目次

序章　Prologue

カウフマンの教室にて
 起業家が持つ真の魅力
本書の構成

オリエンテーション　Orientation　ベンチャー・キャピタルの基本

１　ベンチャー・キャピタルの役割
２　さまざまな投資家の形態
３　スタートアップの成長と投資ステージ

第１章　Chapter 1　ユニコーンを見つけるレンズ

１　スタートアップを評価する2つのポイント
２　実行力の評価 ── マネジメントチームの実力
３　競争力の評価１ ── 売上高から見るユニット・エコノミクス
　　練習問題①
　　練習問題②
４　競争力の評価２ ── LTVから見るユニット・エコノミクス
５　競争力の要因分析
　　ケース① ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ
　　ケース② パランティア・テクノロジーズ
　　ケース③ フレックスポート
　　〈コラム〉カウフマン・フェローズ・プログラムのメンバー

第２章　Chapter 2　ユニコーンの将来予測

１　なぜ解約率は上がるのか
２　コホート分析
３　過去の実績と将来の予測
４　各種指標の相場
５　潜在市場
　　〈コラム〉カウフマン・フェローズ・プログラムの選抜システム

第３章　Chapter 3　ユニコーンを測る物差しとキャピタル・デザイン

１　IPO価格への厳しい目
２　上場時のバリュエーション
３　投資段階でのバリュエーション
４　キャピタル・デザイン
　　ケース① コインベースの資金調達
　　ケース② プロジェクト44の資金調達
５　ダウンラウンド
６　セカンダリー取引
　　〈コラム〉カウフマン・フェローズ・プログラムのレクチャーと授業料

第４章　Chapter 4　ベンチャー・キャピタル７つの機能

１　タームシートは「ほとんど重視しない」
２　７つの機能と好循環
３　投資先へのアクセス方法
４　条件を詰め、投資を判断する
５　付加価値の提供
　　ケーススタディ①
　　ファストリ— ── 日本経済新聞への売り込み
　　ケーススタディ②
　　パランティア ── データが見つけたローソンのヘビーユーザー
　　ケーススタディ③
　　コインベース・グローバル ── 三菱UFJ銀行との資本提携
　　〈コラム〉ニューヨーク証券取引所にも行った聞き取り面談
６　良いボードメンバーとして投資先を適切にモニターする
７　フォローオン投資、イグジット戦略策定、実行
８　ポートフォリオ構築と投資家へのレポート
　　〈コラム〉日本市場の魅力

第５章　Chapter 5　米国のVCと日本のVCの違い

１　巨大で競争の苛烈な米国VC市場
２　米国の勝ち組VC
３　米国VCの新潮流
４　日本のVCの現状
５　日本のVC業界がグローバル化するには？
６　日本のVCの構造的な問題点
７　日本のVCの文化的な問題点
８　成功するVC投資に必要なこと
９　ヨーロッパ、南米、東アジアが迎えたVCのグローバル化
10　ビジネスの主流の変化

特別インタビュー　Interview　カウフマン・フェローズ・プログラムの進化

マイク・ハーマン、フィル・ウィックハム
トリシュ・コステロ
ジェイソン・グリーン
ジェフ・ハーバック

終章　Epilogue

１　孫正義のタイムマシンから降りることができたのか
２　日本のサイジニアと米国のツイッター
３　カウフマンの教室で教えられたこと、教えたいこと

著者

中村幸一郎（なかむら・こういちろう）
Sozo Venturesファウンダー/マネージングディレクター
大学在学中、日本のヤフー創業に孫泰蔵氏とともに関わる。新卒で入社した三菱商事では通信キャリアや投資の事業に従事し、インキュベーション・ファンドの事業などを担当した。米国のベンチャー・キャピタリスト育成機関のカウフマン・フェローズ・プログラムを2009年に首席で修了（ジェフティモンズ賞受賞）。同年にSozo Venturesを創業した。ベンチャー・キャピタリストのグローバル・ランキングであるマイダス・リスト100の2021年版に日本人として初めてランクインし（72位）、2022年はさらに順位を上げた。シカゴ大学起業家教育センター（Polsky Center for Entrepreneurship and Innovation）のアドバイザー（Council Member）。早稲田大学法学部卒、シカゴ大学MBA修了。

協力

カウフマン・フェローズ・プログラム（Kauffman Fellows Program）
米国シリコンバレーに本拠を置く非営利団体による、体系化されたベンチャー・キャピタリスト業界の次世代リーダー育成プログラム。1995年のスタート以来、世界57カ国から765名以上のベンチャー・キャピタリストたちがプログラムに参加し、グローバルなネットワークを形成。修了したフェローたちはベンチャー・キャピタルのみならず、世界各国で企業や政府、アカデミアのイノベーション活動をリードしている。