目次

はじめに

第１章　がんばっているのに、全国屈指のマーチングバンド伝統校は、なぜ落ち込んでしまったのか？

黄金時代の「終わりの始まり」
自分の技を究めるか、誰かのためにがんばるか
チームに流れる自主性の伝統
２つのさよなら

第２章　苦しい時期、カリスマじゃないリーダーが、指導や口出しをがまんしてやっていたこと

「真面目な努力」だけでは打開できない壁だった
リーダーとメンバーの距離感という大問題
カリスマリーダーではなく「知らん顔の指導」を目指す
海外遠征で学んだ心の動かし方
感動はするもの、与えるものではない

第３章　ちょっと弱い先輩が、もっと弱い後輩を指導して強くなる「弱弱指導法」で道が拓けた！

オレンジの悪魔の役員になる
人材は育てるものではなく、育つもの
自分の頭で考え、行動しはじめた悪魔たち！
「シング・シング・シング」を完成させよ！
「目標達成に必要なこと」を自分たちで考える
「今できること」を考えて着実に一歩進む
ついに全国に返り咲く

第４章　自分で考えて動くためのサポートに徹する「弱弱指導法」虎の巻

親しき仲にも「敬意」が必要
新人オレンジの悪魔の“デビュー”とは？
上下関係のトラブルはどんなチームにもある
トラブルは大改革のチャンス
前例をぶっ壊せ！
直接指導をする「例外」の３タイプとは？
観察と公平さを徹底する
仲良しではなく、同志をつくる

第５章　ここでしか味わえない経験をさせる！　最高のプロデュースをするのはリーダーの仕事

橘でしかできない経験をさせたい
「チャンスは平等」の嘘と真実
「らしさ」を伸ばすプロデューサーに徹する
経験ほど優れた指導者はいない
出していいイベント・いけないイベントを選別せよ
マスコミとの付き合い方
知名度を上げることのメリット・デメリット
ネットの誹謗中傷から守ってあげる方法とは？
あらゆる「外部の刺激」を成長のために使う
保護者を巻き込んでこそ、教育
一線を引いてかかわるのがリーダーの基本
京都橘高校吹奏楽部は「水」である

あとがき

著者

田中宏幸（たなか・ひろゆき）
1958年生まれ。大阪音楽大学卒業後、音楽教師になり、公立中学校に12年間勤務の後、1995年に京都橘高等学校に赴任。以降23年間、顧問として吹奏楽部を指導し、全日本マーチングコンテスト常連校へと成長させる。
近年では07年より３年連続全国大会出場（08年、09年は金賞）、11年全国大会出場、12年NHK吹奏楽バトル優勝、14年、15年にも連続で全国大会出場。15年には金賞受賞。
また、日本で唯一アメリカ合衆国のローズパレード（集客規模100万人）２回出場などの実績を残す。2018年に退職し、現在吹奏楽プランナーとしてさまざまな吹奏楽団体を指導するかたわら、京都府舞鶴市で吹奏楽フェスティバルを開催し、FMまいづるで「田中宏幸の吹奏楽のセカイ」の番組を持つなど、音楽によるまちおこしに取り組む。2020年のコロナ禍で、活動が行えない吹奏楽団体を支援する「＃吹奏楽を止めるな」を、ラジオ番組とSNS上で展開している。