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過去20年の「11月」の為替市場の値動きを徹底的に検証!
2022年11月のFXトレードで使える「アノマリー」を探せ!

 為替市場には、さまざまな「アノマリー」が存在します。「アノマリー」とは、理由や要因が明確にあるわけではないが、なぜかそうなりやすい現象のことです。たとえば、バケーションシーズンで海外旅行に行く人が増えることによる外貨への両替需要、グローバル企業の決算時期や輸出・輸入企業などの実需の動きなどが影響して、例年、決まった時期に特定の通貨が買われやすい傾向などがあると考えられています。

 特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間の午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。

 この連載では、為替市場の過去の値動きデータを月ごとに検証して、上記のような「アノマリー」を探しています。今回は過去の「11月」のデータを集計して、2022年11月のFXトレードで活用できる「アノマリー」を探してみました。

11月は月足で強いアノマリーを示す通貨ペアは目立たず。
「年末のニュージーランドドル買い」に向けた仕込み時期か

 下の表は、31通貨ペアについて、過去20年分の月足の「陽線」と「陰線」を数えたものです。どんな傾向があるのか、じっくりと見てください。

月足の陽線・陰線回数

月足の陽線・陰線回数

月足の陽線・陰線回数

月足の陽線・陰線回数

 過去20年の月足の「陽線」と「陰線」の出現回数を月別に数えてみると、米ドル/カナダドルは陽線の出現回数が20回中14回、豪ドル/ニュージーランドドルは陰線の出現回数が14回と多くなっていて、新興国通貨では対円の通貨ペアである南アフリカランド/円の陽線の出現回数が20回中15回、トルコリラ/円は陰線の出現回数が16回中(※)で10回と多くなっています。特に、南アフリカランド/円は75%の確率で陽線になるアノマリーがあり、少し注目しておきたいところです。
(※編集部注:トルコリラ/円のデータ集計は2006年10月~)

 ただし、上記のほかには11月に特定の通貨が買われたり、売られたりするという強いアノマリーは現れておらず、月足ベースでおすすめする通貨ペアはありません

 しかし、来月12月にはニュージーランドドル/円で陽線が16回も出ていて、陽線の出現確率が80%に達しています。なので、12月のニュージーランドドル/円のアノマリーに注目して、11月のうちにニュージランドドル/円の買いを仕込んでおくとよさそうです。
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 なお、12月のニュージーランドドル買いのアノマリーについては、次回のコラムで詳しく紹介したいと思います。

11月の日足では強いアノマリーが出ている通貨ペアあり!
英ポンド/円や英ポンド/ドルは、11月3日・17日に買われやすい!

 一方、日足ベースのデータでは、11月に強いアノマリーが出ている日がある通貨ペアがいくつかあります。

 下のデータはポンド関連の通貨ペアの、過去20年間の日足の「陽線」と「陰線」の出現回数を日別に数えたものです。11月3日を見てみると、陽線の出現確率が英ポンド/円で88%、英ポンド/米ドルと英ポンド/スイスフランは83%と高くなっていて、英ポンドに買われやすいアノマリーがあることがわかります。

英ポンド関連の日足アノマリー

 また、11月17日にも「英ポンド買い」のアノマリーがあり、陽線の出現確率が英ポンド/ドルは74%、英ポンド/ニュージーランドドルは88%と高く、英ポンドが決済通貨(基準通貨)となっているユーロ/英ポンドは13%と低くなっていることから、11月17日も英ポンド高になりやすいアノマリーがあることがわかります。ほか、11月10日には英ポンド/豪ドル、英ポンド/ニュージーランドドル、英ポンド/スイスフランなどで「英ポンド買い」のアノマリーが出ています。
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日本円関連では、11月は月初と月末に円安になりやすい傾向あり。
投資は「そうなりやすい」という“優位性”に勝機がある

 最後は米ドル/円と主要なクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の11通貨ペアについて、過去20年間の日足の「陽線」と「陰線」の出現回数を日別に数えた表を見てみましょう。

日本円関連ペアの日足アノマリー

 日本円関連の通貨ペアでも、11月の月足データでは目立ったアノマリーはありませんでしたが、日足のデータを見てみると、月初と月末に「陽線」の出現確率が高い日があり、円安になりやすい傾向があるようです。特に11月3日、17日、29~30日派の複数の通貨ペアで陽線の出現確率が70~88%と高くなっており、円安方向の動きに注意が必要かもしれません。

 なお、米ドル/円については「11月は米国債の償還が集中して円高圧力がかかりやすい」と、一部で言われているようですが、極端に「陰線」の出現確率が高くなっている日はありません。
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 アノマリーは過去のデータの中に傾向を見つけ出すものですが、過去のデータを詳しく見ていくと、「なんとなく言われていた相場の傾向」が実際には存在しない、ということもあります。「傾向がある」ということと同様に、「実際にはそういう傾向がない」というのも投資をするうえで貴重な情報です。

 そういった意味では「過去にどのような傾向があったのか」ということをきちんと調べて知っておくのはとても重要です。みなさんも、さまざまな金融市場をよく観察して、トレードに役立つ発見を探してみてください。


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