナダドル/スイスフランでスイスフラン高になる傾向が強い一方で、その翌日の30日はスイスフラン安になる傾向がとても高い点も注目に値します。この傾向を踏まえて、29日の上昇したタイミングでスイスフランを売り、30日のスイスフランの下落を狙うというトレードもおもしろそうです。なお、ユーロにも29日と30日で真逆の動きになりやすい通貨ペアがいくつも存在しているので、あわせて注目しておきましょう。

 以上のことから、9月は「17日と29日のユーロ高」と「30日のユーロ安」、「16日、19日、30日のスイスフラン安」にも警戒です!
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9月の株式市場は「日米の第2週の株高」に注目! “セル・イン・メイ”の
格言どおり、マーケットに参加者が戻ってくることを意識した動きか?

 最後に、為替の動向にも影響を与える株式市場の9月のアノマリーを紹介します。

 下の表は日本と米国の代表的な株価指数の過去20年間の月足を調べ、「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

日米の主要株価指数の月足アノマリー情報

 これを見ると、日本と米国の主要な株価指数に、9月は明確な傾向は認められません。一方、11月には米国、12月には日本での株高アノマリーが確認できるため、9月はそのことを念頭に置きつつ、年末に向けて銘柄を選別する時期と割り切るのも一つの手でしょう。

 もっとも、月足では方向性は見いだせないものの、週足では一部の週に興味深い傾向があります。

 下の表は、過去20年間の週足を調べ、それぞれの日が含まれる週足の「陽線の出現確率」を日別に集計した週足の統計データの中から、今年は第2週にあたる9月8~12日の期間を抽出したものです。「週間平均」は2025年のカレンダーをもとにした、その週の月曜日から金曜日の平均値です。

日米の主要株価指数の週足アノマリー情報

 これを見ると、2週目は日経平均の87%を筆頭に、いずれの株価指数も陽線の出現確率が高く、「株高」の傾向が確認できます。

 株式の世界には“セル・イン・メイ(Sell in May)”という有名な相場格言があり、オリジナルの「Sell in May and go away, don't come back until St Leger day.」を日本語にすると、「(株を)5月に売ってどこかへ行き、セント・レジャー・デーまで戻ってくるな」という意味になります。
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 この「セント・レジャーズ・デイ」とは、9月の第2土曜日に行われる英国の伝統ある競馬レースのことで、今年(2025年)は9月13日に開催されます。そのため、2週目は翌週から株式市場に多くの投資家が戻ってくることを見据えて、先回りする動きが出やすく、株高になりやすいと考えることもできるのではないでしょうか。いずれにせよ、2週目の強い株高傾向には注目しておきましょう。
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 今回紹介したデータが、9月のFXトレードの参考になれば幸いです。次回は10月のアノマリーを紹介しますので、お楽しみに!