目次

はじめに　日本一要求の多い消費者がふえている

組合員たちのこだわりの品々
組合員がつくり上げてきた組織

第１章　国産鶏種「はりま」にかけた思い ── 丹精國鶏の誕生

鶏ふんの臭いがしない！
３代さかのぼっても日本生まれ
食を守るには種の自給が不可欠
５万円からの再出発と無投薬飼育の確立
生活クラブとの出会いとはりまへの挑戦
はりま改良へフィールドテスト
組合員の「食べるチカラ」
もうひとつのこだわり＝飼料用米の自給

第２章　はじまりはびん牛乳だった ── 生活クラブの原点と発展

アパートの１室からはじまった共同購入
生活協同組合の立ち上げ
70年代の急成長
「消費材」という考え方
オリジナルブランド第１号は信州みそ
自前の牛乳工場をつくる
パスチャライズド牛乳とバターの自給化
練馬支部の結成と生活クラブの拡大
自立していく主婦たち

第３章　そこまでやらなきゃダメですか？ ── 国産と安心・安全はゆずれない

組合員と生産者で決めた原則と自主基準
ロースハムのステップアップ点検
庄内地方の生産者との出会い
無添加ウインナーに取り組んだきっかけ
厳格な衛生管理に感嘆
利用が下がれば組合員が再開発
ヨーグルト再開発へ
多くの組合員の参加で新ヨーグルトが誕生

第４章　消費者と生産者の立場を超えて ── 共感と信頼が築く対等な関係

東日本大震災で確認した絆
消費材のたしかさを再確認 ── 生産者交流会
要求するなら行動も ── タオル１本提供運動
長野県産トマト100パーセントのストレートジュース
農家の作業負担を組合員の「計画的労働参加」で補う
豚肉１頭の共同購入
飼料用米の取り組み
生産者の生活クラブができた

第５章　必要な仕事は自分たちでつくる ── 女性たちがめざしたもうひとつの働くかたち

安心・安全なお弁当がほしい
ワーカーズ・コレクティブという答え
椀もあ弁当を毎日注文するわけ
半分の思いやりと半分の自己主張
孤立する母親たちの居場所をつくる
子育てする母親のネットワークづくりを支援
“椅子”がないならつくるしかない
ありのままでいられる場所づくり
当事者だからこその思いの強さ

第６章　ここから新常識がはじまる ── エネルギーと地域福祉がつくる持続可能な社会

よそごとでなかったチェルノブイリ原発事故
「生活クラブ風車　夢風」の実現
電気は消費材
コンセントの先が見える電気
せっけん運動と福祉の原点
生産者と語り合った風の村構想
全室個室が常識になった
福祉事業の広がり
描いたビジョンのたしかさ

終章　自立した地域社会をめざして

組合員の店「デポー」
デポーはまちづくり広場
５か月で1200人の新規組合員を達成
組合員活動の新しいかたちをつくる
めざすのは自立した地域社会

あとがき

おもな参考図書・資料

著者

小澤祥司（おざわ・しょうじ）
環境ジャーナリスト／科学ライター。1956年静岡県生まれ。東京大学農学部卒業、主に生物多様性、自然エネルギー、持続可能な社会をテーマに執筆活動を行う。主な著書：『メダカが消える日 ── 自然の再生をめざして』『エネルギーを選びなおす』『ゾンビ・パラサイト ── ホストを操る寄生生物たち』『うつも肥満も腸内細菌に訊け！』『メタボも老化も腸内細菌に訊け！』（以上、岩波書店）、『二宮金次郎とは何だったのか ── 臣民の手本から民主主義者へ』（西日本出版社）